41.新兵器とゾンビ一掃
経過観察報告から数日後の昼。一騎がリーダー的ないつもの学生組と、明石たち自衛隊、それと二人の医師が隔離コンテナに集まっていた。中村班と鳥越班の警官組は、昨日の夕方に確保されたNHKのヘリに乗り込み、来栖野市を上空から偵察する予定となっている。
どうやってNHKヘリが確保されたのか、それは明石たちが有栖総合病院に出発してから、しばらくして賀古市にある自衛隊基地にNHKのクルーが乗った報道ヘリが着陸したからだ。
残り少ない燃料を使い、安全に過ごせそうな場所を探していた彼らは、コブラで警戒飛行をしていた松平に発見される。賀古市の自衛隊基地に降りたクルーは、ヘリを譲渡して今も基地で生活している。
それはそうと、どうして一騎たちが隔離コンテナに集合しているのか。その理由はウイルスが完全に身体に順応してゾンビ化の心配がなくなった少女、三森を仲間に加えるために集まっていた。
ウイルス順応者、もしくは適合者(?)は、ゾンビにとってどんな存在なのかを確かめる目的もあるのだが。
「体調はどうだ?」
「全然問題ありません。そろそろ太陽の光を浴びたいです。ずっと閉じ込められていると、不安だし退屈なんですよ」
「音楽プレーヤーや、マンガとかは差し入れたはずだが?」
「読みきってしまいました」
「早いな」
明石の問いに、三森はしっかりと答えている。コンテナの床には、百冊はあるんじゃないかと、そう思わせる本があるのだが読み終えているのは事実のようだ。ちなみに、点滴は六日目の段階で終了している。
「今日は大勢で、一体どうしたんですか?」
隔離コンテナで生活を続けている三森は、基本的に誰とも接触することがなかった。医師や看護師などが、検査や体調の変化を聞き取りに来るか、あるいは高山たちと強化ガラス越しに少し話す程度しか人と関わっていない。
彼女の感覚的には知人とか友人関係なく、十人を超える人間と会うのは久しぶりだった。だからこそ、どんな用事なんだろうかと疑問なのだろう。
「三森さん、あなたはZウイルスに感染しましたが、ゾンビ化の兆候も症状もない。それどころか、順応しています。確証はありませんが、ゾンビになることはないでしょう」
「え? ほ、本当ですか!? あたし、ゾンビにならないんですか!?」
「現状ではそうですね。なので、いつまでも隔離しておく理由もありません」
「ということは?」
「自由ですよ」
「やったーーーーーー!!!」
そうとう嬉しいらしく、三森がベッドから降りて何度か万歳を繰り返した。それを生暖かい眼差しで全員が見守る。
「はっ!? す、すみません」
生暖かい視線を浴び続けたことで、はしゃぎすぎと分かったんだろう。顔を赤くしながら謝罪した三森に一騎が話し掛けた。
「三森、確かに自由に過ごせるようになるけど、いくつか話を聞いて欲しい」
「話?」
「そうだ。オレたちが知る中、今まで感染してもゾンビにならなかった人間は初めてのこと。そこで、少しばかり実験を行いたい」
「実験?」
「ゾンビが三森に反応するのか。三森がゾンビに指示を聞かせられるのかを」
もしも、ゾンビが三森を襲わないのならば、彼女は偵察役にぴったり。またSZが他のゾンビを呼び寄せることが出来ていたなら、彼女にも似たようなことが可能なのではないだろうか。
そういう思考を一騎たちは抱いた。もしもゾンビに干渉することが出来るならば、一ヶ所に集めて一掃することも可能になるはずだ、と。
「もし断ったら?」
「自由にはする。ただし。自衛隊員による、ずっとの監視付きだけどな」
「それは自由って言わない。脅迫でしょうが」
三森はしばらく考えてから、一騎の出した条件を受けることにした。これには、条件を出した彼自身が驚いた様子。
「なに?」
「脅迫だとか言っておきながら、よく条件を受けたなと」
不機嫌そうな表情で一騎に質問した三森だが、彼の答えを聞いて理由を明かした。
「気になるのよ。感染しても人間のままなあたしに、ゾンビがどう反応するのかが。もし襲われそうになったら、その時はちゃんと助けてくれるのよね?」
「もちろん」
「だったら協力する」
彼女の言葉を聞いて、明石は頼もしい限りだと言わんばかりに何度も頷いた。そして明石の方から早速、実験を行うタイミングが伝えられる。
「早速で悪いが、一時間後に病院から三十分ほど離れた場所に向かい、実験を開始する。数体のゾンビがセイゼリアの店内に残っているから、まずは襲われないかを試す。
これに成功したら、君たちが上がってきたマンホールに降りてもらい、指定した場所にゾンビを誘導してもらう」
「誘導ですか?」
「そうだ。目覚まし時計を使って、誘導してもらう。その場所はかなり開けていて、上には出口となるマンホールがある。君が上がってきたところで、RPG、つまりロケットランチャーを使ってゾンビを一掃する」
「大丈夫なんですか? 下水だから可燃性ガスが充満している場合も考えられますけど」
「その心配はない。本当に可燃性ガスが充満していたら、君たちは既に死んでいただろう」
三森の問いに明石は、あっさりとした感じで答えた。もしもガスが充満していたなら、ガスを吸い続けた高山たちが生きていられるはずがない。一酸化炭素中毒で死んでいただろうと。
「分かりました」
明石の指示に三森は頷く。一騎たちは準備をするために、コンテナを出る。これに続いて一緒に外に出た三森は久しぶりの太陽光を浴びて、眩しそうに手で遮った。
「三森!」
「みーちゃん!」
「みももー!」
隔離コンテナを出た彼女は、高山たちに声を掛けられて嬉しそうに手を振ると走っていった。それを優しい眼差しで見送った後、一騎たち学生組が一斉に明石たちを見る。
「なんだ?」
「ロケットランチャーなんて、どこで確保したんですか?」
「気になる」
「僕も気になるのだよ。自衛隊には配備されていないはずなのだよ」
「もしかして、どこかの基地が隠し持っていたのかしら?」
「どうなんですか?」
一騎たちに聞かれた明石たちは、顔を見合わせると「どうする? 教えるか?」や「葉加瀬くんにだけは、絶対に持たせないようにしましょう」に「まだ避難民にも話していないのにか?」などとの小声でのやり取りが。
「小声だとしても、多少は聞こえてますから」
一騎が言外に「さっさと話してください」と促すと、自衛隊員たちの視線は明石に集まる。現場における最高責任者に、判断を委ねようとしているのは一目瞭然。
「数年前に大量の武器が密輸されたことがあった。その密輸組織が北朝鮮、中国、ロシアの人間から構成させれるテロ組織で、警察から協力要請を受けたんだ。
アジトを襲撃して全員の逮捕を行い、武器を押収。その中にあったRPG、ロケットランチャー九十本と弾頭400発を自衛隊が預かることになり、今まで賀古市で管理していた。
今回、狭間二等陸佐が二十五本と半分の200発を送ってくれたから、それを使ってゾンビを一掃する」
「僕が責任を持って、ゾンビに撃つのだよ!!!」
「「「「「「「絶対に却下!!!!!!!」」」」」」」
「そんなバカなーーーーーなのだよーーーーー!!!!!」
創太が撃ちたいと言った直後に、残る全員からの拒否。創太は全員の拒否を受けて「ぐふぉあ!」と膝から崩れ落ちて、四つん這いに。どうしても撃ちたかったようだ。
「お前にはショットガンと電ノコがあるだろうが」
「仕方ない。諦めるのだよ。だから、一騎」
「なんだ?」
素直に受け入れたかと思われた直後、創太がガバっと顔を上げて一騎を見る。
「僕の代わりにゾンビに、RPGを撃ち込んで欲しいのだよ。盛大にゾンビを吹き飛ばして欲しいのだよ」
「明石さんたちが持たせてくれればな」
「武藤くんには最初から渡すつもりだから、安心してくれ」
「明石ぃ!!!」
一騎は問題なしで、自分には問題あり。そう判断された創太が、明石を睨み付ける。
「ごほん。とりあえず、こうしている間にも出発時間は迫っている。武藤くんたちも武装や非常食などを準備した方がいいだろう」
「そうですね。周囲にゾンビがいるかは不明ですが、実弾を使うとしましょうか。下水のゾンビを掃討したら、今後の侵入対策を考えないと」
「確かにな。工事でマンホールが開いている場所は、一ヶ所だけじゃないだろうから、上戸森、有栖、来栖野は改めてマンホールの蓋が開いていないことを確認する必要があるだろう。
下水にゾンビがいるようなら、それを効率よく処分する必要もある」
明石は一騎に自分の考えを伝えると、準備のために行動開始。一騎たちも割り振られている自分たちの部屋へと向かい、3Dプリンター製の銃にするか、実弾を使うかを話し合って、実弾を使うことに決めた。
□
最初の実験から二十分後。ゾンビ一掃を行うのに好条件な、大きめのマンホールの蓋が開けられた。下水と地上を繋ぐ坂になっている場所に、五十人もの人間が集合。
この人数の中には一騎たちの姿もあるが、ほとんどが自衛隊員だ。そんな彼らの後方に四人の学生の姿。高山たちと三森である。
四人の足元には大量の箱が用意され、そこには一騎たちが装備しているMP7やHK417、G36などのマガジンとRPGの弾頭が詰められていた。
「もう少しでドローンが上がってきます。その後方に大量のゾンビ! 正確な数は不明ですが、間違いなく千体は超えてます!!」
無線機から伝えられた情報を三森が大声で伝える。すると、その報告を聞いた一騎たちが腰を低くして一斉に銃のセーフティーを解除。
既に初弾装填は終わっていて、銃口をゾンビに向けて発砲するだけだ。彼らは三森が申し訳なさそうな表情をしているのを見もしない。
それは無理ないことだ。最初の実験である、ゾンビに三森が襲われるかを確かめた際、ゾンビは彼女の存在を完全に無視した。
ゾンビに襲われないことが判明した三森。当初の予定通りに彼女は下水に降りて、ゾンビを誘導するはずだった。しかし、あまりのゾンビの多さと腐敗臭によって早々にギブアップ。
その結果、創太が遠隔ドローンを作り出して、避難民の中にいた下水点検を仕事としている男性に操作を依頼。一騎たちは車に乗り込み、一掃地点まで移動。。
到着後は持ってきた武器の点検と初弾装填。万が一にも下水だけではなく周囲からゾンビが集まってきた場合を想定し、離脱路の確保と手順確認などで時間は消費された。
この間もドローンは順調にゾンビを誘導し続けていたのだ。なので一騎たちは確認を済ませて、即迎撃態勢に移行したのである。
―――――――――――――――――リリリリリリ
三森が状況報告を行って数分後、彼らが銃口を向ける先から目覚まし時計の騒々しいアラーム音が聞こえ始める。それと同時に、吐き気を誘うほどの腐敗臭も届き出した。
「ドローン到着まで残り三分!」
三森が詳細時間を告げると、一騎たちに緊張が走る。既に何度もゾンビを殺していても、些細なことが命取りに繋がるのだ。それを理解しているからこそ、緊張感が高まると一緒に集中力も増していく。
特に学生組の緊張感は高まっている。主に一騎、澪、創太、梓に三笠の五人。十日以上もゾンビと遭遇せず、射殺することもなかった。
そのせいで、ほぼ毎日のようにゾンビを殺していた時と比べると、余計に緊張しているのは無理もない。
――――――――リリリリリリリリリリリリ!
数秒が数十分にも感じられるほどの緊張感が漂い始めた頃。それを待っていたかのように、アラーム音は大きくなり近付いてくる。
――――――――――ゥゥゥゥゥウウウウ
同時にゾンビの唸り声が、目覚まし時計のアラーム音を発するドローンを追って大移動してきていた。約二分が経過した時、ドローンが地上へと出てくる。
搭載されているカメラが一騎たちの姿を捉えた。その映像が有栖総合病院の作戦室でも確認された直後、アラーム音は一瞬にして黙り込む。
「「「「「「「ァァァァア゛ア゛ア゛ア゛」」」」」」」
「「「「「「「ゥゥゥウ゛ウ゛ウ゛ウ゛ア゛」」」」」」」
アラーム音が消えた直後、下水と地上を繋ぐ坂に大量のゾンビがその姿を見せた。
『撃て!!!』
「撃て!!!」
大量のゾンビが一斉に坂を上がろうとした瞬間、無線越しの明石の指示と、一騎が創太たちに発した指示は全く同じタイミングだった。
――ダダン、ダダダン、ダダダダン、ダダダダダダン!
――ババババン、ババババババン、バババババババン!
――ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
――パパパパパパン、パパパパン、パパパパパパパン!
――ズドーーーン!
――カチャリ
――ズドーーーン!
――ドドドド、ドドドドド、ドドドドドド、ドドドド!
「久しぶりの獲物なのだよ! ゾンビが僕に早く殺してくれと頼んで来ているのだよ!! だから叶えるのだよ!!!!!
さぁ、ゾンビ共!! 僕のイサカM37改で死ねることを、名誉なことだと認識するのだよーーー!!!!!」
身体のあちこちから血を流しながら、一歩ずつ確実に接近するゾンビ集団。一騎たちの放つ銃弾は次々にゾンビたちの頭を貫通していく。
頭を撃たれて死亡したゾンビたちは、坂を転がり落ちるようにして下水管へ。巻き込まれたゾンビたちは転倒し、転がり落ちながらも立ち上がって歩き続ける。
創太は自分の撃ったイサカM37改が、一度に六体前後の頭を吹き飛ばすのを見て、実に楽しそうに笑う。
――ズドーーーーン!
――カチャリ
――ズドーーーーン!
――カチャリ
――ズドーーーーン!
「明石二尉、坂を上がってこようとしていたゾンビですが、ほぼ全部が転倒。下水管へ転がり落ちました」
『了解! RPG用意!! 各自の判断で撃ってよし!!!』
隊員の一人が無線を使って明石に報告すると、明石からRPG発射許可が出る。現場にいる全員の無線に彼の指示が届いた。
その直後、一騎たちはすぐさま後退。すると自衛隊員数名がRPGをしっかりと構えて、坂の下へと弾頭を向ける。彼らは後方数メートル以内に誰もいないのを確認し、スコープをしっかりと覗き込む。そして
「真っ赤な花を咲かせな!」
「腐敗臭をプンプンさせながら、こっちに来るんじゃねえっての!!」
「俺たちの家族や仲間、友人を食いやがって!!!」
――ドシューーーーーン!
――ドガーーーーーーン!
――ドシューーーーーン!
――ドガーーーーーーン!
――ドシューーーーーン!
――ドガーーーーーーン!
三人がゾンビを怒鳴ってから、発射した。転倒に巻き込まれているゾンビ、転倒したゾンビを踏みつけてでも坂を上がろうとするゾンビが、直撃を受けていく。
瞬間的に真っ赤な花と化したゾンビから、跡形もなく木っ端微塵に吹き飛ぶ個体に、火に包まれて全身から黒煙を上げるゾンビなど。
「ゾンビにはショットガンと電ノコなのだよ! RPGで吹き飛ばすだけでは芸術性がないのだよ!! 見よ、僕のショットガンで死んでいくゾンビを!!!!
これこそが真のゾンビ退治であり、駆除であり、掃除であり、伝説でロマンなのだよーーーーーー!!!!!!」
創太の楽しそうな笑いが響くなか、一人の隊員が坂を少しだけ降りて、有栖総合病院方面から来る集団にRPGを発射。周囲を無意味に破壊するだけかと思われたが、正確に計算されていた。
ゾンビを殺すと同時に天井のコンクリートが崩れる。十数体が崩れたコンクリートに押し潰されると同時に、新たな坂が出来る。
――ダダン、ダダダン、ダダダダン、ダダダダダダン!
――ババババン、ババババババン、バババババババン!
――ズドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!
――パパパパパパン、パパパパン、パパパパパパパン!
――ズドーーーン!
――ガガガガン、ガガガガン、ガガガガガガガガガン!
――ドドドド、ドドドドド、ドドドドドド、ドドドド!
その坂を上がろうとしたゾンビたちだが、既に銃口を向けていた一騎たちによって次々と射殺されていく。
「「「「「「「カー、カー、カァーー!!」」」」」」」
銃声に引き寄せられたかのようにして、大量のゾンビカラスが集まり出す。
――ビシャビシャビシャ
――ビチャビチャチャビチャ
ゾンビカラスの鳴き声と羽音が、はっきりと聞こえ始めた瞬間だった。全員がビクゥっと身体を震わせて動きを停止する。強烈なまでの殺意と、憎悪を感じ取って。
「また来やがったのか。そうか。そんなに燃やされたいか、ゴラァ!!!」
完全にキャラが変わった一騎さんに、一掃メンバーの視線が集中する。いつの間にかHK417から火炎放射器を装備している一騎。
「「「「「「「カーーーー!?」」」」」」」
ゾンビカラスに視力や聴力、記憶力がどれだけあるのかは疑問。一騎さんの怒鳴り声と、火炎放射器を目撃したらしい直後だ。カラスたちが「何でここにーーー!?」って感じの鳴き声を上げたのは。
――ゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!
「「「「「「「「ゥゥゥゥウ゛ウ゛ウ゛ウ゛」」」」」」」」
「「「「「「「「ァァァァア゛ア゛ア゛ア゛」」」」」」」」
「「「「「「「「ギィィィイ゛イ゛イ゛イ゛」」」」」」」」
「「「「「「「「グゥゥゥオ゛オ゛オ゛オ゛」」」」」」」」
「ゾンビ共! うるせぇぞ!!」
改造された火炎放射器の射程は十五メートル。ゾンビカラスたちが一騎に気付いたのは、地上まで四メートルを切った直後だ。
一騎は急降下してきていたゾンビカラスの大群を焼きながら、新しくできた坂の下から出てくるゾンビに怒る。ゾンビカラス八十羽ほどを焼殺させてから、彼は自分に迫ってくるゾンビを燃やす。
「邪魔するなら、てめぇらも燃やしてやる!!!」
ゾンビカラスたちが上空に逃げようとしているのを察した一騎は、普段とあまりにも違う自分を見て恐怖のあまりガタガタ震えている全員に指示を出した。
「ボケッとしてる暇ねえぞ! 下水のゾンビは処分しろ。上のカラスはオレが燃やす!!!!」
「「「「「「「「は、はいーーーーー!!!」」」」」」」」
この後、一時間が経過する頃には、飛んできたゾンビカラスの半数が地上で丸焦げになっていた。途中で逃げられた一騎は、その怒りの矛先を下水のゾンビへと向けて焼殺。
RZ数十体が一斉に迫ってくるのを見ても、全く動じずに彼はゾンビを焼いた。燃料が切れたら、なんとRPGを両肩に担いで発射。即弾頭を装填させて、ぶっぱなす。これを繰り返した。
軽く千体を数えたゾンビだったが、火炎放射器とRPGで四割がただの焦げた物体に。まだ動けたゾンビもいたが、創太からウィンチェスターM1887改を受け取って一方的なまでの殲滅を披露。
動けるゾンビが一体も存在しなくなった時点で、一騎は冷静な状態に戻った。ちなみに、彼のキレた姿を目撃した高山たちは、恐怖のあまり数日間は一騎の目を見て話せなくなったという。
お読みいただき、ありがとうございます。
また、誤字脱字報告ありがとうございます。
三森がゾンビに襲われるかの実験に出た後に、中村たちはヘリで来栖野市の上空へ移動しています。
次回は閑話で、上戸森のマンション防衛が行われたところを投稿する予定です。




