ありがとう
…どうしよう。
愛菜ちゃんと別れたあと私はひたすらお店を回っていた。
でも、でも、
プレゼントが見つからない!!
あー、もう10時だよ!
暗いな…。
気づくと、あの場所に来ていた。
「ムーンライトステーション……。」
やっぱり、宝石みたいだ。
切ない…。
連斗とみたらこんな気持ちないのに。
言いたい。
すぐに帰って、"好きだよ"その一言を言いたい。
苦しいよ…。
愛菜ちゃんも裏切りたくない。
私の視界がボヤけた。
視界をボヤけさせたものは頬を伝い、駅のコンクリートに流れる。
「よし、行くか!」
私はまた、東京の街を歩く。
*********
「うっ、わ!!
これ、良いな!!………値段は…。
なんとかなる!なる!」
結局のところ連斗えのプレゼントを見つけたのは誕生日当日だった。
「今なら連斗は大学だから……。よし!買い物して帰ろ♪」
その前に会うべき人に会ってから……。
*********
「ただいまー…………
え?」
「ハッピーバースデー!!連斗!」
目を点にして驚いている連斗。
フフフ!驚いてる驚いてる!
テーブルに並べられていたのは連斗が好きな食べ物ばかりだった。
ハンバーグ、コンソメスープ、グリーンサラダ…。
そしてケーキ。
ちゃんと二人で食べきれるサイズ。
「ありがとう。かぐや。」
「いえいえー♪さっ!食べよ食べよ!」
「あ、美味しい。」
「良かった!」
そりゃ何回失敗したか……。
「ケーキもうまい!甘さも控えめだし!」
「そ、そっか…」
もうそろそろだ!
緊張する…。
「ごちそうさまでした。」
「連斗。」
私はそっと声をかけた。
「何?」
ニコッと笑いながらこちらに振り向く。
……。
その笑顔は反則です。
「はい、誕生日おめでとう。」
***********
そう言って綺麗に包装された箱を嬉しそうに渡す。
正直ビックリした。それに……
凄く嬉しかった。
祝ってもらった記憶はないから。
違う、覚えてないだけ。
開けてみると、
「……―――っ!」
「き、気に入らなかった…?」
違う、違うよかぐや。
凄く凄く…
「嬉しい。」
「良かった―!って今日何回良かったって言ってるんだろう?笑」
「よく見てたね。僕が時計してないこと。」
「……!」
顔を真っ赤にしているかぐや。
あぁ、幸せ。
「れん…と?」
気づけば泣いていた。
「ありがとう。感謝してもしきれない。」
「それは良かった!」
僕がこんなに幸せでいいのかな?
「………ごめん、花凜。」
言葉が口から出てしまった。
「花…凜……?」
…。もう、隠し事は出来ない。
言わなきゃ……!
「かぐや。ごめん、ずっと隠してて。これから話すこと、聞いてくれる?」
何も言わずに頷く。
「僕が、中学1年生になった頃かな……?
僕が両親と…好きな人を……
殺したのは。」




