19話 対処してみた(逃げる1)
本当は『声を出す』と『訴える』で完結させても良かったんですけど。
実は、動画のネタが尽きまして、ケッチャンネルを閉鎖しようかなと……ってのは冗談で。
どうしても伝えたいことは、これをやらないと伝わらないかな、と思ったんです。
先に一つ言っておきますが、ここからはスーパー真面目モードに突入します。
なので、つまらないかもしれません。ご容赦ください。
では、早速ですが。まずは、どのように逃げるか、ですね。
思い浮かぶのは『引きこもる』でしょうか。本物のミタ君が四月からの半年間、実践したやつですね。
では、その結果はどうだったでしょうか?
引きこもり明けを狙われて、またいじめられましたとさ。完。
――まぁ、今回のは企画ですからね。いじめてもらうために事前準備とかをしたので、参考にはなりません。
ではここで、引きこもりを何かに例えてみましょう。
……立ち止まって、尚且つ体育座りをしているような、そんな感じですかね。
全っ然、前に進みません。よほど強引に引っ張らないと、動きません。
――あっ、引っ張るんだったら、体育座りの下に台車でも敷いたら簡単に動かせますね!
はい。ここでいう台車が、すごい親身で積極的で行動的な、親か先生。学校に行くように働きかけるか、すごい根回しをしてくれて、学校に行きやすい環境を整える。
そうでもしないと、他力で動かすことは困難なのです。
もしかしたら、大々的に引きこもれば何か違うかもしれませんかね?
例えば『現在、鋭意引きこもり中!』とか『引きこもってますけど、何か?』とか『引きこもります。なぜなら、誰々に何をされて傷付いたから……云々かんぬん……恨み辛み……』などの張り紙を、部屋の入り口に貼って引きこもる、なんてどうでしょう。
でも、これは『声を出す』に関連しますかね。心の声を出す、って感じでしょう。
結局のところ、引きこもりはなんの解決にもなりません。ダメです。
せめて、やるなら親と学校に宣言してからやってください。
それでは次に『我慢する』なんてどうでしょうか。
――ケッチャンなら、考えるのも嫌ですけどね。誰にも言えず、またいじめられるかもしれない中、怯えながら学校生活を送るんですよ?
慣れれば結構いけちゃうぜ! なんて言えるような鉄のハートがあれば問題無いのでしょうけど……そもそも、そんなの持ってたら、いじめの標的にならないでしょうし。
親とか、先生とか、まわりの人に心配も迷惑をかけたくない。いじめっこには逆らえない。
だから、どうしようもない。
そんな気持ちもわかりますけどね。
じゃあ百歩譲って、我慢することは認めるとして。
隠しカメラか盗聴機を仕込んで学校に行きましょう!
……え? そんなの、いい年こいたおっさんくらい心とお金に余裕が無いとできないでしょ、って?
いい年はこいてませんし、おっさんでもないですが――わかりました。
それなら、背面が印刷されていない新聞のチラシと、マジックペンを一本用意しましょう。
そして、『○○高校の○年○組の○○と○○にいじめられて困っています!』って書いたそれを、背中に貼って登校するのです!
……貼るためのテープも必要でしたね。こっそり追加しておきます。
誰かに『何か背中に付いてるよ?』とか言われたら、『おや、知らない子ですね。どうやら、わたくし、いじめられているようですね』と言い張って、我慢しましょう。
どうせ我慢するなら、このくらい我慢しても良いのでは?
……ふむ。なんだかいまいちですかね。
良い案が出るわけでもなく、ケッチャンをしても、面白い例えも出ません。
つまり、我慢なんかしても何一つ良い方向には進まないってことですね。
――他に、何が考えられますかね。じゃあ『忘れる』なんてどうでしょう?
後頭部に強い衝撃を受けて、嫌なことだけ全部忘れちゃう!
なんてこと、できたら良いですね――って、死ぬ可能性あるし、脳に障害が残る可能性もあるじゃないですか。ダメ! 絶対!
しかも、忘れて好都合なのは、本人だけじゃないですからね?
いじめっこだって『いじめられっこの初なリアクションをもう一度味わえるんじゃね?』なんて、笑顔で襲ってくるかもしれませんよ。
しかも本人は、『で、デジャブ?』って、いじめられた後に記憶が戻ったり。そんなことになったら……一度で二度辛い! 最悪デス!
それなら、『本当に逃げる』ってのもいいかもしれないですね。
いじめっこが半径五メートル以内に近づいたら、走って逃げる。
でも……逃げ足が相当速くないと難しいですかね。
あと、足が速くても、裏路地の行き止まりとか、わざわざ人気の無いところに追い込まれる光景も想像できちゃいますね。
――ダメです。
やっぱり『逃げる』にはオススメできる行動はありません。
では、今回は何をやるのか?
一つだけ、残っている行動がありますね?
そう『自殺』です。
デデーン! 効果音、軽っ!