カマイタチの棲むかたい街
「カマイタチ」「かたいまち」のアナグラム。
真空と呼ばれるからっぽに渦巻いて
かたちあるものを「無い」の刃で斬り刻む
虚無から授かった鎌を振るうカマイタチ
建ちならんだ感情のビル群にも
どこかにぽっかり 隙間をつくれば
あたしたちの胸の中にも
その凶刃で猛威を振るうカマイタチ
だから アスファルトが荒れた肌を敷く
あたしたちの棲む街も
あたしたちの胸の中も
建ちならべたものを その鎌で切り裂かれないよう
外壁に鉄板を打ちつける
あたしたちはあたしたちの暮らしも
あたしたちが胸の中にいだいた感情も
いくら虚無の鎌を振るわれたって
「無い」の刃にかたちごと切り刻まれ
はじめから嘘っぱちだったかのように
否定されるなんてことのないように
まもりをかためよう
ご覧なさい 外壁に鉄板を打ちつけられたビル群を
ここは カマイタチの棲むかたい街
想いを強くもてば どこまでも高く聳えるビル群よ
そうよ あたしたちの胸の中にもかたい街
だけど どんなかたい街やだれの胸の中からも
ぽっかり隙間をつくるからっぽを
追い出すことまではできやしない
あたしたちの棲む街も
あたしたちの胸の中も
肌荒れしたアスファルトを
ビル群で埋め尽くすことなんて叶わない
あたしたちにできることは ただ
外壁に鉄板を打ちつけて
街をかたく保つことしかできないのだ
「風」でなく「虚無」属性のカマイタチでした。










