再会
それから、5年後…――――
「結婚、おめでとう。」
「フフフ、ありがと!」
「ありがとな」
僕の目の前には幸せそうに笑っている愛菜と龍。
「なんか僕も結婚したくなってきた!」
すると愛菜は
「連斗はもうムリじゃない?付き合ってたこにも振られたんでしょ?」
挑発気味に言ってきた。
《連斗は誰か他の子を想ってるんでしょ?》
今まで付き合ってきた彼女に言われてきたこの言葉。
かぐやのことは忘れたと思っていたのに、心はそうは思っていなかった。
「まぁ、幸せにな」
そう言って二人の元を後にした。
どうして、あの時"ありがとう"と"好き"と"ごめん"が言えなかったんだろう。
言えば何か変わってたのかな?
昼間に見えるはずないのに、
何故か空を見上げて月を探していた。
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「本当に、すまなかった。」
「別にいいよ。」
本当は良くなんかなかった。
父を恨んだ。
どうして、今帰れって言うの?
どうせならずっと見離されて、ずっと連斗と……って…連斗って誰だっけ?
確か…、うーん、思い出せない。
そんなことよりも、
月の住人は、
争っていた。
色んな団をつくり、それぞれが自分のためだけに戦っていた。
血を流す人。
泣きながら子供を必死に守っている母親。
誰かが倒れていても構わず戦い続ける人。
…こんなの、月じゃない。
久しぶりに会った父はガリガリだった。
げっそりしていて、今にも倒れそうで。
…自分はなんて最低なんだろう。
それから私は国を沈めるために必死だった。
皆に訴えかけて、壊れた都市を立て直して。
傷ついた人々を避難させて、何とか武力を使わないように言葉で私は戦った。
そりゃ、怪我しないわけないよ、首を狙われて避けたけど、
首がかなり切れて、髪の毛も腰まであったのに、肩につくかつかないかになってしまった。
すぐに処置したから命には関わらなかったけど大きな傷跡が残った。
それから5年、何とか前みたいに国を戻して一息ついたところだった。
「ただいま。」
姉が帰ってきた。
姉の姿はボロボロで美しかった面影は無くなっていた。
「お姉ちゃん!」
「かぐや…。私、私…」
「……?」
するとお父さんとお母さんが駆けつけてきた。
話を聞くと、
あの争いによって愛する人を失い争いに巻き込まれたが何とか生き延びたらしい。
体も心もボロボロ。
「ごめんなさい。帰って来ちゃって。」
力なく姉が言った。
「お前はしばらく休みなさい。あと、かぐや。」
「……え?」
「ちょっと来なさい。」
「は、はい。」
母は姉を抱き締めて慰めていた。
私は心配しながらも父の後に付いていった。
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「こんにちは。
月中翔と言います。
これからよろしくお願いいたします。」
「は、はぁ…………え?」
誰ですか?
「こちらは月中翔さん。お前のお見合い相手だ。」
「え?」
キョトンとする私。開いた口が塞がらないとは正にこのことだろう。
そんな私をチラリと見て、
「ハハハ、娘は少し緊張しているようで、ではまた明後日に。」
「はい、お願いします。」
そう言ってお見合い相手の人は帰って行った。
「ちょっと、どうゆうことですか?お父さん?」
私はものすごい睨みをきかせて父に聞いた。
「お前はもう26だろう。早く結婚してしまいなさい。」
また…自分勝手に…。
「ふざけないで下さい!私は自分の決めた人と結婚します。それだけは絶対の絶対です!」
すると父はやれやれと言っているかのように
「はぁ…」
と溜め息をつき、
「では、明日デートしてみればいい。そうすれば彼がどれ程良い人かわかる。」
と言って部屋から出ていった。
「ほんっとに…信じらんない。」




