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理想の学校生活を送りたい男子高校生の話  作者: 厨二びょ魚
第0章・入学と理想の学校生活
9/13

スポーツ?なにそれ美味しいの?

 ある日の昼休み、そいつは突然言い放った。


「あ、もうすぐ春の球技大会だね」


 それは、その言葉は、俺が一番恐れていた言葉で。俺が目を背けていた事実で。

 なぜこんなに回りくどい語りをしているのかというと、それはまだ現実を受け止めきれていないからであって。でも、そろそろ現実を受け止める時がきたようで。

 その「現実」とは…


「俺は、運動が、嫌いだぁー!」


 否、正確には、「できない」である。


 この桜花学園。文武両道を理念としているため、定期的にスポーツ大会が行われるのだが。俺はスポーツ弱者であるからして、どうしてもこういうイベントの時に恥をかいてしまう。


 中学時代はそのせいで同級生に、

「ボールきたら空いてるところにパスしてくれるだけでいいから」

 と言われた。サッカーの授業である。


 しかし、もう俺も高校生。理想の学校生活を送るために、あまり恥はかきたくない。こんな時に教えてもらえる友達が、今の俺にはいるはずだ。そう、ヒカルと恭平と雄大が…!


 球技大会は来週の月曜日なのだが、今は金曜日。土日に練習する時間はあるはずだ。


 まずはいつもお世話になっている雄大にお問合せしてみよう。


「ごめん!俺部活が…」


 まあまあ、雄大は陸上部期待のエース。土日まで部活があるのは仕方ないだろう。次は恭平にお問合せしてみるかな。


「ごめんね、僕部活が…」


 ………。無言で携帯を取り出し、ヒカルに連絡する。


「エンゼルフレンチ部活はあるのか?」

『おうどうした急に喧嘩売ってきて。あるわ』

「うわぁぁー!!」

『どうしたんだよ…』


 真面目に心配された。


 本格的にどうしよう。まさに四面楚歌の状態と言えるこの状況、どうにか打破できる方法はないものか。

 そんなことを考えていると、右から市原さんに声をかけられた。


「どうしたの?そんなデー○ン閣下みたいな顔して」

「俺そんな顔だった!?」

「うん、今にも誰かを蝋人形にしそうな顔をしてたよ」


 おそらく、悲しみと悔しさが融合して顔が歪んでしまった影響だろう。


「いや、実はさ…」


 事の詳細を市原さんに話す。すると、市原さんはニヤリと笑って、


「そんなあなたに、教えてくれる人を紹介してあげよう…」


 と言い、カバンからスマホを取り出して俺の顔の前に突きつけてくる。画面には、金色のメダルを首にかけた、ポニーテールの女の子が写っていた。


「この子は…誰?」

「ふふん。この子は私の妹、夜恵(やえ)でーす!」

「妹…ってことは!」

「そう、私の師匠なんです」

「おお…!」


 市原さんはこの前、妹に話し方を教わったと言っていた。こんなコミュ力お化けに市原さんを成長させることができた(市原さんの地力は知らないが)妹さんなら、きっとそのコーチング力は確かなものだろう。

 それにしても、妹さんはスポーツができたのか。


「妹さんは何の競技の選手なの?」

「あ、この時はバスケだね。色々な部活に助っ人に入ってて」

「へぇ〜」


 どうやらすごい人のようだ。自分とはきっと対極にいる人なのだろう。


「じゃあ土曜日に近所の公園集合ね!」

「了解!」


 よーし、球技大会はきっと人並みにはやるぞ!

今回短めですね。申し訳ない!

そのかわり次回は新キャラ、夜恵ちゃんの登場です。いえ〜い。

果たしてどんな人物なのか、乞うご期待!

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