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菜の花香る月の夜に

作者:白石小梅
※4月1日(水曜日)18時より更新開始。以後、3日金曜、6日月曜、8日水曜の18時更新。一話2000字ほど、4話完結。
 この作品は『ノベルアップ+』さまに同名義で重複投稿しております。

 無限に広がるような菜の花畑の中に、ぽつんと存在した安普請の下宿。
 五歳ほどのころ、『私』はそこに住んでいた。両親は大学も出ずに自分を産んでの三人暮らし。
 両親自身がまだうら若く、すり減るような心労を抱えて子育てをしていたころ。

 『私』は夢を見た。三十路を過ぎてもなお『私』はあの夢を超える恐怖を知らない。
 怪獣が出るでもなく、父母に酷く怒られるわけでも、迷子で独りぼっちなわけでもない……。
 それはとてつもなく恐ろしい夢だったが、同時にあまりにも鮮烈で麗しく、心惹かれる夢だった。

 菜の花香る春の月夜に、幼い『私』を迎えにおばけが来る。
 それは、鮮やかな紅色に、黒い糸菊模様の着物を着て。
 艶のあるおかっぱの黒髪の下に、表情のない狐のお面を付けた。
 暖かな色の紙提灯を下げて歩む、出来すぎたほどに華麗な女だった。

 恐怖の夢が終わって、四半世紀の時が経ち。
 『私』は純粋な幼いころを忘れ去って、擦り切れ腐った女として世を渡る。
 もう恐怖はない。
 だがあの夢を忘れられない。
 春が来るたび、思い出す。ぬるい風の吹きすさぶ、菜の花畑の月の夜。
 そして、私は……。
1、
2020/04/01 18:00
2、
2020/04/03 18:00
3、
2020/04/06 18:00
4、
2020/04/08 18:00
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