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スピリット  作者: 猿飛
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睨み合い1-1

「いい加減自分の弱さを認めろよ。他人と向き合う前に自分を見つめ直すこったな」

「おいおい。それは独り言か?自分に言い聞かせるのは脳内だけにしてくれよ。俺の事かと勘違いしちまうじゃねぇか」

夏が近付いて日も長くなった夕暮れ時に事は起きた。


人の世のさだめか、(いさか)いが後を絶たない。

人は歴史を作る。過去を現代に伝える習慣があるのだ。それは後世で同じ過ちを繰り返さぬ様、はたまた自分が存在していた事を知らしめる様、それもはたまた昨日の出来事を忘れぬ様、目的は違えど記録する。記憶には限界があり、そして欠陥を生む。補うように偽りを作り出す。人は不完全に出来ているのだ。神は存在しているのではなく作り上げられたのだ。ではその神を作り上げた人は誰が?その証明は未だに出来ていない。


小国[バス]の東に位置する海沿いの首都[ダンカ]。内陸よりにあるバス城麓の城下町。城門を起点に五本の道が延びそれぞれが街道として街同士を結ぶ。二番街道沿いに店を構える酒場[ベンダーラッシュ]の一番奥、七番テーブルが戦場となった。


「ああ言えばこう言うか。口で言って分からないやつは何で分からせるか、分かるか?」

それを言い放つはバス国護衛軍[ガンプー]の二番隊隊長、名を[ガレオン]と言う。


「そう言って力任せに解決しようとする脳筋を言葉だけじゃなく力で捻じ伏せるのが快感なんだ。趣味は悪いが売られたモンは買うしかないよな」

対するは同軍、六番隊隊長[ワンダ]


両者とも苛立ちが抑えきれず、握っていたジョッキをテーブルに叩き置いてはまるで恐竜のように額同士を打ちつけ臨戦態勢に入った。


睨み合う。

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