7.「ゴミ捨てダンジョン」
7話です
よろしくおねがいします
2022.4.9 加筆修正しました。
よろしくお願いします。
~ゴミ捨てダンジョン~
「シスター。ここがゴミ捨てダンジョンですか?」
「そうよ。11番、ここがゴミ捨てダンジョン、冒険者も寄り付かず。国も管理しない。
正真正銘のゴミみたいなダンジョンよ。」
俺はシスターから説明を聞いた。
このダンジョンは、一番弱い魔物の『スライム』しか出てこない。
しかも、進化したスライムは出現せず、本当の下級の進化していない
スライムしか出ないのだ。
ダンジョン内での、宝箱の発見情報すら無いのである。
普通の魔物は、牙や皮、肉や骨など倒した時に素材が発生する。
ゴースト系やアンデット系、妖精系などの実体がない魔物もいるが、経験値が高めに
設定されているらしい。
しかし、進化していないスライムの経験値は1しかなく、唯一の素材である魔石でさえ
最低ランクの魔石になるから、売値は1個=10ゼニーにしかならないのだ。
ちなみに日本円に換算すると 1ゼニー=1円である。
ちなみにSランクの子供(スキル◎・容姿◎)の値段は1億~10億ゼニ―で引き取られるので
1億円以上の価値と同じである。
奴隷商にとって買値が1億ゼニ―以上なので、売値はそれ以上ってことだ。
あのクソ孤児院がそれなりに、重要な施設って事が分かってもらえたと思う。
まぁこの『ゴミ捨てダンジョン』もどれほど価値が無いかもわかってもらえただろう。
冒険者が1日に倒せるスライムは約500匹。
1日の稼ぎは
魔石しかドロップしないため、500匹×10ゼニー=5000ゼニ―
経験値 500匹×経験値 1=経験値 500
しかないって事になる。
そりゃー冒険者の日当にもなりゃしないので、冒険者も寄り付かないって事。
「シスター。なんでゴミ捨てダンジョンは潰されないの?」
そう、全てのダンジョンにはダンジョンコアがある。
通常ダンジョン主と呼ばれるモンスターが居て、そのモンスターを討伐すれば
ダンジョンコアが出現する。
通常は、主の討伐者(ダンジョン攻略を依頼した人)が
ダンジョンコアを破壊しダンジョンを閉鎖するか
ダンジョンコアを残してダンジョンを継続するかの選択ができる。
どうして残す必要があるかって?
そもそもダンジョンは資源・経験値の宝庫なのだ。
そのようなダンジョンは資源ダンジョンと呼ばれる。
優秀な資源ダンジョンの周りは開発されて
ギルドや宿屋が立ち並び、冒険者目当ての
お店が増えていく、そして最終的には
ダンジョン都市として栄えるのだ。
中にはS級ダンジョンのように攻略できないダンジョンもある。
そういったダンジョンの場合、ダンジョンからモンスターがあふれる現象
通称スタンビートが起きないように、定期的にダンジョン内のモンスターの
間引きを行う必要もある。
ほとんど場合の間引きは、国の兵隊やギルドに依頼される。
冒険者や国で働く人の貴重な現金収入にもなるため、残すダンジョンもあるって事になる。
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「シスター。なんでゴミ捨てダンジョンは潰されないの?」
「う~ん。11番。このゴミ捨てダンジョンは主がみつからないの。
このダンジョンは、不人気ダンジョンって事もあるし、誰も探索しないのも理由かもしれないわね。」
「ふ~ん。そうなんですね。」
「でも、スライムって便利よ。なんでも捨てれば、溶かして綺麗に処理してくれるのよ。」
「だから、骨すらも残って無いのか...。ぼそっ。」
「んっ?何か言った?」 「いいえ...。」
俺は『お使い』に出された子供たちは、このゴミ捨てダンジョンに捨てられている
と思っているし間違いないだろう。
最終的には俺も捨てられる運命にならなければならない。
今回、下見に来れたのはラッキーだったと思う。
俺が、スキル鑑定されるまでの
タイムリミットは刻々と近づいてきている...。
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