89.「妖刀vs神剣」
89話です
90話で、3章が終わります。
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~東戦線~
マリ「タケオ様、キメちゃんを助けてください…。モトマチに魔物の攻撃が効かぬのなら、ここに人間はタケオ様しか居ません…。私の数少ない友達なのです…。」
タケオ「え、でもモトマチって奴、すげぇー強くない?周りの兵も強そうだし…。」
マリ「ぶつぶつ‥。どうせ…。」
タケオ「マリさん?」
マリ「どうせ、私は万年引きこもりの大根足ですよーだ!!」
タケオ「あー、わかった。わかった。わかったから。行きますよ。」
マリは笑顔になった。
マリ「タケオ様、モトマチ以外の雑魚は、私におまかせあれ!!!」
マリは笑顔のまま、敵陣へ走って(飛んで)いった。
マリ「クソどもー!ひゃーっほう!!こっちよー!!へーい!!」
マリは楽しそうだ。 こいつの種族って天使じゃなかったっけ??
マリ「ウジ虫どもー死になさーい!!!」
マリの攻撃は速く正確だ。ラーナ兵達は、キメちゃんとマリの攻撃を避ける間もなく、倒されていった。
モトマチ「チッ。あの2匹を止めなければ。ラーナの兵よ!!退却せよ!!我の事は気にするな!!唯一絶対神のラーナ様の加護がある故、負けることは無い!!落ち伸びて、ラーナの国を守れ!!」
マリ「キメちゃん!このまま、あいつを挟み撃ちでやっちゃおう!!」
頑張れ!マリとキメちゃん!!
そう思っていたのだが…。ラーナの加護があるモトマチには2人の攻撃を防御する必要などない。常に捨て身の攻撃が出来る。そう、常時『肉を切らせて骨を断つ』状態なのだ。いや、『命を切らせて、全てを削る』の方が正しいのか…。とりあえず、剣の達人が捨て身で攻撃だけを繰り返してくる状況を想像して欲しい。
そして、タケオにはこの戦闘に入っていくタイミングを見つけられるほどの技量が無かった…。
ザシュッ
とうとう、モトマチの一撃がマリを捉えた。
モトマチ「ゴミが!!消え失せろ!!」
マリ「いったーい!!タケオ様!!いつ来るんですか?」
あの有名な先生なら、こう言うだろう。
『今でしょう!!!!』
仕方ない、行くか。
俺は、マリとモトマチの間に躍り出た。
マリ「タケオ様!!」
モトマチ「貴様。人間のくせに魔物の味方をするのか?」
タケオ「マリが魔物だと?マリの種族は天使だ。」
モトマチ「天使?この臭い魔物がか?」
マリ「臭いですって!?」
モトマチ「ゴミ共の王様気取りのガキ。目を覚ませ。このクソの臭いのする女みたいな魔物が天使だと?魅了されているのか?洗脳されているのか?」
タケオ「どっちかというと、俺が洗脳している側なんだけどな…。」
モトマチ「クソガキ。よく考えろ!この俺様に、この臭い魔物の攻撃が効かないって時点で、この臭い奴は天使では無い。ラーナの加護は魔物の攻撃を無効にするものだ。お前の言う通り天使は魔物ではない。」
マリ「私は、正真正銘の天使ちゃんよ!!タケオ様、ありったけのバフをかけてあげるから、さっさとこのバカをやっつけましょう!!キメちゃん!後ろの軍団を私と一緒にやっつけましょう!!」
モトマチ「タケオと言ったか。この天使もどきをお前は信じられるのか?」
タケオ「当然だ。マリは俺たちの前で変わりたい、どうしようもない自分を変えたいって言った後、神化して天使になったんだ。俺からすると、ラーナの加護だか何だか知らんが、お前の加護の方が、よっぽど信用できない。」
マリ「タケオ様、強化していくよー!」
マリの強化魔法のお陰で、身体が軽い。心なしか、緊張もほぐれている。
タケオ「マリ。サンキュー。これなら、いける!」
マリ「よかったですぅ〜。私は逃げてるゴミを片付けるですぅ〜。キメちゃん。いくよー!!」
タケオ「モトマチ!勝負だ!!」
モトマチ「チッ、仕方ないか…。後悔するなよ!!」
マリとキメちゃんはラーナ軍団を蹴散らしていく。軍団を守ろうとするモトマチは、俺と鬼切丸の攻撃を防ぎながらラーナ兵を退却させていく。
モトマチ「ちょこまかと!!」
タケオ「うぉっ!あぶねー…。」
モトマチの攻撃は、上級の剣士レベルであり、良く鍛錬されていた。
鬼切丸の補正が無ければ、とっくに俺の胴と首は分離されていただろう。
タケオ「こいつ、強い…。」
何かきっかけでもない限り、俺には勝機は無いだろう…。
このままでは、ジリ貧だ‥。そう思っていた時だった。
俺とモトマチの目の前に、マリがやって来て、モトマチに蹴りを入れた。
当然ダメージは、モトマチには入らなかったが、隙を作るのには十分だった。
マリ「タケオ様!私が時間を作ります!!ダンジョンクリエイトでモトマチの退路を断って下さい!!」
タケオ「ダンジョンクリエイト!壁作成!!」
モトマチ「この天使もどきが!!邪魔をするな!!」
マリ「ぐふっ!!」
モトマチの剣、神剣ラーナがマリの体を串刺した。
モトマチ「ダンジョンクリエイトだと?ジブではなく…。貴様が魔王か?…。だが、臭いも何もかも人だ…。どうなっている!?」
モトマチの後ろに突如、壁が出現した。第2門とモトマチの後方の壁は円状の闘技場みたいになった。
マリ「こうなれば・‥‥。ダンジョンクリエイトがあるタケオ様の勝利ですね…。」
タケオ「マリ!!無茶しやがって!!」
俺は怒りを感じた。
タケオ「お前は、死ね。モトマチ!!俺の大切な仲間を傷つけやがって。ゴージ!!力を貸してくれ。こいつを倒すには、お前の力も必要だ…。」
鬼切丸が怪しく光を放った。
モトマチ「妖刀か…。神剣ラーナ!我に力を!」
モトマチの体が光りだした。
タケオ「これが加護‥。俺も負けねぇ!!」
鬼切丸の映し出した未来視のビジョンは、俺の敗北…。神剣ラーナに胸を貫かれる俺の姿だった…。
モトマチ「もらったー。死ねぃ!クソガキ魔王が!!」
タケオ「読み通りだ…。」
タケオ「…クリエイト。沼。」
俺は、自分の足元の手前に沼地を形成した…。
モトマチ「なにぃ。」
俺の胸を突くはずだった、モトマチの剣は‥‥俺の足に刺さっていた。
タケオ「いってぇー。この野郎!ゴージ!鬼人撃!」
鬼人撃:鬼切丸に宿った、ゴージの魔石が反応した時、使用できる。鬼人の力がタケオに宿る。攻撃力10倍。
モトマチ「うっ!!」
ラーナの神具に身を守られた、モトマチの防御力は高く斬撃はモトマチの身体には入らなかった。
しかし、衝撃は吸収しきられず、モトマチは気を失った…。
タケオ「ふぅ~。勝った…。」
俺は片足を引きずりながら、マリのもとに歩いて行った…。
マリもはいずりながら、俺に近づいて来た。
マリ「タケオ様…。この体は、もう役に立ちそうもありません…。」
タケオ「マリ!何言ってんだ!もうじき、ラーファが戻ってくる。耐えろ!!」
マリ「私を刺した、モトマチの、あの剣を見せてください。きれいな剣でした…。自分の命を奪った剣をこの手にもって逝きたいと思います。」
タケオ「あきらめるな!!マリ!!」
マリ「お願いします。この手に…。」
俺は気絶しているモトマチの手から、神剣ラーナをもぎ取って、マリに渡した。
マリ「ふふふ。タケオ様、ありがとう。チャレンジ!!」
マリがスキルをつぶやいた直後
俺の胸を神剣ラーナが貫いていた…。
鬼切丸で見た、未来視はこれ…だったのか…。
作者からのお願いです。
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