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君の名前

ガチャ!




花火大会が終わって僕の家に帰ってきた。時刻は22時。



何故か分からないけど彼女は僕と目を合わせてくれない。



なんか…悲し…。



すると彼女が口を開いた。



「私の名前は、か、…月原かぐやです。」


「うん。かぐやちゃんね。」




ニコッと笑ってそう言うとかぐやちゃんの顔がゆでダコみたいになった。




「か…かぐやで良いです…。で、歳は20歳、性別は女です。」



「プッ!女って…。見たら分かるよ、可愛いもん。」



するとまたゆでダコになった。




――なんか楽しいな。久しぶりだ、誰かが家にいるなんて。――



「で?家出した理由は?」



かぐやは俯いてしまった。

すると蚊の鳴くような声で答えた。




「い、家出じゃないけど。親に…私は必要じゃない…って…。う、うぅ…。」




「そっか。嫌なこと話させてゴメンね。」




僕はそう言ってかぐやの背中をさすった。




しばらくすると段々落ち着いてきて、




「これから宜しくお願いします。」



柔らかい笑みでそう言った。




「うん、宜しく。」




僕は気持ちを声に出して伝えるのが苦手だ。



だから、ありがとうとかいつもいつも大切な時に言えない。



それはきっと…いや絶対あの事故からだ。




「…あ、あの。」




「あ、ごめん。ボーッとしてた。何?」



「あなたのことも…教えて貰えませんか?」




「そうだよね、えっと、

橘連斗です。歳は20歳。

大学に行っていて将来の夢は作家かな?まぁ、よろしく。」



するとかぐやは頬をほんのりと赤く染めて



「はい。」



と言った。



「敬語はダメだからね、同い年だし。で連斗って呼んで?」



「わかった!連斗!」



無邪気に笑うかぐやを見ていると…何だろうこの気持ち。



胸が締め付けられるように痛い。



昔にもなったよな…。こんな気持ちに。



――プルルプルル――



「もしもし?」



「連斗ー!!!」



「あぁ、愛菜か…。」



「何よその言い方!今日だってドタキャンして!!」 



今、キーキー言っているのは幼馴染みの愛菜。根はいいやつなんだけど、



「龍に電話入れたじゃん。あ、それより、二人に紹介したい人いるからよろしく。」



「はぁ?まだ話は…」


ブチッ



うるさいので強制終了。



「かぐや。」



……あれ?返事がない。



「スースースー」



見るとかぐやは寝てしまっていた。



かぐやを抱き抱えベッドに移動させて僕は下に布団をひいて眠りについた。




*********



「龍、電話切られた。」




はぁと溜め息をつく愛菜。




「そっか。でもあいつに限って"あの事"を忘れるはずないしな。」



「あ、何か紹介したい人がいるって言ってた、……女の子かな…?」




泣きそうに顔を歪める愛菜。



「そんな顔すんなって!花凜が悲しむぞ!」


そう言って龍は愛菜の頭をクシャクシャと撫でた。


「わっ!ちょ、やめてよ!でも……ありがと、龍。」




「あぁ、でも連斗は落とすの大変そうだな、がんば。」




「え!!何で知ってんの!!?」




「ハハッ!んなの見てたら分かるから!何年幼馴染みやってると思ってんの!」




ムーと頬を膨らませる愛菜。




「俺は、いつでも愛菜の味方だから、愛菜も俺のこと頼って、な?」




「うん、ありがと。でもやっぱ花凜には敵わないのかな。」



そう言って笑う愛菜。


龍の悲しみを含めた微笑みに気づかないで……


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