第九話 壮行パーティーで羞恥に耐える
主人公に味方する人間も現れてきました。
R15くらいのつもりで書き始めたけれど、予想よりも過激になってきたのでビクビクして投稿しています。
問題になったらR18に移動します。
女神の薔薇園で娼婦として働いているうちに壮行パーティーの日がやってきました。
アブノー子爵が迎えに来て王宮に連れて行かれます。
王宮の控室には専属侍女のマリアンヌが待っていてドレスに着替えさせられました。
純白の薔薇と謳われた私のイメージに合った白いドレスです。
ただ、私が戸惑ったのは普通の令嬢なら羞恥心で逃げ出したくなるような露出度の高いドレスだったのです。
豊かなバストは上が半分ほど見えていて乳輪がかろうじて隠れているくらいです。
肩も丸出しで背中も腰のあたりまで見えていました。
スカートの裾は膝丈で腰骨の上までスリットが入っていました。
これではダンスを踊ったら左足が太ももまで丸見えになってしまいます。
しかも性奴隷の私は下着をつけることは許されていないので、スリットのある側から覗き込めば股間の秘めやかな部分までちらりと見えてしまいそうでした。
高級感のある白い絹の生地は薄くて肌の色が透けてしまいそうでした。
実際に着せられてみると、乳首が浮き上がって桃色に透けているようでした。
「こんな露出度の高いドレス、なんだか恥ずかしいわ……」
性奴隷に貶されて散々辱めを受けてきてもパーティーに令嬢として参加するのにセクシーすぎるドレスを着ていては恥ずかしいのです。
「このドレスはノーリプトン公爵夫妻が、オクタヴィア様のために特注して作らせたものと聞き及んでいます」
マリアンヌ様が冷静な声で言いました。
「えっ!? お父様とお母様が、このドレスを……?」
私は虚を突かれて驚いた表情になりました。
「肌を露出しているのはオクタヴィア様の身体に傷がないことを、パーティーに参加している皆様方に見せつけるためだそうです。性奴隷にされたことでオクタヴィア様の身体が傷や痣で醜くなっていると想像している人は多いのです。このドレスで肌を露出すれば綺麗な身体でいることが証明されますわ」
「そう、そういうことだったのね。お父様とお母様は私のことをちゃんと考えてくださっていたのね」
実は鞭で打たれたりキスマークを付けられまくったりすることはよくあって、綺麗な身体ではないのだけど、一日の性奉仕が終わるとお尻の穴に回復ポーションを注入されていたので身体に傷跡が残っていないだけだったのです。
(そんなことをお父様やお母様に言うわけにはいかないけれど……)
性奴隷の私を辱めるためにセクシーすぎるドレスを用意したのではないことがわかって気が楽になりました。
髪型を編み込みハーフアップにセットしてもらって、お化粧を施されます。
元々私は完璧令嬢の純白の薔薇と謳われていたほどの美女ですから、何年ぶりかでちゃんと身だしなみを整えてお化粧をすると、見る人達を惑わせる傾国の美女に早変わりするのです。
「とても素敵ですわ、オクタヴィア様……」
マリアンヌ様がうっとりとした表情で見つめてきます。
「ありがとうございます、マリアンヌ様……」
私も微笑み返して、マリアンヌ様に手を引かれて王宮の大広間のパーティー会場に向かいました。
◇◇◇◇
パーティー会場に入場するとすでに多くの招待客が集まっていました。
テーブルの上に料理やお酒がたくさん並べられていて自由に取って食するビュッフェ形式です。
私はまず初めに主催者であるカイン国王陛下とイブリース王妃に挨拶に行きました。
「はははっ、緊張しているのか、オクタヴィア? 堅苦しくしなくていいぞ、今日は癒やしの性女であるお前も主役の一人なんだからな」
カイン国王がおおらかに笑いかけてきました。
「そのドレス、義父様と義母様が仕立ててくれたものでしょう? 癒やしの性女のあなたによく似合っているわ」
イブリース様がドレスを褒めてくださいました。
「ありがとうございます。カイン国王陛下、イブリース王妃様」
私は数年ぶりで正式なカーテシーを披露しました。
「うむ、ノーリプトン公爵夫妻がオクタヴィアに会いたがっているからな。行ってくると良い」
「ファーストダンスは義父様と踊ると良いわ」
国王夫妻に話しかけたい人達は多いので、私は手短に話しを切り上げてお父さまとお母様を探しました。
生まれたときからずっと一緒に暮らしてきた家族なのです。
すぐに見つけられました。
「お父様、お母様……」
「オクタヴィア……」
お父さまとお母様は私の名を呼んで抱きしめてくださいました。
忘れようとしても忘れられない両親の温もりが伝わってきます。
「貴族籍から削除して法律上は他人になったけれど、私達はいつまでもお前の親なんだからね」
「娘が無実の罪で断罪されて性奴隷に貶されたのよ。よほど反乱を起こしたかったけれど、ノーリプトン公爵家が潰れてしまえば、オクタヴィアを守る貴族がいなくなってしまうから諦めたの」
お母様は涙を流して私を強く抱きしめました。
「王宮の中でも外でもオクタヴィアの悪評を打ち消して味方を増やそうと努力しているんだよ」
お父様たちが賢明にも反乱を起こさないで私の味方をしてくれたから、少しずつ性奴隷としての待遇が改善されていったのだわ。
私は改めて両親に感謝しました。
「お父様、ファーストダンスを踊ってください」
私はせめて両親に元気な姿を見せてあげたいと思い、笑顔でダンスに誘いました。
「あぁ、もちろんだとも」
公爵として仕事が忙しかったお父様は、私とダンスを踊るのは初めてなのです。
「もっと上品なドレスを贈りたかったのだけど、イブリース王妃がオクタヴィアは癒やしの性女だからそれに合わせたセクシーなドレスにしろと言ってきたんだよ。それでも、身体に傷がないようで安心したよ」
お父様は目を細めて優雅にステップを踏んでいます。
私は久しぶりのダンスですが、上手く踊れていました。
「公爵令嬢だった私が最下層の性奴隷に貶されたのですもの、辛いことは多いですけどなんとか耐えていますわ。それに最近は私に優しくしてくれる人もいるんですのよ」
私はマリアス様のことを頭に思い浮かべながらお父様に微笑みかけました。
「もうしばらく辛抱してくれないか。今すぐ救い出したいところなんだが、オクタヴィアの悪評を振りまく組織があるのだよ。なかなか手強い相手だから、お前を救い出すのに時間がかかりそうなんだ」
「そのお気持ちはとても嬉しいですわ。未来に希望が持てそうです」
私は努めて笑顔でステップを踏みました。
お父様は辛そうな苦しい顔をしていましたけど、ダンスの最後には頬に親愛のキスをしてくれました。
◇◇◇◇
私は癒やしの性女として今回の壮行パーティーの主役ですから、お父さまとだけ踊るわけにはいきませんでした。
次から次へとダンスを申し込まれます。
お父様の次にダンスを踊ったのは騎士のようにガッシリとした体つきのなかなかハンサムな貴族でした。
私の身体を舐め回すように見ていやらしい笑みを浮かべます。
ちょっと嫌悪感が湧きましたが癒やしの性女が男性を拒否することは出来ません。
手を繋いで優雅にステップを刻みます。
貴族の男は踊り始めるとすぐに身体を密着させてきました。
「あの地下牢でオクタヴィアに会ってから他の女では満足できなくなったよ……」
耳元で囁きかけてきます。
私がびっくりした顔をすると貴族の男はドサクサに紛れて唇にキスをしてきました。
「驚くことはないだろう。このパーティーに来ている若い男はほとんどオクタヴィアを犯したことのある奴ばかりだぞ」
私とダンスを踊るために順番待ちをしている男たちの方へ目をやりました。
皆んな私のセクシーなドレス姿を見てニヤニヤといやらしい笑みを浮かべています。
下心が丸出しでした。
「そ、そんな……」
私が困った顔で眉をハの字型にすると貴族の男は耳元でささやくように唇を動かします。
「オクタヴィアの処刑を取りやめるように署名を集めているのは、お前と身体の繋がりを持った男たちだぞ」
「えっ……!?」
私は驚きました。
孤立無援だと思っていたのに私に味方してくれる人たちがいたのです。
「オクタヴィアのような極上の女を好きなように嬲りものにできるんだ。死なせたくないと考えるのは普通だろう?」
貴族の男は私の露出したバストをジットリと見つめながら、背中にまわした手を滑るように動かして背筋を撫でてきました。
背中は大きく露出しているので直接手で触れられて愛撫されると甘い喘ぎ声が漏れそうになりました。
性奴隷として数年も調教を受けてきた私の身体は凄く感じやすくなっているのです。
「ふふっ……堪らん女だ!」
貴族の男は急に激しい動きになって、私の左足の膝の裏に手を入れて抱えあげてきました。
そのまま身体が浮き上がって曲に合わせてターンします。
私のドレスは大きなスリットが入っているのですから、そんな激しい動きをすれば捲れ上がって秘めやかな部分が丸見えになってしまいます。
私はドレスの裾を抑えたかったですけど、宙に浮いてスピンしていたらそういうわけにもいかずされるがままでした。
「そんな扇情的なドレスで挑発してくるオクタヴィアが悪いんだぜ!」
貴族の男はニヤニヤと嗤いながら私を振り回して散々楽しんでいるようでした。
踊り終わったときには私は脚がガクガクして倒れそうでした。
「凄く扇情的で良いダンスだったよ。また貴人牢に会いに行くから待っていてくれよ。俺の名前はアベルと言うんだ」
その後は順番待ちをしていた男たちと立て続けにダンスをしなければなりませんでした。
皆、私と肉体の繋がりのある男ばかりなのです。
そう言われてみれば見覚えのある顔の男たちばかりでした。
私はクタクタに疲れていましたが、この男たちが私が処刑されないように署名運動をしてくれているのです。
それを知ってしまったらダンスを断ることは出来ませんでした。
もとより性奴隷の私は自分の意志で拒否することは出来ないのですが、パーティーの最後まで会場にいてダンスを踊ることにしたのです。
ようやく壮行パーティーの終りが見えてきた頃にカイン国王からダンスを申し込まれました。
断ることは出来ません。
私は脚がパンパンに張って立っているのもやっとでしたが、国王の申し出を断ることは出来ません。
無理やり笑顔を作ってカイン国王の手を取りました。
曲が始まって踊り始めると、カイン国王は手を伸ばして私のドレスの胸の部分の布を下に押し下げました。
元々乳輪が見えそうなくらいギリギリの露出だったのです。
今は完全におっぱいが丸出しになっていました。
「癒やしの性女を聖女の巡幸に送り出すための壮行パーティーなんだ。最後くらいサービスしてやれ」
カイン国王は楽しそうに嗤うとそのまま私の身体を振り回して激しいステップで踊り始めました。
公爵令嬢時代に厳しいダンスのレッスンを積んでいた私だからなんとかついていけましたが、疲れ切った身体には堪えるものでした。
それに加えておっぱいが丸見えにされているのです。
いくら性奴隷として羞恥心に耐えることに慣れているとは言っても、こんなパーティーで踊りながら恥ずかしい姿を見られると泣き出しそうになりました。
カイン国王が激しいステップを踏むので私もそれに合わせなければならず、ドレスの裾が捲れ上がって秘めやかな部分がチラチラと見えていました。
下着を着けることを許されていないので、ドレスが捲れ上がれば秘めやかな部分を隠すものはなにもないのです。
おっぱいも……私の物は普通の女性よりも大きいのでブルンブルンと観衆の目を奪うように激しく揺れていました。
「オクタヴィア、まさかお前とこんなに楽しいダンスを踊る日が来るとはな!」
カイン国王は無邪気な子どものように大はしゃぎで踊っているようでした。
曲が終わって踊り終わると、カイン国王はドレスの胸を元に戻してくれました。
「オクタヴィアは恥ずかしい姿を見られている方が興奮するのか? お前も楽しそうだったぞ」
「……ありがとうございます」
私は疲れた身体でようやくお辞儀をしてその場を離れました。
踊り続けて恥ずかしい思いもして、心も身体も限界だったのです。
その後は、マリアンヌ様に手を引かれて控室に戻りました。
ドレスを脱がされて化粧を落とし貴人牢に戻ります。
疲れ切っているのですが、汗だくになるほど身体を動かしていたので、入浴してからマッサージを受けました。
薄い生地のネグリジェに着替えてから眠りにつきました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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