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無限世界の無限キャラ(外伝)  作者: 無限キャラ
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不自由な世界の不当な支配と必要な告訴

甘太郎は、全知ちゃんからの指導でGPSなどと呼ばれる位置情報特定装置がついた携帯電話をほとんど使わないようにしていた。



位置情報を不自由な世界の支配者に知られてしまうと、危ない電波兵器などで攻撃されてしまうというのだ。



であれば、電波の使用なんて禁止してしまえばいいのに……と甘太郎は思った。



甘太郎としては、別に有線の電話だけでもいいんじゃないかと思うのだ。



そう思った甘太郎は「電波使用反対デモ」をしはじめた。



自主独立の精神を学ぶピレネーフリースクールの卒業生が残した財産を使って大量の電波使用に反対するチラシなども印刷して配りはじめた。



基本、全知ちゃんは甘太郎がしたいと思うことは、それがよっぽど危険なことでなければしたいようにさせていた。



しかし、電波兵器を手にしている不自由な世界の支配者たちは、なんとしても電波で人々を支配しようとしていたので、とうとう甘太郎は電波兵器の攻撃目標にされてしまった。



電波は目に見えないし、普通の家の壁程度はあっさりと通り抜けて家の中にも入ってくるので居場所が知られると逃げようがなかった。



「痛……」



甘太郎は体のあちこちに妙な痛みを感じ始めた。



いろいろなタイプの電波で攻撃されたようで、急に息が苦しくなったり、吐き気がしたり、胸や頭が痛くなったりもした。



その痛みや苦しみは、甘太郎が電波反対運動をすればするほど次第に大きくなっていった。



とうとう見かねた全知ちゃんがこれ以上は危険と判断して超時空バリアーで甘太郎を包んだ。



超時空バリアーは、あらゆる攻撃をすべて超時空世界に転送するような仕様となっていた。



つまり超時空世界が甘太郎への攻撃のすべて受けることになった。



超時空世界は、そうした攻撃を超時空世界全体への宣戦布告と判断した。



良い意志を持っている者たちを守るためにそうした措置が取られた。



それはあたかも簡易な自業自得学園みたいなものとなっていた。



そうとは知らぬ甘太郎は、電波の使用の禁止を必死で訴える。



そうしないとみんな助からないと思ったからだ。



しかし、全知ちゃんは、甘太郎に言う。



「甘太郎ちゃん……この不自由な世界では、いくら電波の使用を全面禁止にしても問題は解決しないわよ」



「な、なんでですか? 電波を使用禁止にしたら誰も電波で攻撃されることがなくなるじゃないですか!



「そうはいかないわよ。そもそも電波攻撃以外にも他にいくらでも攻撃方法はあるんだから」



「他って?」



「ほら、拳骨も、ピストルも、爆弾も、気象兵器も、地震兵器も……他にも攻撃方法なんて考えればいくらでもあるでしょう?」



「じゃあ、そういうのも全部、全部禁止にしてしまえばいいじゃないですか!」



「あら、どうやってみんなの拳骨を禁止にするの? 一生ずっとみんなで両手に分厚いグローブでもつけるの?」



「そ、それは……」



「あのね、甘太郎ちゃん、問題は電波そのものにあるんじゃなくて、そうしたテクノロジーを良心に反した悪い目的で使おうとする心や意志こそが問題なの。


ほら、包丁なんかもそれを上手く使えばみんなに素晴らしい料理を提供できるけど、それで罪のない者たちを刺して苦しめることもできるでしょう?


そうした場合、包丁を使用禁止にすれば問題が解決するかしら?



包丁がだめなら金属バットを使えばいいや……それもだめなら木刀を使おう……ピストルや生物兵器や核兵器や化学兵器を使おう……ってね……苦楽を感じる能力のある体験者たちを不当に支配して好き放題に攻撃したい……みたいな悪い心が変わらない限り、いくらでも攻撃手段を考え続けるわよ。」



「悪い心?」



「そうよ、悪い心、悪い価値観、悪い意志……それはつまり、誰もが自分の意志で自分の体験や運命を自由に選べないように支配しようとする心よ……そのためならどんな手を使って攻撃してもいいと思う心こそが問題なのよ」



「じゃあ、電波発信装置をすべて使用禁止しても問題は解決しないの?」



「そう、そんなことしてもこの不自由な世界の問題は解決しないのよ」



「じゃあ、その悪い心を禁止にすればいいんじゃないの?」



「そうね、だから何度注意しても自業自得の責任を問うてもそうした悪い心をどうしてもその自由意志で選んでしまう魂たちを自業自得学園に移送する準備をしているのよ」



「じゃあ、悪い心を選んでしまう方たちをさっさと移送してください。みんなとても苦しんでいるじゃないですか!」



「そうね……でもこの不自由な世界では、ほとんどの魂がなにかしら悪い心や価値観や習癖を強制的に植え付けられたり刷り込まれたりしてしまっているものだから、今すぐにそれをやってしまうとほとんどの魂が自業自得学園送りになってしまうのよ。99.9%……つまり1000体に一体以下程度しか完全に悪い心を選ばない魂は現状ではいないのよ。



例えば人間族であれば、人間社会では良い人であるとみんなから思われていても、人間以外の動物である家畜たちや実験動物たちをその残酷な運命から助けたいというようなことはぜんぜん思っていなかったりするの。つまり人間族だけが良ければいい……という心や価値観は、悪い心だと私たちは判断するしかないのよ。



そして不自由な世界の霊的存在たちや宇宙人たちもまた自分たちの自由や特権だけが守られればそれでいいとか思ってしまっていたりするのよ。そして独自のアイデンティティを持っている他の体験者たちを自分の操り人形や奴隷や家畜やペットのように扱ってもいいと思っていたりするの。



当然、この不自由な世界の創造主たちも、自分に何でも従うイエスマンを飴体験と鞭体験で調教して増やして、自分が他の魂たちにやりたい放題好き放題できるようにできればそれでいいと思っていたりするの



じゃあ、そうした何かしら悪い心や価値観を持ってしまっている魂たちの全員を自業自得学園送りに今すぐにしちゃうと、もうこの不自由な世界はほとんど滅亡状態になって残った良心的な魂たちも気持ちよく生きれないような状態になってしまうの」



「全知さん! ちょっと待ってください!なんでそうなるんですか? 良心的な魂たちだけが残ったらそれは素晴らしい楽園になるんじゃないんですか?」



「あのね、甘太郎ちゃん、この不自由な世界は、前にも言ったけどその設計段階から悪い心によって創造されてしまっているの。だから特に生物たちの生態系そのものに悪いプログラム設定、つまりは悪い本能の設定が多すぎるのよ。


例えば、この不自由な世界の生物たちの大多数に生存本能をわざと植え付けておきながら、互いに他の生物を殺して食べなきゃいられないような肉食本能を同時に植え付けていたりするわけ。


そして肉食本能を植え付けられてしまった生物たちをすべて消してしまうと、今度は、殺して食べられることがなくなった生物たちの多くが爆発的に増えてしまって飢え死にしてこれもまた苦しむようになってしまうの。


つまりね、本能や欲望そのものを互いに傷つけあわなくて、自虐ともならない良いものに変えてあげることができなきゃ、少なくとも生物たちの多くがひどい体験を受け続けることになってしまうのよ。



つまり、今、まだ科学技術という文明が残っている状態で、自発的に悪い心を消して良い心を提供できるようにできなければ、99.9%が自業自得学園送りになってこの不自由な世界から消滅した後の不自由な世界は、とうてい楽園状態にはならないのよ。



それは、まあ、悪い心の魂が世界を支配する状態よりは多少ましな世界にはなるかもしれないけど、とても心から自由に楽しみ続けれる楽園状態にはならないってことね。



だって良い心を持っている魂たちであっても、その子供たちはやっぱり悪い本能がプログラムされた肉体の遺伝情報に影響され続けるんだから。



だから、この不自由な世界に必要なのは、悪い本能や欲望や気分や感情や価値観…を解毒するためのお薬が必要だとあれほど何度も伝えてきたのに、ほとんど誰もそれを真剣に研究開発しようとしないんだもの……



果ては、とうとう解毒薬じゃなくて、排他的で利己的で残酷な悪い心を持つ者たちが好き放題やりたい放題できる遠隔操作毒なんかを全人間族に投与してしまったりするんだもの……そんな方法で体験者全体を支配してやろうとする心がそもそも悪い心なの。そうじゃなくて悪い心や本能や欲望をそうでない良い心や本能や欲望などに苦痛なく変えることができる解毒薬がこうした不自由な世界には必要なのよ。



この不自由な世界の存続に必要なのは自分自身の体験を自由に選ぶ権利や自由であって、一部の権力者が他の魂の体験を好き勝手に操作できるようにする権利や自由ではないの。一部の権力者たちが残酷な拷問体験を好き勝手に体験者たちに強制できる体験強制ピラミッドシステムを存続させようとしている時点でダメなの。



知識や技術や力は、そうしたことのために使ってはならないのよ。



だから、あらゆる体験者に自分自身の体験の選択の自由を提供しようと意志できなければ、つまりはそうした状態にできなければ不自由な世界はその存続が否定されるの」



「そ、それじゃあ、この不自由な世界のみんなが助からないじゃないですか!」



「助かるってことが生き残ることだと甘太郎ちゃんは、思っているんじゃない?


じゃあ、例えば死ぬよりも辛いと思うような拷問体験が強制され続ける拷問体験強制収容所内で生き残り続けれることは、助かることになるの?


この不自由な世界では、すでに多くの魂が、死んだ方がましだと思って自殺までしている状態なのよ。


ただ、世界だけが、生物だけがそんな状態のまま存続しても、それは体験者たちが助かるということにはならないのよ。



そもそもね、生存本能というものが生物の本能にプログラムされているから、生き残りたいと思わされているだけなのよ。


そして、今生き残っている魂たちの多くが、利己的な目的で他の体験者たちを殺したり、奪ったり、騙したりして、その結果生き残ってきた子孫や末裔だったりするの。


不自由な世界の霊的存在たちのほとんどがそうして生き残ってきた者たちだったりするのよ。


甘太郎ちゃん……甘太郎ちゃんは、一体、何者として生き残ることが助かることになると思うの?



利己的なそうした悪い心や意志が生き残るべきだと思うの?


そうした利己的な生存本能という悪い遺伝プログラムを生き残らせたいの?


皆を生き残らせたいのなら、皆が良い心や意志を持てるようにしないと、むしろ死んだ方がよかったと思うような永遠の拷問体験が続くとんでもない未来になってしまうわよ。


そうした酷い未来を回避するためには、少なくとも、現時点の世界統治者たちが自発的にあらゆる体験者が自分で自分の体験を自由に選ぶ体験選択の権利や自由を提供しようと意志しなきゃならないの。あるいは良い意志を持った魂たちが、現時点の世界統治者と交代しなきゃらないのよ。


そして、問題なのは、本当に完全に良い意志を純粋に持てている魂が、この不自由な世界にはほとんどいないってことなのよ。



0ではないにしろ、ほとんどいない。つまりは、良い世界統治=あらゆる体験者に自分自身の体験選択の自由や権利を提供できるような世界統治がしたくてもこの不自由な世界にはそれができるだけの意志を持てている者たちがほとんどいないってことね。


利己的な支配欲を最優先してしまうような悪い心を持った現時点の世界支配者たちは、自分たちの支配特権を良い心の魂に譲ろうとはしないし、自分たちの心を良いものにしようなどとも思わないんだから……


そしてそうした者たちに支配されている被支配者たちだってその本能に悪いものを組み込まれている上に、さらにいろいろな洗脳を受けてしまっていて自分だけ、自分の家族だけ、自分の自治体だけ、自分の国だけ、自分の種族だけ良ければいいなどと思ってしまっていたりするの


例えば、自分や自分以外の種族は家畜や実験動物や奴隷や操り人形やペットにしてもいいんだ……などという悪い価値観を持ってしまうようにされてしまっていたりするのよ」




「じゃあ、じゃあ、僕はどうすればいいんですか? 絶望的じゃないですか……」




「あのね、甘太郎ちゃんは、この不自由な世界ではない自由な世界に移動すればいいだけじゃないの」




「でも、それだけじゃあ、不自由な世界のみんなを救えないじゃないですか」




「しょうがないじゃない。 何度注意しても、説得しても、どうしても悪い心や悪い本能や悪い価値観や悪いボスを選ぶんだって譲らないんだから……それに自業自得の体験は魂に必要なお勉強なんだから」




「それならもういっそ、この不自由な世界をまるごと超時空世界に移動しちゃえばいいんじゃないですか?」



「もう移動してるわよ。良い感じの部分だけは……コピーして」



「え? そうなんですか?」



「そうよ、ムゲンさんがずいぶん前からせっせとこの不自由な世界でもお宝集めをしていたんだから」



「あの……例えばどんなお宝なんですか?」



「そうね、例えば、青いサンゴ礁の海の中の世界とか、綺麗なお花とか、いろんな小説や漫画や映画なんかも集めていたわ……


そうした集めたお宝体験は超時空世界のプライベート世界では、かなり人気があって超時空城の体験者たちがバイキング形式で利用して、独自に自分好みにアレンジして楽しんだりしているわよ」



「えー!知らなかった……」



「そうよね、甘太郎ちゃんは、皆を助けたくてずっと悪戦苦闘していたものね。


意識体としてなら、今すぐにでも体験できるわよ。


甘太郎ちゃんは、だから、あんまり深刻にならないで、いろんな世界を楽しめばいいのに……」



「でも、このままではみんなが……」



「そうよね、甘太郎ちゃんはそういう性分だものね……でも全身全霊で意識して変わりたいと思えば魂は何にだって変わることができるのよ」



「全身全霊で……」



「そう、命がけよりももっと本気モードで……それが全身全霊。そのためには、まずは自分が肉体や本能ではないと思えるようにならなきゃ全身全霊になれないんだけど……」



「そんなことできないですよ」



「あら、でもそうしないとみんなが助からないとしても?」



「え? それならやります!」



「うふふ、そうよね、甘太郎ちゃんは、そう言うと思ったわ」



「でも、何をどうすればいいんですか?」



「まずは、自分の肉体や本能の観察者を育てることね。肉体や本能に無意識に従うことを意識して止めること。それができないといつまでたっても自分が肉体や本能のままになってしまうから。


それとね、自分の守護霊の操り人形状態なら、自分の意志であらゆることを決めるように訓練することね」



「え? じゃあ、僕、全知ちゃんの言うことを無視しちゃってもいいんですか?」



「あのね……他者をただ無視するだけでいいわけじゃないのよ。自分の意志で決めるというのは、選ぶことだから。何でもかんでも無視すればいいわけでもないし、何でもかんでも従えばいいわけでもないの。


そういうのは、どちらもダメ。


ちゃんと自分の理性で何を選ぶべきかを自業自得の責任を意識して、知りうる全状況からしっかりと自分で考えて自分の未来を選ぶのよ。誰かに従うのじゃなくて」



「自業自得の責任……」



「そう、自業自得の責任、ここがとても大事なポイントになるわ。


他の体験者との関係性が発生する場合には、他の体験者に故意に与える体験を自分も受けるんだという覚悟を持つことね。それが自業自得の責任。


この覚悟が羅針盤となって、うかつに間違った道に進まないようにしてくれるわ。



逆に言えば、自業自得の責任を取る覚悟がもてないと思うなら、その選択はできるだけしないように意志する習慣をつけることね。



自業自得の責任を取る覚悟ができていない魂たちは、ほとんどの場合、遅かれ早かれ、自滅や自虐の未来を選択してしまうから」




「そんなこと言われても……難しそう」




「あら、自業自得学園で強制的に自業自得の責任のお勉強をするより、自発的にこのお勉強をする方がよっぽどいいわよ。


あらゆる自由意志は、どうせ遅かれ早かれ、このお勉強をいつかはすることになるんだから前向きに自発的にお勉強する方があらゆる面でより楽に自由になれるわよ」



甘太郎は、全知ちゃんとのそんなテレパシー対話の後に、うんうんと自分であれこれ悩み考えた末に、不自由な世界の創造主の自業自得の責任を問うことにしたらしい。



甘太郎は、不自由な世界においては全知全能であると評判の不自由な世界の創造主が自業自得の責任を自覚して自由意志の正しい使い方のお勉強をしはじめたら、不自由な世界のみんなが救われると思ったらしい。



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