第十七話 冒険者ギルドで邪教徒の暗躍を知る
当初のプロットとは違う内容になってきたので、ちょっと考えながらプロットを修正していく必要があるようです。
勇者の館での生活は快適でした。
メイドが大勢いて何でも世話を焼いてくれるので、前世の公爵令嬢時代とほとんど同じです。
ノルテア王国での勇者パーティーというのはほとんど貴族と同じ扱いをされているのでした。
「そろそろ、冒険者ギルドに行って依頼を受けてこようか」
マリアス様がアベル様とマリアンヌ様に言いました。
「そうだな、オクティさんを受け入れてからの生活も落ち着いてきたし、金を稼ぐのも良いかもな」
聖騎士のアベル様は大教会の聖堂騎士団に所属しているのですが、大司教様の特命で勇者パーティーに加盟しているそうです。
「黒い宝珠は壊してなくなったけど、魔物はまだまだ湧いてきているものね」
大聖女のマリアンヌ様も大教会に所属しているのですが、勇者を助ける使命を神託で受けているそうです。
創造神ブリミアル様を主神とする大教会が勇者マリアス様を全面的に支援しているのでした。
「あ、あの……私も冒険に連れて行ってほしいです」
私は勇気を出してお願いしてみました。
私のステータスは人間を超えていて亜神なのです。
冒険者として活躍することもできるはずです。
「そうだな……オクティさんはステータスは最強だし、冒険に連れて行っても問題ないかな」
マリアス様はちょっと思案しているようです。
「神の愛子であるオクティさんが自ら冒険したいって言うなら一緒に行くしか無いんじゃない」
マリアンヌ様は賛成してくれるようです。
「そうだな、物理攻撃無効とか魔法攻撃無効とかだから、不死身だろうから危険はないんじゃないかな」
アベル様は頷いています。
「それじゃぁ、オクティさんも一緒に冒険に行こう!」
「はい!」
私はララとリリィに手伝ってもらって冒険できる服に着替えさせてもらいました。
冒険者用の服はある程度サイズ調整できるように作られているので、マリアンヌ様から譲ってもらった服で間に合ったのです。
「オクティさんが冒険を好きになるかどうかわからないからまだ専用の装備は買わなくてもいいと思うわ」
「そうだな。勇者パーティーに加わって継続的に活動する気になったら専用装備を買おう」
マリアス様とマリアンヌ様が相談しています。
アベル様は魔法の背負い袋にキャンプ道具や食料などを詰め込んでいます。
魔法の背負い袋というのは高価な魔道具で内部が空間魔法で拡張されていて、沢山の荷物を入れることができるのです。
荷物をたくさん入れても重量がそれほど増えないという優れ物でした。
◇◇◇◇
勇者の館から冒険者ギルドはそれほど離れていなかったので皆んなで歩いていきました。
ギルドの建物の内部に入ると人相の悪い冒険者が大勢います。
扉をくぐったときはじろりと見られたのですが、勇者パーティーだとわかると冒険者たちの眼差しが憧憬のものに変わりました。
「マリアスさん。魔王の討伐おめでとうございます!」
「ノルテア王国の希望の光、勇者パーティーに幸あれ!」
「大聖女マリアンヌ様~。俺も祝福してくれ~!!」
「聖騎士アベル様、あなたこそ英雄です!!」
ギルド内にいた冒険者たちが口々に祝福して称えてくれます。
マリアス様たちは冒険者たちから英雄視されているようでした。
「マリアスさん。そちらにいるとびっきりの美女は誰なんですかい?」
「俺達にも紹介してほしいっスよ!」
冒険者たちが私に目を向けました。
凄く注目されて熱い視線を感じます。
「この方は創造神ブリミアル様の寵愛厚き神の愛子である、オクティ様だ! 畏れ多いからむさ苦しいお前らがジロジロ見るんじゃねぇぞ!」
「オクティさんはS級の勇者パーティーよりも凄いステータスをしてるんだからな。ちょっかい出すんじゃないぞ!」
マリアス様とアベル様が歯をむき出して威嚇しています。
ならず者みたいな冒険者たちにはこれくらい言わないと伝わらない様でした。
マリアンヌ様に案内されて受付で冒険者登録しました。
登録申請用紙を渡されたのですけど、誤魔化さずに正直に書けばいいと言うのでステータスの内容をそのまま書きました。
【名前】オクティ
【種族】亜神
【職業】神の愛子
【主な特徴】物理攻撃無効、魔法攻撃無効、全魔法∞、剣技∞、格闘技∞
若い受付嬢は驚嘆して目が丸くなっていましたけど、無事に登録されました。
「おうっ! 久しぶりだな勇者たち!」
受付嬢の後ろから髭面の巨漢が姿を現しました。
「あなたが神の愛子のオクティさんか? 国王陛下から話は聞いているぜ。凄いステータスをしているんだってな」
髭面の巨漢は「げはははっ」と豪快に笑いました。
「このおっさんがギルドマスターのドルコンさんだよ」
アベル様が耳打ちして教えてくれました。
「おうっ! 悪い悪い自己紹介してなかったな! 俺がイケメンのギルドマスタードルコンだ! げははははっ」
「イケメンじゃねーだろ! 髭達磨が!」
マリアス様が毒づいていますが、仲が良さそうです。
「それよりも大事な頼みごとがあるんだ。お前ら暗黒邪神教って聞いたことがあるか?」
「いや、初めて聞くなぁ。怪しい新興宗教か?」
マリアス様が訝しげな顔をします。
「そいつ等は魔王が倒された頃から王都周辺で布教活動を始めたんだ。邪神イブリースを崇めているらしい」
ドルコン様の言葉で私の顔色が真っ青になりました。
このモーリタニアにも邪神イブリースの信者が現れたのです。
「暗黒邪神教の信者たちが布教活動を始めてから暫くすると王都で若い女性が行方不明になる事件が起き始めたんだよ。今までに十三名が行方知れずになっている」
ドルコン様は眉根を寄せて難しい顔をしています。
「暗黒邪神教の信者に誘拐された疑いがあるんだな?」
「報告を受けた宰相閣下も邪教の生贄にされたのではないかと疑って、心を痛めているそうだ」
マリアス様も事態の深刻さに顔がこわばっています。
大教会で創造神ブリミアル様の神託を受けて、邪神イブリースが創造神の敵であることがわかっているのです。
すぐに対応して暗黒邪神教団を討伐しなければならないでしょう。
「俺達、冒険者ギルドも手を拱いていた訳じゃなくて、調査する冒険者を派遣していたんだよ」
ドルコン様は難しい顔をして腕を組みました。
「何かわかったのか?」
「暗黒邪神教の信者たちは王都の南の古代遺跡の廃墟を拠点にして出入りしていることがわかった」
「話が読めたわ。勇者パーティーの私達にその拠点の古代遺跡に潜入して奴らを討伐してほしいのね」
マリアンヌ様が話を先回りして言いました。
「そういうことだ。暗黒邪神教なんて名乗って自分たちが『悪』であることを隠してないような奴らだ。なるべく早く討伐したほうが良いだろうぜ」
ドルコン様は力強く頷いています。
「わかった。その依頼を引き受けるよ。オクティさんもそれで良いね?」
「私も、暗黒邪神教と邪神イブリースは絶対に許せないです。同行して討伐します!」
マリアス様の言葉に力を込めて頷きました。
そうして勇者パーティーと私は暗黒邪神教が拠点にしている古代遺跡の廃墟を襲撃して、邪教徒を討伐することになったのです。
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