誕生日
それから時は過ぎて冬になっていた。
「連斗って誕生日、いつ?」
「ゴフッ!え?」
ヤバイ咳き込んじゃった。
「え!大丈夫?」
「うん大丈夫大丈夫。いや…にしても凄いタイミングだね。」
なんのことか分からないようで頭に?マークを出している。
「え?いつな…」
「明日。」
……………。
「ええええぇぇぇぇーーー!!!」
驚きすぎてかぐやは部屋の隅まで後退りをした。
「何でもっと早く言わないの!!」
全然怖くないけど怒っている。顔を真っ赤にして。
「プッ!かぐや面白い…プッ!」
「んー!笑ったな!じゃない!!何で?」
「言わなくても良いかなって思ったし………。祝って貰うの恥ずかしい…から。」
…ごめん、かぐや…。
嘘ついた。
「バカ連斗!
連斗の生まれた日でしょ!ちゃんとお祝いしたいよ…。私にとって連斗は……
―――大切なんだから―――」
「っ!!!……ありがとう。」
「よし!じゃあ、バイバイ!」
ガチャ
「え?バイバイ?」
そして僕は部屋にポツンと残された。
********
プルルルプルルル
1コール2コール3コール…
出ない……。
どうしよー。何の計画も無しに勢いで家出てきちゃった…。
街中をとぼとぼと歩いている時だった。
トントン
「はい?何ですか……。」
「やっぱりかぐやちゃんだ!私ってスゴーイ!」
私を止めたのは、
「愛菜ちゃん!久し振りー…あ!」
「ん?どした?」
「連斗の好きなもの…教えて欲しいんだ…///」
「え?い…良いよ!」
どうして、今、苦しそうな顔をしたの?
「かぐやちゃん…。もうそろそろちゃんと言わなきゃだね…。」
えっ……
「私と縁切るとか?」
「そんなわけないよ。」
そう言ってくしゃっと笑う。
この笑顔好きだなぁ。
「かぐやちゃんは…連斗のこと。
―――好き?」
ビクッ
私は何故か肩を揺らしてしまった。
「す、好きだよ。当たり前じゃん!」
「違う違う!
恋愛的に。」
そんなの…
好きだよ。大好きだよ。
でも…
そんな顔…されたら……。
私、どうすればいいの…?
「好き…なんだ、」
「違う!違う!……そんなわけないよ!」
無理に笑ってみせる。
私、ちゃんと笑えてるかな?
「かぐやちゃん…私に、協力……してくれる?」
……―――――!!!
気づいてた…。
初めて会った時から気づいてたんだ。
連斗に向ける笑顔は…違った。
優しく大切な人をみる目。
私だって好きだよ。なのに何で…
「…っ。うん!勿論だよ!」
自分の気持ちと反対のことしか言えないの…?
「良かったー!じゃあ、よろしくね♪」
私がうん、と返事をする前に愛菜ちゃんは人混みに消えていった。
――愛菜side――
神様、こんな私を赦して下さいますか?
かぐやちゃんが優しくて良い子だから、その性格に漬け込んだんだ。
私って、最低だなぁ。
かぐやちゃんは…きっと……。
いや、絶対に連斗を……。
ダメだ考えただけで。
私の方がずっと一緒にいたのに。
私の方がずっとずっと連斗を好きなのに…。
「どうしてよ…。」
私の力なき声は人々の足音にかき消された。




