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再投稿です。よろしくお願いします。
物語の冒頭は、状況を説明する描写が多くございます。
R15は保険です。
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海を臨む小高い丘の上に煉瓦造りの学校がある。
校舎は二階建てで、中央部分には石造りの塔があり、
何km先からでも時間が確認できそうな、大きな大きな時計が掛かっている。
お金持ちの子供が通うようなすごく立派な建物だ。
ここに通う子供達が着ているのはありふれた紺の制服ではなく、
深いグリーンのブレザーである。
その制服は男の子は一様にズボンだが、
女の子達はプリーツスカートの子もキュロットスカートの子もいたりする。
更に、この学校にはリフト付きのスクールバスが何台かあって、
子供達の送迎を行っている。
こういった点だけを見ると、まるで一流の学校のようである。
だが、実際にはちょっと変わった子供達が通っていた。
車椅子に乗っている子、
車椅子に乗らないまでも、腕や脚がひん曲がり、ひょこひょこと歩いている子、
目がつり上がりコロコロとした体型の子、全く表情の動かない子、
逆にじっとしている時があるのか疑いたくなる程走り廻っている子、
ごく普通に見える子もいる。
ここは大宝特別支援学校といって、体の不自由な子や病気の子供が通う学校なのだ。
ありがとうございます。