シャボン玉
今、ほの暗い狭き道をくぐり抜け、広い世界へと旅立つ
束縛を逃れた体は不安定で、完璧とはほど遠い
それでも
胸は自由を思い、踊るのか
口は別れを惜しみ、けれど固く、引き結ぶのか
若葉は日の光を照り返らせながら、「がんばれ」と囁く
路面の朝露のなごりは、その身に泡を写し、そっと見守る
風よ、吹け!
数多の希望を叶えようと、天高く、わき上がらせてくれ!
風よ、吹くな!
何一つも叶えられぬまま、打ちのめされる訳にはいかない
光よ、ふれ!
まっさらなものたちを、守りつづけよ
驕り、憂い、ときにへつらい、とかくこの世は悩ましく
ときには逃げ出したくなることもあるかもしれない
けれど逃げ出したところで、振り出しに戻るだけだと知ってもいる
どうか、心、健やかにーー
負けるもんか
卒業おめでとう