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⑶『小説の語法について』
⑶『小説の語法について』
㈠
今までの小説的言語を顧みれば、自身の語法は、読解してきた小説の影響を、多分に受けている。これは当たり前のことで、何もない無の境地から、何かが自然発生することはなく、どこかしら、何か風が吹いたり雨が降ったり、陽が差したり曇ったりする中で、何かが創造されるのである。
㈡
つまり、自然の様に、自身が影響をうける語法は、その時、発生し、小説執筆時に、影響を及ぼすのだ。自身の考えで言うと、やはり読書の中で、文体や使用言語が、読書時の作家の影響を受け、自然と語法が身に付くのだと思っている。また、その作家も、他の作家の影響を受けていたならば、語法は体系化される。
㈢
日本の文学に限らず、海外の翻訳でも通じるのだが、この様に体系化されている語法は、少しずつ形を変えて、現在に至っている。言文一致体の現象など、様々だが、言文一致する必要性もないのに、我々はいつかそれを強いられ、また崇拝し、語法を其処に定めた。今後また、新しい語法体系が出来上がると思っている。




