《聖歌隊の録音記録》
《ソファが軋む音》
《聖歌隊装備の通信機の音》
「おう、どうした」
『どうしたではない、魔屍画の件はどうなった』
「なんとかなったぜ」
『簡潔なのはいいが正確に伝えろ。時間が惜しい』
《小さな舌打ち》
「ウチの兵と例の悪魔憑き共のおかげで大団円だとさ。人死にも出てねえ」
『そうか、それは重畳』
「これじゃ私が戻った意味もないな」
『時間は有限。今すぐ持ち場に戻れ、我々四聖天女は民草を守るが責務だ』
「ダッシュで帰って来たんだぜ、私はもうクタクタだ」
『最低限の休息後、すぐ出立しろ。時間を無駄にするな』
《通信が切れる音》
《舌打ち》
「あーあ、めんどくせえ」
《ソファから立ち上がる音》
《足音》
《何かを探るような音》
《菓子の小包装を切り開ける音》
「あの悪魔憑き共、どんどん強くなってきやがる」
《咀嚼音》
「捕えるのがめんどくなるだけだろ」
《何かを探るような音》
《菓子の小包装を切り開ける音》
「クソめんどくせ……わざと魔屍画攻略させて強くする意味はあんのかよ」
《ソファが軋む音》
「社長もあの気色悪ぃハカセとかいう奴に何をそこまで――あ?」
《聖歌隊装備の機械音》
《衣服をまさぐる音》
「クソが、また録音切るの忘れてたぜ……」
《録音記録終了》