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25 勇者の義父は愛が重い

「クレオ、おはよう! 今日も気持ちのいい朝だな!」

「はいはい、おはよう。朝から暑苦しいわ」

 広げた両手をクールにはたき落とされてもオレはにこにこしてた。

 ギル・アローズの朝はたいていこうして始まる。

 まぁすでにトレーニングやってきたんで、起きたのはずいぶん前だが。

 なお、汗かいたままだとくさいって嫌われそうなんで、ちゃんとシャワー浴びて着替え済みである。妻に不快な思いは絶対させない。嫌われんのヤダ。嫌われたら死ぬ。

 本日もクールビューティーな妻をうっとり眺める。

 教師みたいに結い上げた髪、知的で鋭いまなざし。キツめの顔立ちに凛としたたたずまい。……はあ。

 美しい。女神級。

 どんな魔物にもひるまず向かってくオレだが、妻には負ける。ていうか勝つつもりがない。

 だって女神と戦えるわけないだろ。

「はぁ、かっこいい……」

「親父、キモい」

「その年になって乙女みたいだね」

「そっけない対応でなんで喜んでんの? そっちのケあんの? 父様」

 後ろから子供たちにツッコまれる。

 いつものことなんで気にしない。

「朝からごくろうさま」

 クレオはハグこそ拒否したものの、頭なでてくれた。

 へへ~。

 ついだらしなく頬が緩む。

 犬だったらブンブン尻尾振り回してるとこだ。

 凄腕調教師と従順な猛獣と親友にかつて評されたことがある。その通りな気がする。

「子供の前でよくやるよ」

「まぁ、両親の仲がいいのはいいことだけどね」

「それはそうだけど、時と場合は考えてよね」

 オレはくるっと振り向いて言った。

「リューファだってやってるじゃないか」

 娘は今まさに、夫であるクラウス様に後ろからがっちり捕ま……抱きしめられてる状況である。

 ラブラブ具合はむしろ上かと。

「ちがっ、これはクラウス様が勝手に!」

「そうかそうか」

 逃げずに真っ赤になってるだけじゃ説得力皆無な。

 いくら主君でも本気で嫌なら実力行使していいと子供たちには教えてある。リューファだって本当に不快なら逃げてるはずだ。そうせず大人しく捕まってる時点でバレバレである。

 というか、娘もクラウス様好きなのは知ってる。これでも親だ、それくらい分かる。

 まったく何を意地になってるのやら。

 両想いなんだから、さっさとくっつけばいいのに。まぁくっついてるが。

「ほんとだってば!」

「娘が幸せそうでお父さんうれしいよ」

 涙をぬぐう仕草。

 娘が男といちゃついてればたいていの男親はイラつくだろうが、ちっともそんなことは思わない。だって両想いだし、この二人。クラウス様は息子同然だしなぁ。

 娘が幸せなら単純にうれしいよ。

 聞いちゃくれないと娘はクラウス様の腕つかんでにらんだ。

 上目遣いじゃ逆効果だと思うぞ。

「クラウス様、離してくださいっ」

「嫌だ。嫁とイチャイチャして何が悪い。公爵は分かってくれるよな」

「分かります」

 全力で肯定。

 重々しくうなずく。

 妻が冷やかな視線向けてきた。

「構ってほしいですしね」

「犬かよ、親父。そんなとこだけど」

「母さん、父さんが子供みたいなこと言ってるよ?」

「ほっときなさい。男はいくつになっても子供なの」

 子供扱いされても全然平気。中身が子供な自覚はある。

「クレオはいくつになっても美人でクールでかっこいいなぁ」

 オレは初めて会った時、まごうことなく子供だった時代を思い返した。


   ☆


 王家とアローズ家のつながりは深く長い。

 代々側近を務めている。オレみたいな戦闘要員から文官系のサポート対応まで、さまざまな形で補佐してきた。

 ただ意外かもしれないが婚姻関係を結んだことはない。政略とかなしに、友人関係を築いてきたんだ。

 推測だが二代目が王家の縁者だったため、血族結婚と権力の集中を避けたのが始まりだろう。今じゃ時がたって血は遠くなった。他人同然。

 当代の王アキレスは生まれつき魔力が強く、同い年で戦闘能力の高かったオレは生まれながらに『ご学友』になった。

 コントロールが下手な子供ってのは魔力が漏れることが多く、特に王家の魔力は影響力が強すぎる。並みの子どもじゃ傍にいるだけで体調崩すんだ。

 オレなら耐えられるし、先祖が王家の傍流にあたるおかげで耐性があるらしい。アローズ家が代々幼少時から側近なのはそのためだ。

 アキレス自身は気のいいやつだ。身分を鼻にかけたりしないし、真面目で誠実。

 ウマのあったオレたちは成長するとコンビを組み、魔物退治するようになる。

 ―――おっと、話が進みすぎた。ちょっと戻そう。

 十歳の時、アキレスとオレには何人も家庭教師がついてて、そのうちの一人が若き経済学者であるクレオの兄だった。当時十八歳、やり手の実業家として有名だった人物である。

 ある日、彼が妹を連れて来た。

「年の離れた妹で、クレオと言います」

 九歳のクレオは当時から今と同じ。子供離れした賢さを備えた、クールでキツめな美少女だった。

「いやぁ、すごく賢い子でして。僕より上ですよ。ははは」

「初めまして」

 まったく媚びず、むしろ冷めた態度でクレオは挨拶した。

 新鮮!

 なにしろオレたちに対する同年代の子の態度は、媚びるかかしこまってガチガチかのどっちかだ。

 でもこの子は。

 へー。オレたちの地位とか全っ然キョーミないんだなー。つか、そんなん利用しなくても自力で道切り開けるわ、って感じ? 男前。

 アキレスも好印象だったっぽい。それからというもの、クレオは時々兄についてくるようになった。

 兄の言う通り優秀で、大人顔負けの鋭い意見を言うことがよくある。

 でも……そうなると、面白くないって考えるヤツもいるわけで。

 クレオの家は世界的な商会で父も兄も大富豪だが、貴族じゃなかった。この国は爵位より実力主義だけど、中には差別意識と選民思想に凝り固まったのもいる。

 ある日、図書室から不穏な気配がしたんで行ってみた。魔物退治慣れしてるオレは、悪意とか敵意に敏感に反応すんだわ。もはや条件反射。

 クレオがそんな連中に取り囲まれてた。

「さっさと出て行きなさいよ、ブス!」

「庶民のくせに生意気だ!」

「ちょっと気に入られたからって図に乗って」

 ……うわぁ、見事なまでのテンプレ。

 相手はクレオより年上の少年少女に、その親とみられる大人たち。六人って数と大人の体格での威圧のコンボか。タチわりぃな。

 扉の影から様子うかがってたオレは出ようとしたら、一緒にいたクレオの兄が胃を押さえてんのに気付いた。

「先生、どした? 病気か?」

「……い、いえそうじゃなくて……」

「医者呼ぼうか?」

 アキレスも心配そうだ。

「違います。あの、止めに入らなくていいです。というか逃げましょう。巻き込まれたくない。彼らも妹にケンカ売るとは命知らずな……」

「命知らずって」

「もうほんとやめてほしい。うちの妹を敵に回したらどうなると思ってるんだ」

 ん? 妹の心配じゃねーの?

 言われてみればクレオは平然としてた。それどころかアホかって侮蔑の表情。

 あ、その顔もステキ。

 クレオはおもむろに口を開いて一言。

「いいかげんうるさい黙れ」

 ピシリ。

 文字通り場が凍った。

 ひょ~おぅ。

 な、なんかゾクゾクする。恐いんじゃなくてしびれる感じ。

「……おい、ギル?」

「なんだろ、ゾクゾクする」

「おい。大丈夫か。別の意味で」

「別の意味ってどういうことだよ」

「いやお前、そっちのケあったのか?」

 どっちの?

 子供とは思えぬ迫力と威圧感に、連中はたじろいだ。

 クレオはビシビシ続けた。

「生まれが何? 法律で人は皆平等と定められてるし、能無しどもにバカにされるいわれはないわ」

「のっ、能無し?!」

「そうでしょ? 何の才能もないからこそ、たまたま持ってた家名ってものにすがって虚勢はってるだけじゃないの。ところで」

 淡々と全員の名前と家名を言い当てた。

 クレオの兄が腹に手あてたままつぶやく。

「妹は全貴族の顔と名前覚えてるんですよ……」

「全部?!」

「すげぇ」

 そういうの要求されんのオレらくらいだと思ってたよ。

「商売に役立つからと、自分で覚えたんですよ。貴族意外も有力者や才能ある者のデータは随時更新してます」

 はー、すげぇな。

「そんなくだらないことをまき散らすようでは、おたくらとの取引は考え直したほうがよさそうね」

「は? 取引なんて……」

「自分ちがどこの店から物を買ってるのか、取引先の親会社はどこかくらいちゃんと把握しておいたほうがいいわよ」

 どうやらクレオんちが噛んでるらしい。

 連中はいきりたった。

「ガキが生意気な!」

「こらしめてやる!」

 やべ、これは止めなきゃ!

 大人が九歳の子供に、魔力で強化した拳で殴りかかろうとする。

 ところがオレが飛び出すより早く、クレオが冷静に身をかがめた。次の瞬間足払いをかけ、バランスを崩したとこで腕をつかみ、相手の動きを利用して華麗に一本背負いかました。

 ドズンと床にたたきつけられた大の大人はポカンとしてた。

「…………!」

 オレは息をのんだ。

 か……っこいいー!

 すげぇ、クール!

 音を立てずに拍手を送った。

 クレオは悠々と身を起こし、扇を出した。開いて優雅に構える。

 赤くて黒いレースのついたそれは装飾品じゃなく魔具なのが一目で分かる。

 あっけにとられてた連中は我に返ると、マジギレして魔力をためた。

「こ……んの!」

「クソガキが!」

 パチン!とクレオが扇を閉じる。

「城内での攻撃的魔法の使用は禁じられてるわよ」

 その通り。

 城には防犯上、検知する結界が張られてる。使ったら一発でバレ、衛兵がすっ飛んでくる仕組みだ。

 連中は衛兵が駆けつける前にやっちまえばいいって思ったらしい。構わず全員でかかろうとした。

「すげーなクレオ、かっこいい!」

 オレは陽気な声で割って入った。

 ギョッとしてる連中を押しのけ、クレオの前に立つ。

「びっくり。体術も使えるんだな!」

「……いつから見てたの」

 嫌そうにクレオの眉が上がる。

「ん? ほとんど最初から。いやぁ、動じず正々堂々と主張するさまに見惚れてた」

 オレの顔は連中も知ってたみたいで、慌てて逃げようとするとドアんとこにはアキレスが。

「げっ、殿下!」

 わー、めっちゃ顔色悪~い。

 アキレスはやれやれと肩をすくめ、駆けつけた衛兵に命じた。

「そいつら捕まえとけ。現行犯だ。しかも子供相手に大人までそろえて総がかりとは情けない」

「で、殿下!」

「じ、冗談ですよ、冗談!」

「そ、そうですよ。生意気な小娘にしつけをですね」

「何がしつけだ、暴力行為だろうが。言い訳は聞かん。連れてけ」

 バカな連中は連れてかれた。必死に言い訳叫んでるけど、こりゃークビだなぁ。

「いやー、それにしてもクレオは行動がイケメンで男前だな!」

「それ褒めてるの?」

「褒めてる褒めてる。めっちゃ賞賛してる」

 ほんとにすごいって思ってると分かってくれたらしい。ほら、オレ単純だからさ。嘘とか下手なのよ。

「……変なの。私がああいうことするとみんな私のこと避けるのに」

「え、そーなん?」

「兄さんだって苦言を呈するし」

「当たり前だ。抵抗するなとは言わないが、もうちょっとオブラートに包みなさい。ストレートにやりすぎるんだよ」

「そっかぁ? オレはすげーと思うけどなぁ。だってあいつらのほうが間違ってんじゃん。自分より大きな相手、しかも大勢に毅然と立ち向かうなんて勇気がいるだろ。クレオは立派だよ」

 ぽんぽんと頭なでた。

「……っ」

 クレオは黙って顔そらした。

 耳まで真っ赤になって照れてるのを、唇かんでこらえてる。

 ……うっわ、かわええ。

 ドキュンてキタ。

 なんかズキューンできたよ。

 妹分だと思ってたのが、「好き」だと自覚した瞬間だった。

 よーし。

 オレは早速行動に移った。

 まず両親に相談。恋愛結婚である二人はアッサリOKしてくれた。

「というかそもそも彼女はお前か殿下の花嫁候補の一人だからな」

「えっ!?」

 あ、そーか。世界的大富豪の娘とのつながりはそりゃあったほうがいいわな。

「じゃあクレオの兄が連れて来たのも、どっちかが気に入るかどうかって顔合わせか」

「見合いってほどじゃないが、まぁな。あきらかにお前のほうが気に入ってたんで、そのつもりでいた」

「マジかよ。いや、むしろありがたいけど! って、オレ自身でも自覚してなかったのによく分かったな」

 母はものすごーく長いため息ついた。

「アローズ家の男はこの人だ!って一人を決めるとものすごいでしょうが……」

 母さん、何があったん。めっちゃ実感こもってるけど。

 父さんをチラッと見ると、明後日の方向いて口笛吹いてた。

 オイ。

「自分自身被害者だから、ロックオンしたらすぐ分かるわよ……」

「被害者っつった?」

「クレオちゃんも気の毒にねぇ……。がんばれとしか言えないわ。逃げるのは不可能だしね」

「何があったの? なあ、父さん母さん。聞きたくないけど」

 父さんはにこやか~に母さんの肩抱き寄せた。

「たいしたことじゃない。愛してるよー」

「……はいはい」

 母はあきらめの境地で斜め上に視線そらしてた。

 父さんもたいがい愛が重いと気付いてはいたけど……うん、聞くのやめよ。知らないほうがいいことも世の中にはある。

 ともかくそんなら話は早い。先生を通じてクレオの親にも会いに行った。

 向こうもそのつもりだったから反対はなく。

 でも、とオレは言った。

「家同士の正式な婚約は待ってもらえますか? アローズ家は王家の側近で、婚姻関係を結ぶのは商売上メリットがあるからとクレオはOKするかもしれない。それは嫌なんです。政略じゃなくて、オレ自身を好きになってほしい」

 クレオの父は娘そっくりに眉を上げ、ニヤリと笑った。

「……ほう。君は思った以上に見どころがある少年のようだ。気に入った。好きにするといい」

「ありがとうございます」

「だが娘はなかなか攻略が難しいと思うぞ?」

「構いません。何年かけても」

 アローズ家の男は一途で、ただ一人の女性を決めたら生涯愛し抜く性質を持つ。

 オレにはクレオだけだから。

 クレオ本人にもちゃんと説明した。

「オレ、社会的には皇太子の側近だし、代々王族を支えてるアローズ家の跡継ぎだもんよ。それが正式に申し込んだら嫌なのに断れないかもしんないじゃん? 無理強いするつもりはねーんだ」

「…………」

 クレオは何とも言えない顔で黙ってた。

「クレオが嫌なら断れる余地を残しときたいんだ」

「……バカじゃないの」

「あれ、オレがバカなのは周知の事実だと思ったけど。勉強苦手なんだよな~」

 あはは。

「なあ、きいときたいんだけどクレオの好みのタイプって?」

「教えない」

「つれないなぁ。そういうクールなとこがイイ」

 とりあえず少なくとも汗臭いのが嫌われるだろうとは考えた。

 同じころアキレスが見つけた好きな子シェラちゃんとこ相談に行った。ひょんなことから出会って、アキレスがそりゃあ囲いこみまくってる子だ。どうやらいつかの前世で恋人同士だったんじゃないかとオレはふんでる。

 あいつは言わないけどな。傍にいりゃ、察しはつくさ。

 ともかくアキレスがシェラちゃんに夢中なのは分かりきってるんで、クレオをとられる心配はなかった。

 シェラちゃんは薬学に長けてるんで、何かアドバイスくれるだろーと思ってきく。

「汗臭いのどうにかする方法教えてくれ。クレオに嫌われたくない」

「ギルさん、いつもながらに涙ぐましい努力ですね……。制汗剤ってこと? あるけど……」

「ありがと!」

 アキレスはライバルになりえないとしても、大富豪の娘で美人となりゃあライバルがいっぱいいるだろうとオレは必死だった。

 でも意外と少なかったんだよ。

「あっれぇ? 意外」

「よかったじゃないか。ま、あれだけキツくてやり手なら、並の男じゃ敬遠するさ。自分より有能な妻じゃ、男のプライドがあるわけだろ。そこらの男なら速攻首根っこひっつかまれて操縦されるだけだな」

「えー? オレなら尻に敷かれるの大歓迎だけど? むしろ手の中で転がされたい。楽しそ」

「楽しそうって言えるのがすごい」

 なんで? 好きな子がかまってくれるんだぞ、うれしいじゃん。

「ひいき目なしに、求婚者の中じゃギルが一番だと思うぞ。クレオちゃんもなんだかんだでまんざらでもなさそうだ」

「ああ、嫌われてはいないと思う。でなきゃとっくに暑苦しいって背負い投げくらってる」

 いっぺんやられてみたい気もする。

 何かを察した親友がスーッと引いた。

 なんで。

「……でも友人止まりなんだよなー」

「子供っぽい言動のせいじゃないか? 魔物退治してきたぞ褒めて!ってご主人様に褒めてもらいたい犬みたく駆け寄ったり、頭なでてって頼んだりしてるから」

「好きな子にはほめてほしくね?」

「分かるけど、お前のはなんか違う」

「クレオの犬にならなってもいいのになぁ」

「……おい。冗談か? 冗談だよな?」

「半分は」

「半分かよ! お前おかしいぞ」

 一途すぎて時に暴走するのがアローズ家の以下略。

 オレは親友をねめつけて、

「人のこと言えるのか? シェラちゃんの周りのガード、ものすごいくせに。年頃の男は近づけないわ、徹底的にライバル潰してるわ。なかなかえげつねぇやり口じゃねーか。権力と人脈と武力と知恵つぎこんでまぁ」

 正直引くわ。

「好きな子できるとそうなるクチだったんだな」

「自分でも驚いてる」

「先生の弟子にしてもらって、保護下に置いてるし」

「才能ある人材発掘したから、紹介しただけだ」

「嘘こけ」

 がっつり囲い込んでるくせに。

 あ、この先生ってのはクレオの兄じゃなくて、この国の魔法使いの元締め的魔女のことな。後に孫にフォーラちゃんが生まれる。

「しれっと王族クラスに必要な授業受けさせてるだろ」

「気のせいだな」

「なわけあるか。好きな子自分好みに育てるタイプだったとはなぁ、お前」

「勘違いだろ」

 嘘くさいロイヤルスマイル向けんじゃねー。だまされるもんか。

「シェラちゃんは天涯孤独で面倒な親戚もいない、政治的な争いとは無縁だ。その上、薬学の天才で、多くの人の命を救ったと人々に慕われてる。王妃としてふさわしい……って世論誘導してるよな」

「何のことやら」

 涼し気な笑顔の我が親友。

 この腹黒。

 オレは本性知ってんぞ。

 これでも一国の皇太子だ。クセモノじゃなきゃやっていけない。

 温和で温厚な皇太子の見本みたいに思われてるけど、実態はこれだ。相当なしたたか者。魔物退治の最前線に立ってることからも分かるだろ。どこが人畜無害だ。

 アキレスはちっとも笑ってない目を向けてきた。

「ギルは反対なのか?」

「おいおい、こえぇな。マジになんなよ。友達の恋路のジャマなんかしねーって」

 背筋ヒヤッとしたぞ。

「ならよかった」

 こっちもよかったよ。もし周囲に反対されたら、下手すりゃ国滅ぼしてでもシェラちゃん取るだろうからな、こいつは。

「まぁなんだ、とりあえずその腹黒がバレねーようがんばれ。オレもがんばろ」

「いや、お前はちょっと抑えろ」

 なんで?

 アキレスは着実に計画を進め、見事シェラちゃんを手に入れた。周到さに感心するぜ。

 シェラちゃんが成人すると早々に妃にして溺愛してる。

 親友の執念がすげぇ。

 一方のオレはって?

 ……ちっとも進展してなかった。

「クレオ、今日もかっこいいな! 惚れなおす」

「あっそ」

 いつもそんなそっけない返事。

 好きとも嫌いとも明言せず、何年も経ってる。

 優しいクレオははっきり拒絶したらオレが傷つくだろうって、言えないのかもな。フツーに話せる友達は貴重で、なくしたくない気持ちは分かる。

 ……友達、か。

 ため息ついた。

 そこ止まりなのかなぁ。

 あきらめの悪いオレもさすがにキツくなってきた。

 ……そろそろ潮時かも。

 クレオが成人する誕生日。大富豪の娘のお祝いとあって、盛大なパーティーが企画された。

 その前日、オレはクレオを訪ねた。

「ほい。これ、一日早いけど誕プレ」

 ぽんとウチの農園でとれた新種の花の花束を渡す。

「え?」

「えーっとさ、悪いな。ちょっと急きょ出張入っちまって、明日来れねーんだわ」

 クレオはハッとした。

 この頃アキレスは政務に専念することになり、魔物退治はオレが一手に引き受けてた。その分出動が増えてたんだ。

 まぁ今回のは口実だけど……。

「なんで。明日じゃなきゃダメなの?」

「ああ。だって被害を増やすわけにはいかねーだろ?」

「で、でもすぐ戻ってくるんでしょ? 遅くてもいいから、明日中なら」

「ちっと遠いんだ。ついでに国外の用事も片付ける必要があるし」

 国外からの依頼もよくある。ほんとは他の『英雄』でも片付く案件なんだけど……魔物退治で出張なら、欠席しても仕方ないってみんな納得してくれるだろ?

 クレオはオレを睨みつけた。

「……なんで」

「ん?」

「わざとでしょ? 意図的に出張入れたんでしょ! なんで? そんなに来たくないの?」

 うーわ、察しがいいわ。速攻バレてら。

 頬をポリポリかいた。

「いやさぁ、いいかげんオレがいちゃ迷惑じゃん?」

「め……いわく?」

 クレオは意味不明とばかりに聞き返した。

「クレオは優しいから、オレに遠慮して好きな男作れないのかなーって。きっぱりフラれたら、オレのことだから思いつめて何やらかすかって心配してんだろ? だーいじょうぶだって。ちゃんとあきらめる。ジャマとかしねーよ。だからちゃんと距離取ろうと決めたんだ」

 物理的にもさ。

 目を見開いたまま固まるクレオに苦笑した。

「ごめんな。色々気をつけてたつもりだし、他の求婚者の妨害もしたりしなかったんだけど、そもそもとっくにあきらめて離れてろって話だよな。クレオならほんとに好きな男できたらどんな求婚者いようが無視してガンガンいって、自分の意志貫くだろうと思ってたから。考えが甘かった。邪魔者は消えるからさ、これで自由だよ」

 無理やり笑顔を作る。

「長いことごめんな」

 ―――嘘だよ。あきらめられないと分かってる。

 オレが他の誰かを愛せる日はたぶん来ない。

 きっと一生誰とも結婚しないだろう。

 まぁ後継者が必要なら、イトコあたりに継いでもらえばいい。そこらへんはどうとでもなる。

「じゃ、行ってくる」

 いつもみたく飄々と言って踵を返した。

 必死に平静を装って歩き続ける。心の中じゃ泣いてた。

 ……あーあ、キッツイなぁ。

 覚悟してたけどやっぱダメージでかいわ。

 しょーがねーか、オレはガサツな脳筋だしなぁ。上手く女心をつかむなんてできやしねー。

 クレオの好みの男になることもできず、子供っぽいと言われ。

 クレオが好きになるやつはきっと大人っぽくて頭もいいんだろうな。オレとは全然違う。

 好きだからこそ離れると決めた。無理やり自分のものにしたりはしない。たとえ彼女の隣に立つのが自分じゃなくても、君が幸せならいいんだ。

 想いが叶わなくても、相手の幸せを優先する。それがオレの愛の形だ。

 だから、そっと遠くから想い続けるのは勘弁してくれよな?

 ―――大好きだよ。

「―――っこのバカあああー!」

 ぼんやりしてて反応が遅れた。

 クレオの怒りの叫びがしたかと思うと、足すくわれた。

「おわっととととおおぉ、いでぇっ!」

 ついで世界が一回転した。豪快に背負い投げくらったんだと気付いたのは、思いっきり地面にたたきつけられてから。

 どーん。

 条件反射と運動神経だけはいいはずなのに、完っ全に油断してた。

 起き上がろうとすると胸倉ひっつかまれた。

 馬乗りになったクレオが睨みつけてくる。

 彼女は泣いてた。

 は……え?

 思考停止。

 パニックすぎて動けなかった。

 え、何で泣いてんの? え?

 ぼろぼろ大粒の涙をこぼしながらクレオは怒鳴った。

「……っ嫌いなんて言ってない!」

「へ?」

 ハテナマーク飛ばしまくって、間抜けにも聞き返した。

 はい? なんですか? マジでイミフ。

「えーと、クレオさん?」

 もしもーし?

「ギルが嫌いだなんて私一度でも言った?! 言ってないでしょ! 脳みそまで筋肉化してんの、この阿呆!」

 ボロクソ言われてるけど腹は立たない。事実すぎるんで。

「いやうん、オレはアホだけど……?」

 つか、目の毒なんですけど。真っ赤だし、目うるんでるし。気の強い子が泣いてるとこ初めて見たわけで、破壊力がだな。

「……っ」

 クレオは何度も口を開き、何か言いかけて言葉にならず、それでもがんばってようやく言った。

「私はギルのお嫁さんになるんだって、ずっと前から決めてたんだから! 私と結婚しなさい! でなきゃ許さない!」

「………………………………」

 たっぷり五分は停止してたと思う。

 しびれ切らしたクレオに恥ずかしチョップくらって我に返った。

「あいたぁ!」

 き、キレがいい。

 つか、脳天ストレートに決まったな。

 オレは頭さすって、

「えー……と幻聴?」

「もう一回殴るわよ……っ」

 クレオは恥ずか死ぬって涙目でプルプル震えてた。

「ハイ、すみません」

 でもめっちゃかわいいですその姿。

「あー……クレオ? オレはどうあがいても友達止まりじゃなかったのか? オレのこと好きだったの?」

 クレオはさらに赤くなって、

「う……うるさいわねっ。いちいちきくんじゃないわよ! そうだけど悪い?!」

「いや悪いとかじゃなくて。全然そんな感じなかったから」

 信じられねーっつーか。

「そぶりも見せないし、言われたこともなかったじゃん」

「恥ずかしかったの! 分かりなさいよ、この女心ニブ男!」

「えー、真面目に言って無茶な注文だぞ。言わなくても分かるってのは限界がある。きちんと言葉にしなきゃ誤解招くだろ」

 真剣に指摘すれば、クレオはバツが悪そうに詰まった。

「う……。それは、ご、めん」

 ぐはっ。

 気が強くてめったに謝らないクレオがデレた!

 あかん。鼻血出そう。

 とりあえず目に焼き付けとく。これは永久保存せねば。

「だって、言ったらあんた絶対うかれてめんどいことになりそうだから……っ」

 否定できねー。

「いつからオレのこと好きだったの?」

「だからそういうことをストレートにきくなっ!」

「バカなオレが直球以外できいて敵うと思うか?」

「無理ね」

「だろ」

 搦め手苦手なんだよ。そーゆーの得意なのはアキレス。オレらはお互い苦手分野補えるんでいいコンビなの。

 クレオは唇とがらせつつもつぶやいた。

「……分かんないわよ。みんな私のことキツイだの恐いだの言うのに、違う反応の人は初めてで。興味わいたのが最初っていうか……」

「アキレスも同じような反応だったけど?」

「殿下は何とも思わなかった。あの人、人畜無害に見えて中身はクセモノでしょ。関わるとめんどくさそう」

「同感」

 裏をさんざ見てきたから激しく納得。

「ギルは表裏ないじゃない」

「アホだからなー。何か企む頭がねーの。あっはっは」

「大人を背負い投げしてやっつけたの見られた時はさすがに引かれると思ったのに、逆だし。かっこいいって言ってくれたし」

「うん。だってかっこいいじゃん」

 超ステキ。

 あ、そういや今さっき念願?の背負い投げくらったのかオレ。ほほー。なかなか面白い経験だった。

「……。よく照れもせず言えるわよねほんと」

 あれ、半分あきれられてる?

「そういう愛情重すぎるとこが、素直になれなかった原因でもあるんだけど……」

「あ、そうなん? でもこれがオレだからさー」

 あきらめて?

 ニコニコ。

 クレオはため息ついた。

「はー……。……分かってるわよ。十分すぎるくらい時間もくれて、逃げ道もちゃんと用意してくれてて。私も覚悟決められたんじゃない。それでみんなに相談して、なるべくあんたが暴走しないよう計画立て……」

「えっ? なんでオレ本人より先に周りに言ってんの?!」

 ひでぇ。

「クレオがOKしてくれたら、そりゃもう超喜んで世界中にニュース流して記念撮影してプレゼント買いまくって記念パーティー開いてそれから」

「そうなると思って阻止しようとしたんだっつーの!」

 スパ―ンて扇でひっぱたかれた。

「え、ダメ?」

「こんの暴走男! やらかす前に先手打つのと、サプライズのつもりで婚約パーティーの準備してたのに……っ」

 みるみるクレオの目がまた涙で埋まった。

「あああああ泣くなってー!」

 慌ててハンカチ出す。

「……え? ちょい待ち、なんだって?」

「だから! 明日! これまで待たせちゃったぶんも悪かったと思って、ちゃんとした場作って好きって言おうと思ったの!」

「ごめん」

 両手あわせて謝罪した。

 それはマジですいませんでした。

 どうりで出張無理やり入れようとしたら総がかりで止められそうになったはずだよ。

「このバカ!」

「申し訳ございません」

「察しもタイミングも悪い脳筋!」

「おっしゃる通りです」

 否定の言葉もございません。

「……っ、さよなら、やだぁ……」

 クレオはマジ泣きした。

 あわわわ。

「さよならしねーよ、撤回する。結婚するよ」

「こんな、予定じゃなかっ」

「ごめんて」

「責任取ってちゃんと結婚してくれなきゃ許さないんだから」

「うん」

「わた、私も悪かったし、今回だけは大目に見てあげるけどっ」

「うんうん。逆プロポーズってのがクレオらしくてむしろツボで最高でした」

 いやぁ、しびれたね。

「バカじゃないの」

「何度も言うようにバカだよ?」

 ぷはっとどっちも笑った。

 まだ泣いてる―――でもうれし涙の最愛の人を抱きしめた。

「クレオ、好きだよ。大好き」

「……私だって好きだもん」

 ツンデレで素直じゃない彼女は赤い顔を隠しながら答えた。

 そんなかわいいかわいい婚約者*もう決定、を眺めてどんだけデレデレしてたか。

 ハッと気づいた。

「やべぇ! 魔物退治は行かねーと!」

「行くの? そりゃ困ってる人がいるんだから分かるけど。明日帰ってこれないんでしょ?」

「大丈夫。意地でも帰ってくる」

 グッと親指立てた。

「どうやって」

「根性と筋力で」

 真面目に言ったのに、氷点下な反応された。

「死ぬ気で走って往復するよ!」

「そこは高速移動魔法使いなさいよ」

「魔法使いつつ、筋肉併用すれば倍の威力になるんじゃね?」

 阿呆を見る目された。

「いけるいける。こうしりゃいられねー、今からすぐ行ってくるぜ。あ、土産なにがいい?」

「いらないわよ。無事ちゃんと帰ってきてくれればいい」

「了解。じゃあクレオ、行ってきます」

 どさくさまぎれに抱きしめて行ってきますのキスして、怒られる前にダッシュした。

「……っ、……っ、ギルのバカ――!」

 羞恥とうれしさの混じった悲鳴がはるか後ろで聞こえた。

 行って仕事して帰るまでは割愛。ちなみに所要時間は最短で記録更新でした。

 限界突破の超特急で帰ってくると、パーティーが始まるとこだった。

 クレオの父が娘に、

「……さすがに間に合わないんじゃないか?」

「来るわよ。ギルは約束破るようなヤツじゃないもの」

 信用されてるなぁ、うれしい。

 うちの両親もヒラヒラ手振って、

「あっはっは。大丈夫ですよ。クレオちゃんが待ってるなら息子は絶対間に合わせますって」

「そうねぇ。ほんっと、アローズ家の男は無駄に……。力の遣いどころが……はぁ」

「ただいまクレオ、間に合った! ギリギリセーフ!」

 オレは会場に転がり込んだ。

「…………」

 クレオはオレを頭のてっぺんから足のつま先まで眺め、

「汗だくで服もぐちゃぐちゃだし、髪もボサボサじゃないの」

「そりゃがんばった証ってことで」

 許してちょ。

 ゼーハー。

「ケガは?」

「あんな程度のにくらうわけねーじゃん。それ以前に怪我したらクレオが心配するだろ」

 悲しませたくないから。

「いいからせめて髪の毛くらいなんとかしなさいよ」

 風圧で逆立ったのを元に戻そうとしてくれる。

 へへへ。あー、頬が緩む。

「猛獣と調教師……」

「いや、ペットと飼い主じゃ?」

「さすが早速尻に敷いてる……」

 周りがなんか言ってるけどどうでもいいやー。

「……犬の耳とめちゃくちゃパタパタしてる尻尾が見えそう」

「ん? 幻術で作ろっか?」

「アホか。やめなさい」

「なー、クレオ。がんばったごほうびは?」

 両手広げてちょうだいアピールしたら、冷静にはたき落とされた。

「えー。お帰りなさいのキス期待してたのに」

「誰がやるかっ! ああもう、とにかく着替えなさいっ。こんなことだろうと思って用意しといたのよ。ホラ、ついてくる!」

「はーい」

 ペットの大型犬は大人しく飼い主に連れられてった。もとい、クレオに引っ張られるままついてった。

 操縦術に感心する周囲の拍手に包まれながら。

 もちろん二人きりになったところでただいまのキスしてめっちゃ怒られたのはお約束である。

 でもクレオ、本気で嫌がってないじゃーん。真っ赤になって上目遣いでポカポカたたいてきても、かわいいだけだって。

 こうしてオレとクレオは結婚できた。

 母が「やっぱり逃げられなかったでしょ? クレオちゃん、がんばってね」って苦渋に満ちた顔でクレオの両手握ってたのはなんでだろ。

 そのうち長男ジークが生まれた。

 オレは一人っ子だったから兄弟を作ってあげたくて、ランス、リューファと次々子供に恵まれる。

 息子もかわいいが、娘はそりゃーもうかわいかった。

 みんなでベタベタに甘やかして溺愛した。

 もとより大事な娘を遠くに嫁にやる気はなく、アキレスに婚約持ち掛けられた時は諸手をあげて賛成した。無事計画通りいって満足である。

 ……そんなことをソファーに腰かけたクレオの腰回りに抱きつきながら思い返した。

 子供たちの前じゃ恥ずかしがってクール装ってるクレオだけど、二人きりになるとけっこうデレる。今も赤くなりながら頭なでてくれてる。

 肝心なこと言わなさすぎて誤解された経験があるからなぁ。

 あれ、ていうか今気づいたがクラウス様が無口クールキャラ作ってたのは、もしかしてクレオを参考にしたのか?

 恥ずかしいの知られたくなくて、ものすごい意思の力で表情筋凍らせてるんだよなー。オレのクレオは恥ずかしがりやなんだから~。そんなとこがいい。

 クラウス様にとってクレオはもう一人の母親みたいなもんだし。なるほど納得。母を見習ったわけか。

 ふいにクレオの手が止まった。

「……何ニヤケてるのよ。キモイ」

「んー? ちょっと昔を思い出してた。クレオは今も昔もかっこいいなぁ」

「そ、そういうことを恥ずかし気もなく言うんじゃないっ」

「いいじゃん、二人きりだしー」

 リューファみたいな反応だよなぁ。やっぱ親子、似てる。

「もうそろそろいいでしょ」

「え。もうちょっとなでて」

「あんたね」

「クラウス様だってリューファに甘えてるだろ」

「張り合うんじゃない。ていうか、あんたがクラウス様ああいう性格になった元凶じゃないの? ったく、余計な知恵つけて。なんでこっちに似るのよ」

「もう一人の父親みたいなもんだからなぁ。アキレスにも似てると思うぞ。小さいうちから囲い込んどいて外堀埋めて裏工作しまくりなあたり、そっくりだ」

 うんうん。

「似なくていいとこばっかり似て」

「人前でやらないだけオレのほうがマシじゃん?」

 クレオに嫌われたくないんで、これでもセーブしてる。

「あれでセーブしてるのがおかしいわよ。というか、子供の前でやらないのは当然でしょ」

「両親が仲いいのはいいことなのになぁ」

「限度があるのよ、限度が! 基準がおかしいっ」

 そうか? ウチの家系じゃかなり控えめなほうだけど。

 首傾げてきく。

「クレオはオレがベタベタするの嫌か?」

「…………」

 妻はツンとそっぽを向いた。

「……別に嫌なんて言ってない」

 ひゃっほう。

 デレ、ごちそうさまです。

「クレオ、愛してるよ」

 いくつになってもオレの妻はかっこよくて素敵でかわいい。


 親子で同じパターンを繰り返していた、というわけでした。なかなかループから外れるのは難しいものです。

 クレオが想定以上のツンデレになった。なんかかわいく思えてきましたよ。

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