全知ちゃんの元恐竜疑惑
「なんで裁判長の判決じゃダメなのよ!!!」
全知ちゃんがムゲンの考えていることを知り、文句を言い始めた。
「いや、だから全知ちゃんだって、昔はいろいろアホ系の欲望とか持っていたんだろう?その経験があったからこそ、今の全知ちゃんがあるんじゃないのかい?」
などとムゲンは悪戯で適当なことを言ってみた。
さてどんな返事が返ってくるのだろうか……
「そ、それは、大昔の話じゃない……そんな恐竜時代の話をしても困るわよ」
などと言い始めた。
どうやら大昔には、全知ちゃんは恐竜だったこともあるらしいことがわかった。
ということはきっと超時空聖体たちにも超大昔には似たような時代があったに違いない……などと思う。
そこでムゲンは、さらに突っ込んでみる。
「ふーん、じゃあ、全知ちゃんだって大昔は誰かの体験の自治権を奪ったこともあるんだろう?」
「それは世界にまだちゃんとした秩序がなかった時代のことだもの……」などと言い訳してくる。
「じゃあ、今は自業自得学園もあるんだし、今から自業自得学園に送られてもしょうがないんじゃないか?」
「ちょ!あなた!何言ってるんですか?」
「いや、別に本気でそうなるべきだって言ってるんじゃないんだけどさ、大昔と今とで裁きが違うってのもなんだか不公平なんじゃないかなーと思ってね」
「何が言いたいのよ!」
「つまりさ、俺の分身体のアホな欲望を消すことができるんなら、それぞれの分身体たちが自分の欲望をオンオフできるようにすることもできるんじゃないかなって思ってね。
それならほら、君が大昔に恐竜だったときに、その欲望オンオフスイッチが与えてもらえていなかったということでおとがめなしということになると思うんんだけど、責任っていうのは自分が自由に選ぶことができてはじめて発生するものだろう?本来は」
「………そんなめんどくさいことしなくても問題がある欲望なんだから、消してもらえればそれで充分じゃないの?」
「じゃあ、全知ちゃんの欲望も全部消してしまってもいいのかい?」
「はあ? なんで全部消さなきゃならないのよ! 悪い欲望じゃなければいいじゃないの」
「そうなんだよ、悪い欲望でなければいいと思うだろう?」
「そりゃそうでしょう? 良い欲望まで消されたら世界がおかしくなるんじゃないの?」
「じゃあ、全知ちゃん、良い欲望と悪い欲望とをどうやって判別するんだい?」
「それは、前に裁判長も言っていたでしょう。ほら、他者の体験の自治権を奪いたくなるような欲望だって」
さすが全知ちゃん、記憶力抜群だ。
「そうそう、そうなんだ、でね、問題は体験者たちからそうした欲望を全部消したらいろんなゲームとかドラマとか映画とか楽しめなくなってしまうんじゃないかなあ……」
「うーん、それは今いろんな不自由な世界にあるゲームとか映画とかドラマのことでしょう? 新しくいくらでも健全な新作のを作ればいいんじゃないの?」
「でもだいぶ前だけど全知ちゃんもお化け屋敷とか恐怖映画とか、きゃーきゃーいいながら結構楽しんでいたじゃない」
「あれは純粋な娯楽の遊びでしょう?」
「そうそう娯楽の遊びに限定すれば、別に楽しんでもいいわけだろう?」
「それはまあそうでしょうけど、超時空聖体様たちには受けが悪いと思うわよ。今までさんざん良い意志を育成するために必死でがんばってきたんですからね」
「でも、ほら、それは昔は良い意志と悪い意志が相克した混沌状態だったからで、状況が変われば対応も変わるって言われてたじゃん」
「あ、あたしにそんなことを言われても困るのよね」
「いや、君にどうこうしろとか言ってるわけじゃないんだよ。ただ、本当にあらゆる体験者たちにとって理想的な世界っていうのは、もっと個々の体験者たちが成熟して自分の欲望や願望とかも自分で自由に選べて、それでいて節度をもって無限の体験を楽しみまくれるようなおおらかで自由な状態なんじゃないかな~って思ったんだよ」
「えー、そんなこと言われたら、それもそうなかなあって気がしてきちゃうじゃないの……」
「つまり僕たちの目指すべきあらゆる体験者たちの理想世界の目標地点をそうした感じのイメージにした方がいいんじゃないかなって思ったんだよ」
「え? それで?」
「いや、もしよかったら、今度また超時空聖体会議でこのことを話し合ってもらえたらナーって思ったんだけどダメかな」
「ついこないだ会議したばかりじゃない」
「ダメかなあ……」
「絶対にダメってことはないけど……」
こうしてムゲンはなんとか超時空聖体会議の開催を再度口添えしてもらうことに成功した。
「なんで裁判長の判決じゃダメなのよ!!!」
全知ちゃんがムゲンの考えていることを知り、文句を言い始めた。
「いや、だから全知ちゃんだって、昔はいろいろアホ系の欲望とか持っていたんだろう?その経験があったからこそ、今の全知ちゃんがあるんじゃないのかい?」
などとムゲンは悪戯で適当なことを言ってみた。
さてどんな返事が返ってくるのだろうか……
「そ、それは、大昔の話じゃない……そんな恐竜時代の話をしても困るわよ」
などと言い始めた。
どうやら大昔には、全知ちゃんは恐竜だったこともあるらしいことがわかった。
ということはきっと超時空聖体たちにも超大昔には似たような時代があったに違いない……などと思う。
そこでムゲンは、さらに突っ込んでみる。
「ふーん、じゃあ、全知ちゃんだって大昔は誰かの体験の自治権を奪ったこともあるんだろう?」
「それは世界にまだちゃんとした秩序がなかった時代のことだもの……」などと言い訳してくる。
「じゃあ、今は自業自得学園もあるんだし、今から自業自得学園に送られてもしょうがないんじゃないか?」
「ちょ!あなた!何言ってるんですか?」
「いや、別に本気でそうなるべきだって言ってるんじゃないんだけどさ、大昔と今とで裁きが違うってのもなんだか不公平なんじゃないかなーと思ってね」
「何が言いたいのよ!」
「つまりさ、俺の分身体のアホな欲望を消すことができるんなら、それぞれの分身体たちが自分の欲望をオンオフできるようにすることもできるんじゃないかなって思ってね。
それならほら、君が大昔に恐竜だったときに、その欲望オンオフスイッチが与えてもらえていなかったということでおとがめなしということになると思うんんだけど、責任っていうのは自分が自由に選ぶことができてはじめて発生するものだろう?本来は」
「………そんなめんどくさいことしなくても問題がある欲望なんだから、消してもらえればそれで充分じゃないの?」
「じゃあ、全知ちゃんの欲望も全部消してしまってもいいのかい?」
「はあ? なんで全部消さなきゃならないのよ! 悪い欲望じゃなければいいじゃないの」
「そうなんだよ、悪い欲望でなければいいと思うだろう?」
「そりゃそうでしょう? 良い欲望まで消されたら世界がおかしくなるんじゃないの?」
「じゃあ、全知ちゃん、良い欲望と悪い欲望とをどうやって判別するんだい?」
「それは、前に裁判長も言っていたでしょう。ほら、他者の体験の自治権を奪いたくなるような欲望だって」
さすが全知ちゃん、記憶力抜群だ。
「そうそう、そうなんだ、でね、問題は体験者たちからそうした欲望を全部消したらいろんなゲームとかドラマとか映画とか楽しめなくなってしまうんじゃないかなあ……」
「うーん、それは今いろんな不自由な世界にあるゲームとか映画とかドラマのことでしょう? 新しくいくらでも健全な新作のを作ればいいんじゃないの?」
「でもだいぶ前だけど全知ちゃんもお化け屋敷とか恐怖映画とか、きゃーきゃーいいながら結構楽しんでいたじゃない」
「あれは純粋な娯楽の遊びでしょう?」
「そうそう娯楽の遊びに限定すれば、別に楽しんでもいいわけだろう?」
「それはまあそうでしょうけど、超時空聖体様たちには受けが悪いと思うわよ。今までさんざん良い意志を育成するために必死でがんばってきたんですからね」
「でも、ほら、それは昔は良い意志と悪い意志が相克した混沌状態だったからで、状況が変われば対応も変わるって言われてたじゃん」
「あ、あたしにそんなことを言われても困るのよね」
「いや、君にどうこうしろとか言ってるわけじゃないんだよ。ただ、本当にあらゆる体験者たちにとって理想的な世界っていうのは、もっと個々の体験者たちが成熟して自分の欲望や願望とかも自分で自由に選べて、それでいて節度をもって無限の体験を楽しみまくれるようなおおらかで自由な状態なんじゃないかな~って思ったんだよ」
「えー、そんなこと言われたら、それもそうなかなあって気がしてきちゃうじゃないの……」
「つまり僕たちの目指すべきあらゆる体験者たちの理想世界の目標地点をそうした感じのイメージにした方がいいんじゃないかなって思ったんだよ」
「え? それで?」
「いや、もしよかったら、今度また超時空聖体会議でこのことを話し合ってもらえたらナーって思ったんだけどダメかな」
「ついこないだ会議したばかりじゃない」
「ダメかなあ……」
「絶対にダメってことはないけど……」
こうしてムゲンはなんとか超時空聖体会議の開催を再度口添えしてもらうことに成功した。