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偽聖女の生贄で性奴隷にされた令嬢は転生して神の愛子となる  作者: 華咲 美月


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第二十三話 邪神イブリースとの決戦

今までで一番長いお話になりました。

次のエピソードがエピローグになる予定です。

 ノルテア王国軍がガルド帝国軍を押し始めました。

 ヴィシュヌたちの働きで聖女親衛隊が崩れてから戦況が有利になってきたのです。


「このままではいかないだろうね……」

 マリアス様が不安そうに呟きます。


 ガルド帝国軍の陣営からルードルフ皇太子殿下が騎乗して突撃してきました。

 ノルテア王国軍の魔法師が攻撃魔法を飛ばしますが強力な結界に弾かれます。

 ノルテア騎士団が取り囲んで攻撃しますが、剣も槍も弾かれるのです。


「神の愛子オクティをガルド帝国に引き渡せ! そうすれば軍を引いてやる!」

 ルードルフ皇太子殿下が剣を振りながら叫んでいます。


 彼の剣の一振りでノルテア王国の騎士たちが十人以上斬り飛ばされます。

 鬼神のような強さでした。


「ルードルフ皇太子殿下は邪神イブリースの加護と祝福を受けているみたいです」

 私の神眼で見れば、ルードルフ皇太子殿下の周りには濃厚な邪神力が纏わりついています。


「俺が迎え撃つしか無いだろうな!」

 マリアス様が聖剣ディバイダーを鞘から引き抜いて構えました。


「少し待ってください。物理攻撃防御と魔法攻撃防御の魔法をかけておきます」

 私は神力を魔力に変換してマリアス様に物理魔法防御の結界を張りました。


「聖剣にも攻撃力倍増の魔法をかけておきます」

 聖剣ディバイダーに神力を送り込みました。

 聖剣が金色に光り輝き始めます。


「これなら邪神力を纏ったルードルフにも対抗できるな!」

 マリアス様は騎乗して駆けていきました。


 戦場の真ん中でマリアス様とルードルフ皇太子殿下の決戦が始まりました。

 あまりにも凄まじい剣戟なので、周りの騎士や兵士たちは近づけません。

 一瞬で命が切り取られるような斬撃をぶつけ合う戦いでした。


「神の愛子オクティをガルド帝国に渡せ! 俺の后にする!」

 ルードルフ様は私に執着しているようです。


「オクティさんは俺の妻だ! 他人の妻を奪おうとするな!」

 マリアス様も聖剣を振るいながら言葉で応戦します。


「聖女イブリースを正妃にしたから、オクティは側妃にする! 勇者などが神の愛子を妻にするなど烏滸がましい! 神に愛されたガルド帝国こそが神の愛子を手に入れるのに相応しいのだ!」

 ルードルフ皇太子殿下は激しく剣戟を繰り出しながら自らの正当性を語っています。


「お前らの信じている神は邪神だ! 創造神ブリミアル様に仇なす者め!」

 マリアス様は創造神の敵を激しく罵りながら聖剣を打ち込みます。


 マリアス様とルードルフ皇太子殿下が激しく戦っている間に変化が起きました。

 ガルド帝国軍の本陣の上空に紫の禍々しい光球が現れたのです。

 その光球は強烈な邪神力を放っていました。


 紫の光球は宙を滑るように飛んで私に近づいてきました。

 近くまで来ると光球の中に聖女イブリースがいるのがわかりました。


 聖女イブリースは前世のランバード王国で出会ったときと同じ姿形をしていました。

 私は強烈な邪神力に当てられて身震いがしました。


「あら、お久しぶりね、オクタヴィア。いえ、このモーリタニアでは神の愛子オクティと呼ばれているようね」

 イブリースは心底嬉しそうにニタァッと嗤いました。


「またあのときと同じ様に、羞恥心と屈辱感と絶望感を与えて美味しく食べてあげるわ。神の愛子となったあなたは、今まで味わったことのない最高のご馳走よ」

 イブリースが右手を掲げると禍々しい大鎌が現れました。

 死神が持っているような邪悪なオーラを放つ武器です。


「モーリタニアに神の愛子として生まれ変わった私は前世とは違います! 創造神ブリミアル様の敵である邪神イブリース! お前を倒します!」

 私は右手に神聖力を集めて金色の剣を出現させました。

 神聖力で作った聖なる魔法神剣です。


 私とイブリースの戦いが始まりました。


「ヘルインフェルノ!!!」

 私は地獄の業火を呼び出す魔法を放ちながら、イブリースに金色の魔法神剣で斬りかかりました。

 ヘルインフェルノの炎はイブリースの紫の結界で弾かれますが、私はその結界に斬りかかりました。


 金色の粒子が目を覆うほど舞ってイブリースの結界にヒビが入ります。

 イブリースの表情が悔しそうに歪みました。


 イブリースの大鎌が私に振り下ろされて、物理魔法防御の結界を壊します。

 ですが、大鎌は私の身体に触れる数センチ前で停止していました。


「物理攻撃無効、魔法攻撃無効!?」

 イブリースは顔を歪めてギリギリと奥歯を噛み締めています。


 私の金色の魔法神剣はイブリースの紫の結界をたやすく破壊して彼女にダメージを与えていきます。

 しばらく斬り合っていると私が無傷なのに、イブリースは傷だらけになりました。


「邪神イブリース! 前世での恨みを晴らさせてもらいます!!」

 私の渾身の一撃でイブリースの右腕が切断されて宙に飛びました。

 大鎌を握った右腕が地面に落ちます。


「どうやら、創造神ブリミアルはあなたに邪神である私を滅ぼせる力を与えたようね……」

 イブリースが紫の結界を解除します。

「それならば、邪神イブリースの真の姿で相手をしてあげるわ!」


 イブリースが不気味に嗤うとその姿が変化しました。

 身体が巨大化していき、下半身が蠢く蛇に変わったのです。


 上半身が美しい女で下半身が大蛇というのが邪神イブリースの本当の姿でした。


「この姿になれば精神支配の魔法を思う存分に使うことができるわ」

 イブリースは自信を取り戻すと私に襲いかかってきました。

 蛇の体で私を巻き取って締め上げてきます。


「あなたは物理攻撃と魔法攻撃が無効だけど、精神攻撃はどうかしらね?」

 イブリースは不気味に嗤いながら左手を私の頭の上に置きました。

 強烈な邪神力が注がれてきます。


「前世であなたから奪った羞恥心と屈辱感と絶望感を一億倍にして戻してあげるわ。神の愛子といえども耐えられるかしら?」

 イブリースの表情が嬉々としたものに変わります。

 精神攻撃に絶対の自信を持っているのです。


 私の頭の中に前世の恥辱の記憶が一億倍になって流れ込んできました。


「うあああああぁぁぁあああぁぁぁぁ~~~~~!!!」

 私は耐えられずに絶叫しました。

 このままでは心が壊れてしまいます。


「オクティーーー!!!」

 マリアス様の叫びが聞こえました。


 マリアス様は傷だらけになりながらもルードルフ皇太子殿下を倒して私の方へ駆け寄ってきてくれました。


「マ、マリアス様……」

 私はマリアス様の方へ手を伸ばしました。

 マリアス様も私の名を叫びながら手を差し伸べてくれます。


 前世の記憶がフラッシュバックしました。

 ゴブリンに喰い殺されたときもこの様にお互いが手を伸ばしていたのです。

 その時の心が蘇ってきました。


「マリアス様、愛しています……」

 私の声にマリアス様が反応しました。


「俺もだ、俺もオクティを愛している!」

 ボロボロに傷ついたマリアス様が涙を流しながら私を愛していると告げてくれました。


 イブリースから流し込まれた一億倍の恥辱で狂いそうになっていた私の心は、ドクンドクンと脈打つ心臓の鼓動を知覚しました。

 マリアス様を愛おしいという気持ちが胸の奥から湧き上がってきて全身に広がりました。


 創造神ブリミアル様がなぜ私に精神攻撃無効を付与しなかったのか、神の愛子とは何なのかを今悟りました。

 神の愛子とは誰よりも愛の心を信じる者、愛の守護者なのです。


 無限に湧き出す泉のように私の中は愛で満たされて神聖力が超新星のように爆発しました。

 私に巻き付いていた邪神イブリースの体がバラバラになって吹き飛んだのです。


 地上に降り立った私の足元に邪神イブリースの首から上だけが転がってきました。

 そんな状態でもまだ生きていて呪いの言葉を吐いています。


「こ、こんな……四十六億年前から存在している邪神の私が、滅ぼされるなんて……許さない、必ず復讐してやる……」

 邪神イブリースは首だけになっても邪悪な波動を放って私を睨みつけてきました。


「さようなら、イブリース!」

 私は無慈悲に最大限の神聖力を込めてイブリースの頭を踏み潰しました。

 残った邪神の身体も金色の神聖力で消滅させていきます。


 邪神イブリースは跡形もなく消滅し滅びました。


 ルードルフ皇太子殿下は大怪我をしていましたが、死んではいませんでした。

 ガルド帝国軍は総大将のルードルフ皇太子殿下を守りながら撤退していきました。


 その後、ノルテア王国とガルド帝国との間で終戦協定が結ばれました。

 邪神イブリースが滅びると同時に、戦争も終わったのです。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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