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異世界の酒窓から  作者: やみがらす
8/10

さっきぶりですコンニチワ

ちょっとだけザマァが始まります

「なんぞ忘れ物でも会ったのか?ドラン殿よ?」

「いや、そうではない、お三方、一つ頼まれて頂きたいのだが宜しいかな?」

「何かな?、それにその隣の子は好子かな?生前とは全く違う姿形じゃが、何か有ったのかな?」

「あの、三神様、実は先程ドランクリア様にあちらの国のエールを呑ませて頂いたのですが……味が美味しいのかどうなのかが私全く分からなくて…」

「そう言えば生前は全く飲めなかったな、確かに元となる記憶が無ければ美味いまずいの判断はつけれんな、成程分かったぞ此方へ来い」


 それからはもう酷い事になっていて、呑んでは潰れ呑んでは潰れで寝て起きたら又呑んで、美味しい物から癖がありすぎる物まで呑み倒して、それこそ生きていたら速攻でアルコール中毒と肝硬変になってもおかしくないレベルでアレコレと飲ませて頂いた。


 私は素直に驚嘆していた、お酒ってこんなにも種類が有るんだ、ビール一つにとってもそのまま飲むものとカクテルの様にして飲むモノがあり、そのどれもが違った味わいだった、そしてほろ酔い加減の時の気持ちよさったら、これがお酒が飲める人達が愛してやまない世界なんだと初めて分かった、ほろ酔いの時は気が大きくなるのか、あまり上手では無い歌まで披露し、更には纏っている服がヒラヒラとした薄絹のドレスだったこともあって、どなたかが歌っている時には舞を舞わせても頂いた。


 いつ終わるとも知れない宴を続けては眠りを繰り返し、どれほど立ったか分からない頃にバッカス様から「これでこの世に有る酒は全て口を付けたと言えよう、酒の名は分からずとも元となった酒の材料がどう変わったかは、その舌が覚えておるであろう」と宴の終わりを告げた。


「有難うございます、お酒って本当に美味しい物だったんですね、良く分かりました」バッカス様に礼を言うとドランクリア様の方を見やった所ガッチリ潰れており、完全爆睡状態だった、ダメぢゃん、これだと帰れないじゃん……


「好子よ、今死(本当は今生と言いたいのだがすでに私死んでるしね)の別れに父母の夢枕に立って見るか?、折よく今は8月14日、本来盆自身は我ら神の管轄では無いのだが、この時期は現世では霊力が多少上がる様で、夢枕に立つ事は出来るがどうする?」


「そんな事が出来るんですか!、是非ともお願いします!!、ちゃんとしたお別れも言えていなかったんです!」

「うむ、では行ってきなさい」そう言って手をスイッと上げた瞬間に見覚えのある懐かしい自分の家の自分の部屋に立っていた。


 自分の部屋の姿見を見るとさっきのボンキュッボンの姿では無く、死ぬ前の自分の姿に戻っていた、あら懐かしいと思いながら自分の部屋の扉を開けようとするとドアノブ自身が掴めずにそのまま体が扉を通り抜けてしまった、自分の部屋の向かいの父母の寝室に入るとシングルベッドで寝ているパパとママの顔が見え涙が流れる訳でもないのにその場で嗚咽してしまった。


 二人のベッドの真ん中に立ち、その頭に手を置いた「パパ、ママゴメンね、親不孝しちゃって、私、二人の娘に生まれて、孫の顔も見せてあげられなかったけども、アタシとても幸せだったよ、これからもずっと長生きしてね」そう言った後、最後の名残を尽きさせる為自分の家をぐるっと見て回った、居間に入った瞬間に仏壇が目に入ったのだが、そこには私を殺した銚子主任の新聞記事が飾ってあった、どうも20年近く刑務所に入る事になったみたいねいい気味だわ、ボーっと考てたのにふっと気がついたら男たちが複数人雑魚寝をしている部屋にいる自分に気が付いた。


 周りをよく見ると窓には格子が嵌っていて男たちは全員短髪、薄い煎餅布団にくるまって寝ていた、ってここ刑務所じゃん!その時に頭の中に声が響いた「ちょっと位なら脅しても良いよー」この声は少彦名神さまかしら?、そうね、そうよね、私悪い事なんか何もしてないのに殺されちゃったんだもんね、そう思いながら男たちの顔を見てみると入り口に一番近い所にアイツが寝ていた、頭は丸坊主になって顔が腫れていたが誰かに殴られたんだろうか?、こんなやつの頭を触るのも嫌だったけど折角だからと人差し指を額に当てた、さぁ、悪夢の始まりよ。


お読み頂きましてありがとうございます

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