8.「真実の暴露」
8話です
よろしくお願いします。
2022.4.9 加筆修正しました。
よろしくお願いします。
ゴミ捨てダンジョンの見学から、3か月が経過した。
「そろそろ、実行に移していかないと。」 俺はゴージとサンを呼び出した。
「ゴージ、サン。俺はこの孤児院を脱出する事にした。」
「タケオ兄...。脱出って?」
「タケにーちゃん...。なんで?」
俺は2人にこの孤児院の目的、存在理由を説明した。
ゴージはよく理解できていないようだったが、サンは薄々感づいていたようだ。
サンは容姿がよく、もともと賢い事もあるが、俺が勉強を教えてる事もあって
この孤児院内では別格として扱われていた。
彼女なりに、自分とゴージや俺の待遇の違いについてはわかっており
何故なんだろう?と考えていたようだった。
一度、サンは2歳年上の女の子とケンカになり顔にケガを負った。
幸いなことに、傷が残る事も無いケガだったが、ケガをさせた女の子
はその晩に『お使い』を言い渡され迷子になった。
この世界の中でもダントツの美少女のサンに「好きだよー」や「結婚しよー」
と子供特有のからかいをしていた男の子もいなくなった。
好きな子に、ちょっかいを出す異性は多いと思う。
サンの気を引くために意地悪をし、度が過ぎた子はみんないなくなった。
このころからサンに笑顔が無くなり、ただの美少女になってしまっていた。
俺がサンに接近したのも丁度その頃で、どうしても天使のような
あの笑顔がもう一度見たくて、友達になったんだ。
サンは自分が誰かと係ると居なくなると思っていたのに
俺とゴージの存在が、自分と係ったにもかかわらず
居なくならない事で安心していたらしい。
「タケにーちゃん。嫌だ。そんなこと言うならサンも行く。」
「おれも一緒に連れて行ってくれよー。タケ兄が居なくなったら
ご飯が食えなくなるかもしんねぇーだろ。」
俺は、そんなことを言う2人に言った。
「俺が、どうしてお前らを呼んで、伝えたかわかるか?お前たちだけなんだ!
このくそったれな世界で、できた友達は。お前たちだけなんだよ!楽しく笑い合って
あーだこーだ言って。兄弟のいない俺にとって、弟と妹なんだ。」
「俺はここを脱走して、もしかすると死ぬかもしれない。それでもいいんだ!
俺1人が、俺の責任で死ぬだけなんだから、当たり前の話なんだよ。
本当はお前たちも連れて行きたい。でも、自分の事で精一杯なんだ。
お前たちの命にまで責任が持てない。」
「それに俺は真実を伝えたつもりだ。どうしても未来が真っ暗で嫌になるんだったら
10歳までに俺みたいに行動するんだ。俺が生きていたら、きっと助けてやる。」
「だから、今は..我慢してくれ。頼む。なっ?」
2人は泣きながらでも理解してくれた。
「タケにーちゃん...。タケにーちゃん...。」「サン...。」
サンは意を決して笑った。
「タケにーちゃん!元気でね!私の名前は、私の宝物だよ!
だって私の人生で最初に貰った心のこもったプレゼントなんだから!
私は泣かない...。もう絶対に泣かないから...。ぐすっ。」
「サン、泣いてるし!」
「「「ははは」」」
俺たちは、笑ったバカみたいに笑った...。
そう、笑ったんだ。 泣いてない...。
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