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死域からの生還者  作者: 七夕 アキラ
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6.情報共有と意見交換


 上戸森警察署から戻った後、一騎と創太が最初に行ったのはマガジンに弾込めすることだ。二人はリビングにマガジンと弾薬の入った箱を置いている。

 一騎のMP7A1は40発入るマガジンで、これが予備を含めて十三マガジン。つまり520発分あるのだ。対応する4.6x30mm弾の箱から弾薬を取り出してマガジンに入れていく。

 創太は自分の使うXM8の30発マガジンを八マガジン確保していて、一騎同様に対応する5.56x45mm NATO弾の箱から弾を取り出して詰め込んでいる。


 避難民は自分たちで決めた号室の部屋で、冷蔵庫に入っていたジュースなどを飲んで休憩。もしも住人が帰ってきたなら怒っていただろうが、マンションの住人は一騎と創太だけ。いや、澪と梓を含めた四人だけだ。


 ――他の住人たちが生き延びて、無事だったら戻ってくる可能性もある。


  一騎はこんなことを考えていた。ちなみに一騎たちは知らないが、マンション住人は既に全員感染していてゾンビとなっている。

 だから、住人が帰ってくるということはあり得ない。なので、全く問題はなかった。警官たちも自分の有する銃に確保していた弾薬をマガジン込めしている最中。


「一騎」

「んー?」


 弾込めを行っていた一騎は、創太に声を掛けられたが作業を続行。声を掛けた当人も弾込めを続けている。


「彼らはこのまま、このマンションを拠点にすると思うのだが、どうするのだ?」

「彼らには悪いけど、避難民と一緒に出ていってもらう」

「助けたのにか?」

「あぁ。 ゾンビ映画を見たことあるなら、なんとなく予想できる展開があるんだよ」


 一騎が展開と言った言葉に、創太は作業を中断して視線を彼に固定する。創太も有名なゾンビ映画や、午後ロードショーで放送されたりした作品は見た。

 その中で一騎が言おうとしている展開を、正確に予想しながらも気付かないフリを装って聞く。


「展開?」

「そうだ。 人間が一ヶ所に固まっていると、どうしてかゾンビがその周囲へと集まってくる」

「それは……迷惑なのだよ」

「だろ?」

「うむ」

「だから、彼らには悪いが出ていってもらう」

「素直に出ていくと思えないのだよ」


 懸念や予想、推測などの理由だけで彼らが出ていくとは思えない。それは一騎も理解している。一時的な安全を得たからこそ、避難民と警官は思うだろう。

 近付いてくるゾンビがいれば、射殺してしまえばいいじゃないかと。安全確保をするなら確かに、いいだろう。とある一点を除けば。


「有栖市でNHKのヘリが飛んでいたよな」

「覚えているのだよ」

「なら、その時のゾンビの反応も覚えてるだろ?」

「最悪なのだよ」


 ゾンビたちは音に反応していた。学校をラルゴで脱出し、御巫神社通りにいたゾンビはエンジン音に反応していた。だが、それよりも大きなヘリの音を聞くと、その音源の方へと向かっていたのだ。


「避難民や警官が、マンション周辺に集まりだしたゾンビを射殺してみろよ。 音を聞き付けた他のが集まってくる」

「一騎」

「んー?」

「すぐに彼らと情報共有が必須なのだよ」

「だな。 でもその前に弾込めを終わらせるとしよう」


 一騎は黙々と弾込めをしていたから、十三マガジン全てに弾薬を込め終えていた。続いて彼はハンドガンのUSP45のマガジンにも弾を入れる作業開始。使用弾薬は.40S&W弾。

 込められるのは13発。とは言っても、最初の一マガジンだけだ。最初の弾を装填してからマガジンを取り出して、追加する。こうすることで全13発となるわけ。


「飲む?」

「あぁ」

「僕もなのだよ」


 一騎と創太が弾込めをしている間、澪と梓は着替えを済ませて少しだけ慌ただしく動いていた。一階にいる人々にカーテンを閉めるよう伝えた他、ラップを使って巻いた塩握りを配りに行っていたのだ。

 澪は先に配り終えて戻ってきて、飲み物を用意しようとして二人に声を掛けた。返事を聞いた澪はマグカップを探し出して、ドラッグストアから回収してきたインスタントココアを準備。


「どうぞ」

「ありがとう」

「感謝するのだよ」


 弾込めを中止し、二人は澪が入れたココアを一口。


「ほっ」

「美味い」

「ココアなんて久しぶりに飲んだのだよ」


 澪はココアの味と一緒に入っていた砂糖の甘さに、ホッと一息。一騎は程よい甘さに満足、創太は数年ぶりのココアだった。

 三人はゆっくりとカップを傾け、少しずつ飲み干していく。そして、全く同じタイミングでカップを置いた。


「澪、ありがとう」

「うん」

「あーー!自分たちだけで何を飲んでいるのよ!!」


 注意事項を伝え終わった梓は戻ってくると、一騎たちだけがココアを飲んでいるのを目撃。少しだけ不満そうな表情でリビングへと入る。


「おかえり」

「お疲れ様です」


 創太は軽く手を洗うと、梓の分を用意。黙って渡して、なにか言いたげだった彼女を沈黙させた。


「ふー、ごちそうさま」


 まだかなり熱いだろうに、一気飲みをした梓はカップを置いて三人に言った。


「お巡りさんたちが話をしたいって」

「僕らも情報共有が必要だと思っていたのだよ」

「行くか」


 銃とマガジン、弾薬を一騎は自室に移動させた。廊下に出ると、彼は念のために施錠を行い、梓の案内で階段を降りて106号室へと向かう。

 歩哨役の警官二名が一騎たちを見ると、綺麗な敬礼をして見せる。一騎は「お疲れ様です」と言い、創太は敬礼で返事をし澪と梓は小さく手を振る。一騎は脱出時に普通に指示を出していたが、今はちゃんと敬語。

 梓がチャイムを押そうとすると、すぐに一名が玄関を開けて四人の来訪を告げた。リビングのドアが開かれ、署内で指揮官役をしていた五十代警官が出迎える。


「来てもらって感謝する。 現状でわかっていることや、お互いが把握している情報の共有を行いたい。どうだろうか?」

「もちろんです。オレたちから出せる情報は少ないですけどね」

「それでも、共有しておいて損はないだろう」

「ですね。では先に聞かせてもらっていいですか?」

「こちらが把握している限りを伝えよう」


 リビングへ通されて、四人がイスに座ると一人の警官が印刷された物を配布。


「最初に知っておくべきは、いつから始まったかということだな。東京都内の暴行傷害事件だが、場所と時間を見てくれ」


 促されて視線を落とした一騎たちは、書いてある場所と時間を見て目を丸くする。


「東京内の全市で暴行傷害事件が発生。そのどれもが体調の悪そうな人物を目撃し、心配して声を掛けた区民、市民が噛み付かれている。

 そして、警察への通報が入る前に各地で救急車の出動要請が連続した」

「暴行傷害事件発生時、どんな症状があったのだ?」

「まず顔や見えている肌の色が土気色、それと浅い呼吸に異常なまでの発汗」

「それ以外は?」

「急激な吐血と口から黒い液体を垂れ流し。 それと個人差はあるようだが、腐敗臭もしたと現場に向かった各警官が報告している」


 この情報は一騎たちは初めて得た。通学中に遭遇したゾンビからは、腐敗臭などしていなかったからだ。それに上戸森警察署に殺到していたゾンビからも特に臭いなし。


「オレたちが遭遇したゾンビからは、臭いなんてありませんでした」

「そうか。話を続けるぞ?」

「お願いしますね」

「噛まれたり、身体の一部を食べられた人々だが、場所によって体調変化の時間に差があった」

「首や腹部などの太い動脈がある場所を噛まれたり、食われたりした場合と、そうでない場合なのだろう?」

「そ、そうだ」


 創太は自分が警察のサーバーにハッキングを行い、そこから情報を得たことを話した。この段階で確定的になったのは、噛まれたり食べられたりした場所とその部位の傷の大きさによって、感染からゾンビになるまでの時間が大まかに判明する。

 それと、もう一つ判明したのは警察からの情報で傷口から唾液や血液が入った場合は感染が確実だという内容。これは、被害者の中でゾンビになっていない人物からの証言で明らかになったと。


「ゾンビの血液検査はしましたか?」


 一騎がこんな質問をしたのは、どうしても気になることがあったからだ。


「いいや、まだだが?」

「警察と協力関係にある病院、もしくは医師や看護師は? 特に感染症に詳しい人材は?」

「一人だけならまだ連絡が繋がる。 どうするんだ?」

「その人の元にゾンビの血液を送ってください。 ウイルスだと仮定して、自然発生したものなのか、人為的に作られたものかを知りたいので」


 一騎には医学的な知識は一切ない。だが、もしも国内でまだ閉鎖はしても、独自に研究を行っている病院や研究所があるなら坑ウイルス剤を作ってもらおうと考えていた。


「それは問題ないが、どうやって血液を採取するんだ?」

「どうやって、とは?」

「感染、いやゾンビはかなり力が強い。かなり厳重な拘束をしないと、暴れられるぞ」

「それなら簡単なのだよ」

「簡単?」

「拘束などせず殺せばいいのだよ。 殺してから血液を回収すればいい」


 創太の言葉に指揮官役の五十代警官は「そうだった。拘束なんか必要なかったな」という表情に。


「創太くん」

「うむ?」


 ここで梓が物凄く重要な質問をするのだった。


「どんな物に血液を入れるの? それに時間が経つと血は固まっちゃうけど」

「「……あっ」」

「容器と血に触れないようにする方法を考えればいいでしょう。 血が固まった場合は、水気を与えるしかないかと」

「武藤くん」

「ん?」

「注射器」

「え?」

「注射器」


 一騎は澪の短い言葉を聞き、少しだけ思考停止。それも数十秒程度だったが。


「採取に注射器を使おうって?」

「そう」

「いい考えだけど、誰も持ってないだろ」

「クリニック、個人医院」

「クリニックに個人医院?」

「そう」


 澪がなにを言いたいのか。今度は時間もかからず、彼は正確に理解した。


「確かに個人経営のクリニックや医院でも、採血は普通にしてるな。 そういう場所から回収しようって?」

「そう」

「名案だな」


 指揮官役警官や、他の警官も頷いたことで再び情報共有へと戻っていく。二時間ばかり使って、まだ無事だろう警察署が取るだろう対応や、自衛隊がどう動くかの情報も避難民以外が共有された。





 時刻は夜の七時半。一騎たちは夕食を済ませて、再び106号室を訪れている。その理由は実に単純であり、情報共有の際に警官たちから、このマンションを今後の拠点として使いたいと言われたからだ。

 しかし、一騎たちは反対。とりあえず事情は夕食を済ませてからという流れになったためである。そして、食事を終えて話し合いのために四人は再訪問をしていた。


「ゾンビ映画を見たことがあればわかると思うけど、人が一ヶ所に集まりすぎると、そこにゾンビがいつの間にか群がってくるんです。

 だから、ここを拠点とされると周囲を埋め尽くされて動くのが困難になってしまう。 なので、ここを拠点とされるのは迷惑なんですよ」

「集まってくるならその都度、殺してしまえばいい。 そうすれば、問題にはならないだろう?」

「その死体はどうするんですか?」

「放置だろ?」

「死体を動物が食べた場合、どんな事態が起こるか考えてみましたか?」

「死ぬだろうな。 そして――――あっ」

「そうです。 現状、ゾンビになってるのは人間だけです」

「死体を食べた動物が感染して、同じようにゾンビになる危険性があると」

「その通りなのだよ。 もしそうなった場合、人間よりも早く移動することが可能なゾンビに襲われる危険性を考量するならば、殺した後に焼却するのが一番なのだ」

「それだけじゃありませんね。 殺して放置すると衛生面にも影響が出るでしょう」

「た、確かに。 それに自分の拠点の周囲に死体が残っているのも気味が悪いな」


 一騎と五十代警官のやり取りに、創太も加わる。そして他の警官たちも話に話に参加。


「それだけじゃありません」

「そう」


 ここに梓と澪も加わる。


「人間が生きる上で必要な飲料、食料の確保をするには出掛けなくては行けません。 もしも周囲をゾンビが囲っていたら外へ出るのも難しくなります」

「侵入、感染拡大、全滅、仲間入り」


 警官たちが一斉にブルっと震えたのは、梓の言葉に続いて澪が発した言葉だ。もしも本当にマンションを拠点として使う場合、人口は増えてしまう。

 まだ未確認ではあっても、人が集まりすぎた場所にゾンビが群がってくる危険性を考えた時、彼らは澪の言葉が現実になるのを恐怖した。


「どれだけゾンビが集まってきているか、確認するのだよ」


 創太は警官たちの様子を見てから、実際に見てみようと提案。一騎と澪、梓が同意。指揮官役も本当に現実になったら困るという表情で、創太の提案に同意。

 一騎たちはそっとベランダへと移動して、そっと少しだけカーテンが開けて外の様子を窺う。外は暗くなっていて、明るい室内に慣れた状態だと最初は見えなかった。

 だが、それも数分もすると変化する。ベランダの奥からほんの二、三メートル先。フェンスの向こうにゾンビの姿。九体がボーッと突っ立っていた。


「今のところ、ここから見える限りだと六体か」

「そのようだ」

「しかし、どこから来たのか疑問なのだよ」

「疑問、とは?」

「僕らが上戸森警察署に向かった時、マンション周辺にはゾンビの姿はなかったのだよ。 帰ってきた時も、管理人室から監視カメラを使って見たが、その時もいなかった」

「それなら、警察署から来たのでは?」

「もしそうなら、たくさんの数が移動してきているんじゃないかと」

「同意」

「仮に音を聞き付けたとしても、警察署からここまで徒歩で四十五分から五十分は掛かる。 それだけの距離がある場所にまで聞こえる音なら、オレたちだって気付いてるはず」

「なら、ここから視認ができない場所にいたのではないか?」

「難しいですね」

「どうしてですか?」

「ここへ戻ってきた時の音を思い出してください」

「音?」

「エンジン音」

「エンジン音?」

「シャッター」

「シャッター?」


 一騎と創太、警官たちのやり取りに梓と澪も混じる。その中で澪が警官たちに単語で話したが、彼らはすぐに理解ができない。


「戻ってきた時の車の台数とそのエンジン音。それにドアの開閉音がしましたよね。 地下駐車場のシャッターの開閉音も多少ながら出ていた」

「それが?」

「ゾンビが音に対して敏感に反応するとしたら、情報共有中に引き寄せられていたはず」

「あっ。 一応、俺は警戒のためにベランダの窓に張り付いていたけどよ。その時は姿が見えなかったぜ。今、改めて外を見るまでは感染者の姿を見ていないぞ」

「本当なのかよ?」

「ああ、本当だ」

「ということは、人が集まっている場所に集まってくるのは正解のようだな」

「今のところは数が少なくても、数日後には数がもっと増えているかもしれないですね」


 一騎たちの当たって欲しくない予想というか推測が現実味を増したことで、警官たちもこのマンションを拠点にする考えは消したいようだ。


「避難民を連れて、別の場所を拠点にしてもらえませんか?」


 一騎が指揮官役へと視線を向けると、彼は部下に地図を持ってくるよう指示。しばらくして、106号室にある大きなテーブルに乗り切らないサイズの物が広げられた。

 これに合わせてしっかりとカーテンも閉められ、一騎たちは着席を促される。


「武藤くん、葉加瀬くん。 ここのように太陽光発電が可能なマンションや民家、施設などはないだろうか?」

「何ヵ所かあるのだよ。 今後ともお互いに情報共有をするなら距離的にいい場所が一ヶ所だけある」

「だな。 ここから南西へ約一キロの場所」


 一騎と創太が同時に地図の一ヶ所を指差した。その場所を見て指揮官役は頷く。


「なるほど。 ここと同時期に作られた上戸森イーグルマンションか」

「えぇ。 この周囲にあるマンションで、ソーラーパネルを備えている場所はそこだけです」

「それにこことイーグルマンションから、ほぼ同じ距離にある上戸森ショッピングモールセンターもあります」

「聞いたことがあるな。 海外のテロ事件や暴動事件を参考にして上戸森ショッピングモールセンターは、かなり頑丈に作られていると」

「えぇ。それに飲料や食料品も太陽光発電による電力確保によってかなり大量に保管されています。 生鮮食品はあまりないでしょうが、冷凍食品やレトルト、米などはかなり残っているかと」

「洋服、下着、お布団なんかもあるわね。 必要になったらその都度、向かえば入手ができるわ」

「うむ。しかし、そこだって既に感染者、いやゾンビが入っているのではないか? それに他の生存者も殺到しているかもしれない」

「数日中に試してみましょう」

「試す?」

「えぇ。 ゾンビがなにに反応するのかを。それと生存者が逃げ込んでいるのかの確認を」

「そうだな。 具体的にはどんな実験をするのだ?」


 指揮官役の問いに、一騎と創太、澪が意見を出していく。


「まず重要なのは音に反応するかどうか」

「うむ。 次に視力があるのか」

「距離確認」

「距離確認?」

「そう」

「どの程度の距離で認識するのかと、どれだけ離れたら追いかけて来なくなるかを、か」

「正解」

「ちょっと待ってくれ。 視力確認の主な方法は?」


 指揮官役が話に質問してくる。一騎と創太は視線を合わせると、全く同時に頷いた。


「用意できるならマネキンなのだよ。 あれを認識して動くのか、あるいは動くものに反応するのか」

「可能なら実際にゾンビを捕獲し、ゾンビ同士で襲わない理由の検証もしたいな」

「それと明暗を認識するのかも気になるのだよ」

「明暗?」

「うむ。照明の明るさやライトの光に反応するのかを知りたいのだよ」

「指揮官、少しだけいいでしょうか?」

「問題発生か?」

「いえ。二人の話を聞いていて、気になったので今外を見たのです。 そうしたらいつの間にか増えていた感染者が街灯の下に集まっています」

「なんだと」

「外をそっと見てください」


 一騎と澪、指揮官役の三人はベランダへ出る窓まで近付き、そっと少しだけカーテンをずらして外の様子を見る。そこには、確かにいつの間にか増えたゾンビが、街灯の下に集まっていた。

 街灯は十メートル等間隔で並んでいて、一番近い距離は106号室から五メートルの位置。


「ざっと見たところ三十体くらいですかね」


 一騎は見える範囲で数え、ゾンビ数を口にした。街灯の下と、その明るさに引き寄せられるかのうように歩いてくる姿を見たのだ。


「いつの間にか増えているな」

「ですね。 とりあえず、警戒するべきでしょう」

「同意」


 一騎の言葉に澪も同意。この後、テーブルに戻り室内にいる全員がそれぞれの考えと意見を交換した。一時間ほど話し合った後、警官たちから弾薬を少し分けてほしいと言われて、創太と梓が707号室から弾薬の入ったリュックと手提げ鞄を持ってくる。

 銃に対応しているかは警官たちが自ら確認。これを期に一騎たちも残りのマガジンに弾込めを再開したのだった。それと夜間警戒を警官たちが担当することに決まったが、寝ている間に襲われたくないという誰もが抱いた危機感を解消するためである。

弾薬に関してはWikipediaを参照しています。

ただ、一騎のUSP45に関する部分は、正確ではない可能性があります。

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