別れ
手紙を読み終えたすぐ後、だった、
ヒューー
パァァンッ!!
空に飛び上がる口笛じみた音と、破裂する短い音、それからあられが散らばるような音が、続けて、鳴った。
その花火は、
《私ね…帰る場所が…ないの。》
そう言って涙を流していた君が見ていた、
「月…みたいだ。」
黄色しか色がない、ただ一色の花火。
すると、切なさ、悲しさが喉からこみ上げてきて、それを…
「うわぁぁーー」
叫びにして吐き出した。
…好きだ。かぐや。
今すぐに会いたい。
あてもなく走り出した。
**********
「ここ、だったのか。」
整わない呼吸を落ち着かせながら、顔をあげた。
「連斗、」
悲しく辛そうな表情の君。
次の瞬間――…
ブワッ
あの時と同じ、風が吹いた。
「連斗、ごめんね。」
前を見ると、列車と月をバックにこちらに切なく微笑んでいるかぐやがいた。
「どうしてっ!どうして、言ってくれなかったんだよ!!」
「ごめん。」
「それに記憶まで…」
「ごめん」
かぐやの後ろを見ると月が
[時間はもう、ないよ。]
と言っているかのように優しい光を出し、僕達を包んでいた。
「もう、行かなくちゃ。」
バイバイ、と口パクでかぐやが言った気がした。
待って、僕は、まだ…かぐやに…
ブワッ
周りを見ると、東京の街だった。
そこからどうやって帰ったのか記憶はないが、朝、僕は自分のベッドにいた。
それから、支度をして、大学に行って、
夕方から夜にかけてバイトして、
1年前に戻っただけ。
そう、いつも通りに…。
なんてなってない。
起きたらかぐやがいるのが当たり前で。
帰ってきたらかぐやがいるのが当たり前で。
かぐやの笑顔があるのが、僕の当たり前で…。
こんなの、いつも通りじゃ、ない。
会いたい、会いたい。
かぐやに会いたい。
でも、それはなにがなんでも叶わない願いで、
それから僕は、かぐやを忘れるために勉強に打ち込んだ。
彼女も何人かつくったりして、
そうやって、かぐやを忘れようとしていた…―――。




