私の幸せヴィクトリーロード
力尽きた小説の供養です。
リア・ヴォルフガン辺境伯様は『血に飢えた狼』と言われているらしい。ですが、私は挫けません。大抵の小説では、そう言われていても…?という展開が圧倒的に多いものです。私の幸せヴィクトリーロードは始まったばかりのはずです。さぁ!勇ましく馬車に乗り込みましょう!今こそ松明を持って、幸せの形を探すのです。
貴族令嬢らしく優雅に馬車に乗り込み、馬車の中では景色を眺めて過ごしました。馬車から降り、見上げると如何にも魔王城、というような黒黒として、ガーゴイルが一斉にこちらを見ているような感覚が走ります。ワクワクしてきました。
応接室に通されました。これから妻になる人を応接室に!婚約を破棄しましょうと言ってくるパターンでしょうか。ワクワクします。ドアの向こうからドスドスと足音が聞こえてきます。粗野な方ですのね!しかし、実は溺愛適性があったり〜?
「俺の妻候補ぉ〜?」
ドアを開け放って現れたのは、伸ばしっぱなしの髪にシャツの前をガン開きした、切れ長のタレ目の筋肉質の男でした。やったー!如何にもな人よ〜!これから俺様に振り回されるのだわ〜!キャー!あれ?でもどこかで見た気もしますね。
「…ぇ…あ、ぇ…閣下…?」
ん?様子が変ですね。こちらからご挨拶しなければ無作法というもの。椅子から立ち上がり、叩き上げた優雅な礼をしましょう。ほのかに微笑みながら!
「お初にお目にかかります。私、アメリア・カーレンと申します。これから末永く、よろしくお願いいたします。」
私はアメリア・カーレン子爵令嬢。かの大戦で軍師をしておりました。




