9.「友達」
9話です
よろしくお願いします
2022.4.9 加筆修正しました。
よろしくお願いします。
「サン、俺が居なくなった後、この手紙をシスターメイに渡してくれ。」
「うん、渡すね。」
「タケ兄、いつ脱走するんだ?」
「3日後...。3日後に決行する。」
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事件はなぜか、2日後に起こった。
「11番!11番!」
「はい。なんですか?」
俺は勝手にジャイ子と呼んでいるシスターに呼び出された。
「ちょっと『お使い』に行ってくれないかしら?」
「!?」
「昨日ゴミ捨てダンジョンに捨てたゴミの中に、園長の結婚指輪が
紛れ込んでいたらしいのよ。それを探してきて頂戴。」
「きょ..今日ですか?」
「そうよ~。なんか問題でもあるの~?」
「いえ...ないです...。」
「もちろん私もついて行ってあげるわよ~。」
脱出用にコツコツ貯めた水と食料をどうやって運ぼうかと考えていると
「11番のベッドの下の物は改修済みよ~。」
「!?」
「バレてないと思ってた~?」
なぜばれた?
ゴージか?サンか?
もしかして、シスターメイか?
俺は辺りを見回した。
ゴージとサンが青い顔をして、うつむいていた...。
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~ゴミ捨てダンジョンへの道~
「ねぇ。シスターどうしてばれちゃったの?」
「あら。11番。もう隠さないのね~。あきらめちゃった~?
賢い子供は嫌われるわよ~。」
「密告...ですか?」
「ビンゴ~。誰だと思う?」
「ゴージ...とサン...ですか?」
「ピンポ~ン。当たり―。私宛に手紙が置いてあったのよ。
きったない字で「11番脱出。証拠ベッドの下。34番・84番」ってかいてあったのよ~。」
34番はゴージ、84番はサンだ。
「本当にゴージとサンですか?」
「嘘ついたってしょうがないでしょ~。
どうせ、友情のつもりで打ち明けたんでしょ~
お前らは親友だからとか兄弟だからとか言って。」
あいつら...。
「あはは、はーはっはー。ひー。くるし~。」
おれは怒りを通り越して笑ってしまった。
「それに、手紙なんてなくても、あんた私たちからマークされていたわよ~。
子供の浅知恵ね~。あんなに露骨に水と食料を貯めていたら、なんかあるって
バレちゃうに決まってるじゃな~い。」
「!?」
「さあ、入り口に着いたわ。『お使い』行ってらっしゃ~い。
もう帰ってくるんじゃないわよ~。」
バタンッ
俺は、ジャイ子に後ろから蹴られた。
ジャイ子は、ゴミ捨てダンジョンに転がった、俺を見てニヤッと笑った後、扉を閉めてしまった…。
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