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いじめられてみた  作者: ケト
いじめられてみた
16/65

16話 対処してみた(訴える1)

 文字通り、次は法的に訴えてみました。

 でも、実際に訴えたら、決着が着くまでにはそれなりの時間がかかりそうですよね。

 なので、今回やるのは『損害賠償を請求するからね!』ってことを、いじめっことその両親に伝えるところまで、です。

 

 今回、いじめ関係に強くて実績のある弁護士を探しました。

 証拠映像も観てもらった上で、どのような手順でどのように訴えて、どのくらい損害賠償を請求できるか。色々と教えてもらいました。


 じゃあ、その内容を誰が伝えるのか?

 勿論、いじめっこ宅にはケッチャン自ら行ってきましたよ!


 ……えっ? そこは弁護士に行ってもらえばいいでしょ、って?

 いい年こいたおっさんがふらっと訪れても、またいじめられて終わりだろうって?


 はい。いや、いい年こいたおっさんではありませんが。

 今回は、相手方に請求額を伝えて、ショックを与えたら終わる予定です。

 その後、実際に法廷に立ったりなんて出来ませんし。


 あと、人との接触を極力減らしたい、ってのも理由の一つですね。

 お願いすれば、弁護士と相手方でいろいろやってもらえるとは思うんですけど……ほら、弁護士と何度も会わなきゃいけなくなりそうですよね?

 ケッチャン、引きこもりのニートボールなので……なんて。今日も朝から晩まで、外で空き缶拾いに勤しんでましたよ!


 ――かと言って、いじめっこにショックを与えてやりたい! という気持ちは、はち切れんばかり。

 すごい勢いではち切れて、すごい切れ痔になったら嫌だな……え? どこをはち切らしてるんだって?



 ですので、ここは一肌――いや、猫の被り物を脱いで、ケッチャンが直接やってやりましたよ!


 はい。髪は引きこもり明け長めヘアーを清潔なスタイルにセットして。

 眼鏡は黒ぶちから艶かしい紅蓮のフレームにして、知的に魅せて。

 マスクは白い普通の不織布のやつを、高価なグレーの布製マスクにして。

 スーツは高級感溢れる……高くて、いいやつ(語彙力皆無)。


 今回装ったのが、男性か女性か――それは、想像にお任せします。いい年こいたおっさんをイメージしてもらっても構いません。


 ただ――ね。目はミタ君のままなので、そこが唯一の不安材料です。アーベーツェーに気付かれないと良いのですが。

 とりあえず、市販のグッズで、簡易的にまぶたとかをいじったので。あとは雰囲気で勝負するしかない!


 わたしは一流弁護士……って、手のひらに十回書いて飲み込もうとしたけど……『べんごし』ってどういう漢字だっけ? 便? ってとこで、未遂のまま終わっちゃいました。


 結局、大事なのは飲み込むことじゃなくて、思い込むことなのですから――



 ちなみに、今回も眼鏡に小型カメラをつけようかと思ったんですけど――ほぼ全てにぼかしが必要ですよね。

 アーベーツェーは既出なのでともかく、両親にはどのキャラクターを貼ってあげようか……思い浮かばなかったので、前回同様、音声だけにしました。


 それに今回は、録音機を机に置いて、

『この会話は念のため録音させていただきます』

 ってした方が、よりそれっぽいですし。

 加えて、ちゃんと許可をとって録音するので余罪は増えません!



 今回、いじめっこ三人のご両親に事前連絡した上で、三人の自宅を訪問しています。

 訪問日時は十月十日。いじめられた次の週の土曜日の、午前中です。


 自宅訪問の順番は、アー、ベー、ツェーの順にしました。

 ……キャラ名の方がわかりやすいですかね?

 ガキ大将、ブタとゴリラの融合体、紅一点ペンギンの順です。

 

 全ての会話を録音してきましたが、今回聴いてもらうのは、最後のペンギン宅だけにします。

 伝えた内容は一緒ですし、後半にいくほどケッチャンの喋りもうまくなっていますし。

 まぁ、ペンギン親子がなかなかのヤンチャ者だった、ってのが一番の理由ですけどね。


 あと、今回も個人情報には別の音をかぶせてますからね。



 それでは、聴いてください。

 『訴えてみた』デス。ドーゾ!



 ――って、ごめんなさい。

 もうっ、曲紹介っぽく格好良く決めたのにっ!


 今回の会話は、『録音させてもらいますね』の直後に録音を開始しています。

 もしも途中でその台詞が聞こえたら、ホラ吹きが本物の余罪になっちゃいますからね。

 つまり、いきなり本題に入りますので。


 では今度こそ、聴いてください。はい、ドーゾ!」

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