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96.「独白 3」

96話です。


この作品は、全100話で完結予定です。

あと少し、お付き合い頂ければと思います。


こちらの作品もよろしくお願いします!

人類で1番最初にダンジョンに入った男 人類初特典の嵐で無双する。人類は敵?味方?そんなの関係なく楽しく生きていこうよ!

https://ncode.syosetu.com/n4241ib/


「でも、私は、武雄が大好きだった。「私は精神体として生き続けるから、武雄が生まれ変わった時、夫婦になりましょう。」そう言って、この時代の恋は終わった。」「切ないな。」

「武雄は宰相の立場もあるし、子孫を残さないといけなかった…。」「えらい立場の人はそうなるのかな…。」


「武雄は、サンという酋長の娘と結婚したの。頭が良くて、奇麗で。素敵な子だった。」「サンだって!?…。」

「武雄とサンは誰が見ても、お似合いの夫婦だった。2年後、2人は双子の赤ちゃんを授かるの。男の子と女の子の2卵生の双子だと思うわ。」「ご先祖さん…。幸せになったんだな。」


「そう。誰が見ても幸せだった…。私以外はね…。」「絵里ちゃん?」「私は、幸せそうな2人を見て嫉妬してしまった…。エリクだった頃に恋愛なんかした事なかったし、まだ精神的に子供だったんだと思う。」「…。」


「ちょうど、その頃、弥生人の人たちが、「ヤマトの国も大きくなったので、我らが元々住んでいた、魏の国に使者を送りませんか?」って提案があったの。」「…。」「別に使者を出す必要なんてなかった…。でも、その頃の私は、幸せそうな2人を見るのが辛かった。」「ご先祖さんが…?」「そう。それなりの地位の者が行かなければならない。そんな、理由をつけて、武雄に決まった。」


「魏の国で武雄が言った事が、魏志倭人伝に掲載されているみたいね…。でも、どこまで伝わっていたかは、怪しい物よ。武雄は、魏の国の言葉なんて話せない。」「….。ヤマト国の発音が悪いから、邪馬台国と書かれた…?」「エリクの発音が悪いから…卑弥呼になったと思うのよ。そもそも、ヤマト国に漢字なんて文化もないし、卑弥呼の当て字も悪意があるように思わない?」「「卑」は、ひきょうものって意味だな。「弥」は、ながいとかつくろうとかそんな意味だ。「呼」は、そのまま、よばれると言う意味だ…。あわせると…。」「卑怯と長く呼ばれている人って事よ。」


「邪馬台国も、たいがい馬鹿にされている当て字だと思えてきた…。」「よこしまなうまが台(高い地位についている)くにって意味ね…。」


「結論から言うと、魏の国へ使者を送った意味なんて無かった…。武雄は帰りの船上で血を吐いて帰らぬ人になったの。」「…。」「嘘か本当かは、わからないけど…。お土産に持たされた食べ物を食べた後だったって聞いたわ。」「毒殺!?」「魏の国で異国の民族を歓迎するという名目の、武芸大会があって…。野蛮人どもに魏の国の力を誇示してやろうという悪意があったはずだわ。でも、武雄は手加減もせず、優勝したらしいの。」「野蛮な民族に、恥をかかされた…。そう思っても仕方がない状況になったという事かな。」「その船には、私に宛てた手紙を持った、魏の国の使者も同乗していたから、その使者が何かしたかもしれない。」


「武雄の妻、サンは…。武雄の訃報を聞き、寝込んでしまった…。ろくに食事がとれなくなって、1か月後に亡くなった…。武雄達の幸せを私が壊してしまった…。生まれ変わりの武雄君に…。謝りたい…。私は、その事を考えて生きてきた。本当にごめんなさい。ごめんなさい。うぅ…。」絵里は泣き崩れてしまった…。1800年間、ずっと後悔していたのだろう…。「絵里ちゃん…。1800年も前の事なんだから…。きっと、ご先祖様だって、なんとも思っちゃいないと思うよ。話を続けてくれる?」


「うぅ…。そ、そうね。」絵里は涙を拭いて、続きの話を始めた…。

「残された双子の赤ちゃんは、私が引き取った。せめてもの罪滅ぼしが出来ると思ったから…。女の子の名前は「イヨ」男の子の名前は「タケル」」「その名前は…。」

「2代目の邪馬台国の女王と神話の英雄ね…。」「話のスケールが大きすぎて…。理解が追い付かない…。」


「私は、イヨが14歳、初潮を迎えた時、女王の座を譲り、この世界から消えた。」「消えた?」「リクサーに頼んで、精神体を消してもらった…。イヨには、「私が消えると同時に太陽も消えるから、2日間祈りを捧げなさい。」と言い残して。民には「私は疲れた。太陽と共に消える。次の太陽を出現させることができるのは、イヨだけだ!イヨを次の女王と崇めよ!」と言い残して。」」「皆既日食を利用したの?」「ちょっと、リクサーの力も借りた。ふふ。」絵里は悪戯な笑みをこぼした。


「イヨは、生涯純潔を守り、子孫を残さなかった。」「タケルは?」「タケルは…。今でいう、プレイボーイね。父親譲りの武勇と勇気。母親譲りの頭の良さ。両親から受け継いだ外見。現代にいても、スーパースター間違いなしって感じの男の子よ。現代では誇張されて、神話になっているけど…。中でも出雲の国との戦いは、壮絶だったわね。」

「タケルさんも、先祖になるのか…。」「英雄色を好む。この言葉は、彼が実践したようなものね。各地の戦場に行っては、子供を仕込んで帰ってくるの…。本人も知らないところで、たくさんの子供が生まれていたわ。私も把握しきれなかった。」


「で?それからどうなったの?」「昔話は終わりよ。女王を辞めた私は、武雄とサンの霊を弔う為に各地を旅して、祠や神社を立てただけ…。」


「それから、1800年たって、目の前に、生まれ変わった元カレがいるって事よ。はぁ~すっきりした~。」話を終えた絵里は満足そうな顔をしていた。きっと、誰かに話したくて、仕方なかったのだろう..。


作者からのお願いです。

ここまで読んで、少しでも面白い!

続きが気になる!と思われた方。


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