『海中に於ける、記憶の定着』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
『海中に於ける、記憶の定着』・・・『死辺詩編の氷の詩集』から
㈠
転倒した、意識は、海中の中で、遊泳するだろう、その根源。
壊滅した、意識は、海中の中で、破滅するだろう、その定位。
気絶した、意識は、海中の中で、浄化するだろう、その博士。
倒錯した、意識は、海中の中で、輪禍するだろう、その矛盾。
㈡
超えられない壁は、超えられない壁であるのに対して、確かに超えられない。
それで、過ごせるなら、それはそれで、自然なことだ、当たり前の当たり前。
卑屈になる必要もないしね、通過していく感情があることは、まだ或る人生。
苦痛も放り投げたら、後は気怠く眠るだけさ、記憶は其処で、確実に定着さ。
㈢
海中に於ける、記憶の定着、其処には、奇跡しか、残存していなかったんだ。