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⑴『小説の語法について』

㈠

言葉を操る時、言葉が湧いてきたり、言葉と言葉を繋いだり、言葉を調べてみたり、そういう状況を創り出す時がある。それは、小説へと地続きで繋がって行く訳だが、言葉の連鎖を小説まで持っていくのは、中々難しいこともある。ここでは、その小説の語法について、述べて行きたい。

㈡

小説とは、当然言葉で出来ている。しかし、そのことを刻明に知っているのは詩人くらいで、ほとんど文章の羅列で小説は出来ている（と思っている）。筆者も、文章の羅列で出来ていると思っているが、時々、次にどの言葉を持って来ようかと悩む時もある。その時、確実に、言葉を意識しているのだ。

㈢

言葉の語法の詳細については、後々述べたいが、大雑把に言って、言葉の語法とは消極的な姿勢である。壁を打ち壊すくらいの覚悟で、文章をダイナミックに描いて行かないと、小説を書いて行くには大変である。言葉を選ぶことは、それ相応にして、読者に響く様に、時折立ち止まるくらいでないと、長編は書けないと思っている。