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⒂『小説の語法について』

⒂『小説の語法について』



何かの法則を守って生きること、それを小説の執筆に生かすこと、それは、まさしく、小説の語法を守ることなのである。しかし、語法に捉われて、雁字搦めになってしまう程だと、本来の目的が消失し、白昼の月のように、光を発しない状態になるだろう。



要は、この、要というものが大切で、文章が言葉の連鎖で出来ているのと同じで、語法も、小説を成り立たせる、或る種の繋ぎに等しいが、小説すべてが、語法によって出来ている訳ではないということだ。つまり、語法とは、影に過ぎないということである。



すると、本来の目的である、小説の執筆において、語法はどのように影響を及ぼすのだろうか。それは、小説が成立した後、文章を研究することで、浮かび上がってくる現象なのである。書いている時ではなく、書き終えた時に、初めて、語法は垣間見れると言えよう。

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