表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

狂ったキャラクターとは【書き留め】

作者: 舞隈 暮

◆前書き

 匆々不乙(先手必勝)。

 これは、狂ったキャラクターとはどう言う物を指し、どう言う風な思考を経て作成されるのか。

 それについて、私なりの考えを、忘れないように書き留めた物である。

 故に、不自然な点が多々見受けられる可能性が高い。

 また、私自身がこれを完璧に熟せるかは別の話であると、前持って注釈しておく。

 なので読者諸兄には、どうか肩の力を抜いて、暖かい目で読んで欲しい。

 では本題に入ろう。



◆狂ったキャラクターとは

 そもそも、狂ったキャラとは何を指すのか。

 それは「思考の等式が破綻した人格」と「重要度のバランスが破綻した人格」であると、私は考える。

 他にも有るかも知れないが、そこは一旦横に置いておいて。

 この二つを、順に見て行こう。




◆飛躍ちゃん

 まず、「思考の等式が破綻した人格」である。

 これは俗に言う「論理の飛躍」であり、ここから仮称を「飛躍ちゃん」とする。

 この飛躍ちゃんは、思考する際に、別々の事象達を極端に、混同や離反して考えているキャラと言える。

 何かしらの物事に対し、「A=B B=C A=C」の思考法を取るのが特徴だ。

 ここの「=」を「≠」にして貰っても構わない。

 〇〇と✕✕は絶対同じだし、△△と●●は絶対別物だ──と言う具合に。

 しかし、読者や他のキャラからすれば、それらの物事は「A≒B B≒C A≠C」となっている場合が多い。

 なので、飛躍ちゃんと健常キャラの間に、思想的な確執が産まれ、結果対立構造となるのだ。

 このABCの中に、反社会的な要素が入れられていることが多いのも、一つの特徴だ。

 これは吊り橋効果と良く似ている。

 試しに一匹、簡易的に飛躍ちゃんを自作してみよう。


 ・殺人行為=ドキドキする

 ・好きな人と居る=ドキドキする

 ・ドキドキする=興奮する

 ・興奮する=殺人行為=自分の好きなこと

  →殺すのが大好きな快楽殺人鬼


 言いたいことは分かる。

 そうはならんやろ! なっとるやろがい!

 けれど、良く良く考えてみて欲しい。

 世の中の大抵の偏見は、例えその等式がどんなに長く複雑であっても、式内に「善」「悪」が紛れているだけである、と。

 実際、この飛躍ちゃんは偏見を極端に強めた物であると、言い換えることも出来る。

 結論。

 飛躍ちゃんはなんかめっちゃ凄い偏見を持っている!



◆壊秤くん

 次。

 先述の「重要度のバランスが破綻した人格」である。

 これは言い換えれば「壊れた天秤」であり、ここから仮称を「壊秤くん」とする。

 この壊秤くんは、何かを思考する際、何かを極端に軽視または重要視している。

 飛躍ちゃんと大きく異なる点は、類似点の等式が狂っているのではなく、評価点の不等式が狂っていると言う点だ。

 何らかの物事に対し、「A>>>>B=C=D=E……」の思考法を取るのが特徴である。

 ここの「>」を「<」に変えて貰っても構わない。

 〇〇は自分の中で絶対であり、決して揺らぐことはない──と言う具合に。

 しかし、読者や他のキャラからすれば「A=B」若しくは「>」の個数が壊秤くんに比べて極めて少数である場合が多い。

 なので、壊秤くんと健常キャラの間に、思想的な確執が産まれ、結果対立構造となるのだ。

 飛躍ちゃんと違い壊秤くんは、このAには反社会的な概念ではなく、むしろ読者や他健常キャラに親しみやすい物であることが多いのも、特徴の一つだ。

 試しに一匹、簡易的に壊秤くんを自作してみよう。


 ・自分の利益>>>>他人の利益

  →誰を蹴落としてでもひたすらに上に立とうとするモンスター。


 ・自分の利益<<<<他人の利益

  →自分の損失も仕方無いと簡単に割り切れる非常に危うい怪物。


 このように、優先事項を入れ替えるだけで、何パターンものキャラを造形出来るのも、壊秤くんの特徴だ。

 「>」は優先事項の為ならば手段を問わず、それ以外を蔑ろにする傾向にあるが、「<」は逆にそれ以外を尊重し過ぎる嫌いがある。

 結論。

 壊秤くんはなんかめっちゃ凄いバランスがおかしい。



◆後書き

 最後に、これを伝えなければならない。

 キャラとは基本的に、この偏見とバランスで出来ている。

 これらの狂い具合を作品全体の空気感と相談しながら調整し、そこで生き生きとした思想を持った者こそ、所謂「キャラ立ちしたキャラ」であると言える。

 特徴。属性。価値観。倫理観。

 起伏が少なければ少ないほど、描写は難しく、よりリアリティの有る物になる。

 起伏が激しければ激しいほど、キャラ達のキャラクター性を重視した作りの作風になる。

 キャラ立ちとは、それ即ちキャラの頭のネジが外れていることであり──並んで怪物のようなキャラとは、それ即ち作品全体の平均よりも飛び抜けてネジがユルユルなキャラのことであると、私は考える。

 狂ったキャラには、勿論、我々読者との共通項も忘れずに。

 共感出来るけれど、共感出来ない点が有る。

 そんなキャラこそ、理想のキャラ像と言えるのかも知れない。

 故に私は、一個人として、こう唱えずには居られないのだ。

 提言。

「皆、狂ったキャラを描こう」


 匆々不乙。

エッセイ処女なので、至らぬ点は許して下さい(言い訳)。

良ければ感想、評価、ブックマークをお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ