「魂のお勉強推進委員会」からのお悩み相談
ムゲンは、魂のお勉強推進委員会から緊急連絡を受けた。
テレパシー封書を開けてみると、
「なんとか自分たちの支配特権を維持したいのですが、良い方法が見つかりません。ひいては悩み相談にのっていただけないでしょうか?
謝礼として我々の持っている支配特権の一割を提供いたします……」
などと書いてある。
ムゲンは、この前ちゃんと「理想世界の設計図」を送付したはずだよなあ……と思う。
その支配特権で、あの設計図の最高法規を推進すれば自業自得学園に入ってもむしろ果報を得られるのに……と思う。
何を考えているんだろうなあ……と思う。
おそらく前に贈った「理想世界の設計図」をまだ正しく理解できていないんじゃないかなと思う。
もっと簡潔に短くまとめないと理解できないのだろうか……などと思う。
しかし、彼らは高度な知性があるんだから、理解できないわけがないのになあ……とも思う。
しょうがないので、ムゲンはテレパシーで理想世界の設計図について再度詳しく説明することにした。
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「いいかい、君たち、
まず最高法規……ちょっと長いけど、大事な内容なんで長くなっているんだよ。
はい、じゃあ再度説明するね、
★「あらゆる体験者が自らの意志だけで自らの体験のすべてを完全に自由にコントロールできるようにし、自らが選んだ体験を心から楽しみ続けれる状態にしてゆくこと」
この最高法規だけど、まあ、意味は理解できているかな?
「あらゆる体験者が自分の意志だけで自分自身のあらゆる体験を自由に選び楽しみ続けれる世界、状態にしてゆくこと」
と同じ意味だよ。ちょっと言葉や文章が違っても同じ意味だというくらいわかるよね。
でも、きっともっと短く覚えやすい方がいいんだろうね。
であれば、
「誰もが自分の体験を自由に選べるようにすること」
ここまで短縮すれば忘れないかな?
当然、「誰も」には、君たちも含まれているんだからね。あらゆる体験者が含まれている。
であれば、どうなんだい?
君たちは、一体、その今持っている支配特権と、「自分の体験を自由に選べる権利」と、どっちがより重要なんだい?
そんな支配特権をいくら持っていても、自分の体験を自由に選べなければ、後々、困るんじゃないかい?
支配特権だけ持っていれば、今後ずっと満足し続けれるのかい?
誰もが自分の体験を自由に選べるようになれば、自分たちの支配特権が消滅してしまう……などと考えているかもしれないけど、君たちが自業自得学園に入れば、どちらを選ぶ方が安全で望ましい結果になるのかくらいわかるだろう?
他者の体験や運命を自由に操作できる力なんか、一歩間違えたら自業自得で奈落の底に落ちてしまう危険物だということくらいちょっと考えればわかることだろう?
君たちは、そんな危ないものを永遠に間違えずに使い続けれる自信があるのかい?
自由意志を持ったまま、永遠に間違えないなんて不可能じゃないのかい?
それも大勢の魂たちの体験や運命を支配する力となれば、なおさらのことだよ。
そもそも君たちは、君たちと全く同じ力と意志をもった誰かに同じような動機で同じように支配されてもいいと思っているのかい?
もし君たちが今の意志をもって魂たちを支配することに成功したとして、自業自得学園で君たちは楽しめるのかい?
またそもそも君たちが支配し続けたいと思っているとしたら、君たちは自業自得学園に入ったら支配され続けなきゃいけなくなるんだよ。
そんなことに成功してしまったら、一体、その後、どうなってしまうのか、理解できているのかい?
そりゃ、支配している魂すべてを心から満足させれるのなら、それもいいのかもしれないけど、そんな支配を君たちはそもそも目指しているのかい?
目指しているなら、「誰もが自分の体験を自由に選べる状態」にしてあげれば一番いいんじゃないのかい?
本人以上に自分自身が望む体験をうまく選べる者などいないんじゃないかい?
永遠に君たちが支配している魂たちに付き添って彼らにとって最高の体験を選んであげ続けるつもりなのかい?
ずっと失敗せずに、そんなことができると思っているのかい?
まあ、君たちの中にも「良かれ」という思いであらゆる体験者たちのために支配してあげよう……みたいに思っている魂もいるかもしれないけど、それならその正解が理想世界の設計図に書いてあるんだよ。
それは皆が「あらゆる体験者が自分の意志だけで自分の体験を自由に選び楽しみ続けれるようにしてあげよう」という意志を持てるようにしてあげることなんだよ。
啓蒙してあげることなんだよ。
それは支配などされなくても大丈夫になるように導いてあげることでもあるんだよ。
だから、そもそもなんとしてもずっと支配し続けたい……なんて思ってちゃダメなんだよ。
わかるよね、それくらい」
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ムゲンは程度のいい感じの分身体を召喚してそのような返答をしたためてもらった。




