第二十一話 幸せな結婚
今回は短いです。
でも、主人公のオクティが幸せになるエピソードです。
次のエピソードから邪神イブリースとの戦いになる予定です。
大聖女生誕祭が終わって暫くすると、マリアンヌ様とアベル様が婚約することになりました。
アベル様は前世では私に惚れ込んでいたはずなんですけど、今生では大聖女のマリアンヌ様と相思相愛だったのです。
聖騎士のアベル様は大聖女のマリアンヌ様の護衛としていつも傍にいました。
私に話しかけてくることが少なかったので存在を忘れてしまいがちですけど、マリアンヌ様のすぐ後ろに控えて無言で警護していることが多かったのです。
マリアンヌ様もいつも傍にいて守ってくれているアベル様を特別な存在だと思うようになり、愛し合っていることを確認したのだそうです。
アブノー国王もそうですけど、前世で私に執着していた男たちがこのモーリタニアではちゃんとパートナーを見つけて幸せになっているので安心しました。
「俺達もちゃんと婚約式をして正式に婚約しよう」
マリアス様が私の目を見て言いました。
「神の愛子のオクティさんは亜神で不老不死だから、人間の俺とは寿命が違うけど、死ぬまで一緒にいたいんだ」
「はい。私、前世で出会ったときからずっとマリアス様のことが好きなんです」
私は花のように微笑んでマリアス様に抱きつきました。
私とマリアス様はマリアンヌ様とアベル様と一緒に大教会で婚約式をしました。
ノルテア王国の王侯貴族と民衆がこぞって祝福してくれました。
マリアンヌ様とアベル様は婚約が成立すると、勇者の館から出て王都の大教会の近くに邸宅を買って暮らし始めました。
元々そこは大教会が大聖女の館としてキープしていた建物だそうです。
二人が引っ越してしまったので少し寂しくなりましたけど、魔王の娘のヴィシュヌと四天王は変わらず御神祖の私に仕えているので賑やかな雰囲気なのは変わりませんでした。
「ご婚約おめでとうございます、御神祖様!!」
「「「おめでとうございます!!!」」」
ヴィシュヌと四天王が跪いてお祝いの言葉を述べてくれました。
婚約式が終わっていつもの生活に戻ると、幸せな月日が流れていきました。
マリアス様とデートしたり勇者パーティーで冒険に出かけたりと楽しくて充実した日々でした。
そして、半年の月日が流れて結婚式の日が来ました。
婚約式のときと同じく、大教会でマリアンヌ様とアベル様の結婚式と同時に行います。
おめでたいことは同時にやったほうが、お祝いに来る民衆の負担が少ないだろうということでそうなりました。
前世の記憶はモーリタニアでの三万年の歳月で薄れてしまいましたけど、ゴブリンに喰い殺されたことは覚えています。
あのときは伸ばした腕がマリアス様に届きませんでしたけど、今は彼と腕を組んでバージンロードを歩いているのです。
大司教様の前で誓いの言葉を述べてからキスをしました。
天上から金色の光の粒子が舞い降りてきて私とマリアス様に降り注ぎました。
創造神ブリミアル様の祝福の声が聞こえます。
『 幸せにお成りなさい、我が愛子オクタヴィア……いえ、もうこの世界ではオクティと呼ばれているのでしたね…… 』
隣に目をやるとマリアンヌ様とアベル様も誓いの口吻をしています。
祝福のために集まってきていた国の重臣たちや民衆が大歓声を上げました。
私達はお祝いの言葉をかけてくる人たちに手を振りながら大聖堂から引き上げて控室に戻りました。
控室にはアブノー国王陛下とクレメントル王妃陛下が待ち構えていて、大いに祝福されて高価なプレゼントをたくさんもらいました。
神の愛子の私がノルテア王国に住み着いてから、魔物の被害が減ってきて邪教徒も国外に逃亡して姿を消したそうです。
勇者の館に戻ってからは、ララとリリィに世話されてお風呂に入って綺麗になりました。
身体が温まったのでマッサージもしてもらいました。
そして魅惑的な薄い生地のネグリジェを着て夫婦の寝室に向かいました。
マリアス様は上品なガウンを着てワインを飲んでいました。
柔らかな笑顔で私を見てくれて、心がやすらぎました。
私もワインを頂いてマリアス様の胸板に頬を寄せます。
彼の鼓動がドクンドクンと聞こえます。
私も胸が高まって愛おしさが溢れてきました。
うっとりとした熱の籠もった目で見つめ合ってフレンチ・キスをしました。
その後は、ベッドに移動して優しさを持ち寄るような美しい初夜を過ごしたのです。
私は身体の奥深いところまでマリアス様を受け入れて、妻になった悦びを感じました。
マリアス様も私の身体に溺れるように何度も求めてくれたのです。
前世では悲恋に終わった愛しい人と結ばれて幸せを実感していました。
この幸せが壊れることなくずっと続いていくことを願っていたのです。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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