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聖女ゴブリン 今日も嘆く  作者: 海光蛸八
幕間~温泉に行こう!~
123/208

悪魔一向ご招待

「温泉ですか?」


 ハカセの言葉をオウム返しした私の言葉に、皆が反応する。


「そうだ、デイジーの奴が新しく作った施設があるそうでな。そこに招待された」

「へえ! いいじゃないですか」

「……まったく余計なことを」

「え?」


 私が首をかしげると、ハカセは「なんでもない」と言って何かをこちらに投げた。

 ちょうどよく目の前のテーブルに落ちたそれは、旅館のパンフレットの様だ。


「おお! これですか!」

「らしい」

「どれどれ……」


 広げてみてみると、まるで別荘のような客室の写真がそこにはあった。

 旅館の一室にも関わらず、リビング、和室、テラスという文字もある。

 個室には露天風呂どころか、大きな温水プールまであった。


「うわあ高そう……」

「いい感じじゃねえか、行こうぜ!」

「……私、この姿だから皆で入るの無理」

「おっきな温水プールあるから大丈夫ですよきっと!」

「あはは~☆ よかった~☆」

「たまにはゆっくりするのもいいかもね」

「それじゃあお前さんたち、ゆっくり体休ませて来い」

 

 コーヒーを啜るハカセの顔を、私たちは一斉に見た。


「な、なんだ」

「ハカセは行かないんですか」

「私は別に」

「え~何でですか行きましょうよ!!」

「そうだぜ、一人残してってのも気分悪いだろ」


 千晴さんの一言を皮切りに、私たちはブーブーと文句をたれた。

 ハカセがいかない口実を口にするたびに、私たちは不満を口々にわめいた。

 最後には行こう行こうの大合唱である。


「……わかったよ、付いて行く」


 観念したハカセの言葉に、私たちはわーいと子供のように両腕を上げた。

 

「よーし、だらだらお菓子食いながらいこーぜ!!」

「おかしっていったの!?」


 ルディさんの銃からルルちゃんたちまで出てきてもう大騒ぎだ。


「ハカセ、バン出して乗せてくれよな!」

「それは構わないが……」

「あはは~☆ それならラクチンだ~☆」

「……悠々自適」

「それじゃあ、みんな準備しようか」


 皆好き勝手言うと、ばたばたと自分の部屋へと戻って行ってしまった。

 取り残されたハカセはコーヒーを一口飲むと、私の方を向いて、


「……あいつら、足が欲しかっただけか?」 

「ち、違うと思いますよ……」


 私はハカセから目をそらしながら言った。


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