ここは誰?貴方はどこ?私は何?
転生前のお話です、日本の神様は種類が多いですね・・・
……光が……光が眩しい……、もう朝かな?、私、確か飲み屋で息が出来なきくなった筈だけど、助かったのかな? としたらここは病院? パパとママに心配かけちゃったな、ちゃんと謝らないと……
「で、この者如何すると、すくなよ?」
「うむ、まだ儂も少し決めかねておる、だが我々の元に置く訳にもいくまいてな、どうしたものやらの」
「しかし、いつまでも高天原に居させる訳にもいかぬぞ、時間が経ちこの場に慣れてしまい、魂のみで現人神となればこの娘にとって不幸でしかないぞ」
「確かにそうじゃの、しかし我々が生み出ししもので死なねばならぬとあっては余りに憐れ、神の名折れと思い魂魄のみを連れてきたは良いが、む、そうじゃ、ほれ、あの、あやつ、えーと、あれあれ、あやつじゃよ、ほれ、えっと、ほれほれ、何とした事か……」
「おおものよ、儂は長年連れ添った妻では無いからの、あれあれだけでは分らんぞ?」
「ほれ、あれじゃ、前に一緒に酒を酌み交わした異世界の酒神じゃよ、名は何といったかの?」
「おぉ、あ奴か、確か……ドンブリカンジョウ?、いや違うの、何だったかいの?」
……何だろう?この光景は??、お医者様?それにしちゃ偉く立派な髭を蓄えて、見た事も無い服を着ているわね、ちょっと声をかけてみよう、いい加減帰りたいし。
「あのー、お二方、お話中に失礼します、ここは何て言う病院でしょうか?」
「おぉ?何とした事か?」
「むぉ!、なぜ起きているのじゃ?、黄泉の眠りに入っている筈では無いのか?」
「えっと、あのここは一体??、アナタ方はどなたでしょうか?、お医者様では無いのですか?」
「おおものよ、この娘は未だ生者であると思って居る様じゃな?」
「うむ、どうもその様じゃのぅ、致し方ないわしが説明してやろうぞ」
大柄で瞳の優し気な人が此方に近づいて来た、あ、失礼の無い様に起きないと……って体が動かない、あれ?、見る事も喋る事も出来る筈なのに何でかしら??
「娘子よ、儂の名前は大物主大神と申す、残念ながらと言うか憐れな事に、娘子は酒を飲んで黄泉路へ旅立ってしまったのじゃよ、今この場所では魂魄となりて我らと話をしている状態じゃ、判るかのう?」
……死んじゃったんだ、私、儚い人生だったなぁ、結婚もしたかったし子供も産んでみたかったな…何よりパパとママに申し訳ないな……
「おぉ!思い出したぞ!すくなよ、ドランクリアじゃ!あ奴の名前はドランクリアじゃったよ!」私と話していた、おおものぬしのおおかみさん?、がいきなりスッキリした顔で相方に話しかけた。
「そうかそうか、スマンがそれでは彼を呼んでやってくれんかの?、その間にワシの事もこの娘子に話をしておこう」
「相分かった、暫く外すぞ」そういって、どこかに行ってしまった。
「さて、娘子よ」
「私の名前は酒賀 好子です、お酒を祝う、もしくはことほぐで酒賀、下の名前は好きに子供の子です、娘子と呼ばないで名前で呼んで頂けませんか?」
「相分かった、いい名前じゃのう、では好子よ、儂の名前は少彦名神と言う、短い間じゃが宜しくの」
「短い間??と言う事は私は地獄落ちか何かですか?」もう疑う事も無いお二人の名前に神の名前がついている以上、私は完全に死んだんだ、これからこの二人に何処かに魂を連れていかれちゃうんだ…
前回の投稿と違い今回は倍量の文字数で投稿しています
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