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死域からの生還者  作者: 七夕 アキラ
33/54

32.探索と協力


 後藤の善意で一時的な仮眠を取ってから、一騎たちと鳥越班、北見班は昼食とした。病院とも自衛隊とも協力関係を築くことに成功したことは、既に盛岡が石田に報告済み。

 昼食を済ませた彼らは早速とばかりに、行動を開始することに。ソーラーパネルによる電力確保ができている、有栖市の商業施設へと向かうのだ。

 その目的は病院側と自分たちの分の食料確保である。水に関しては中村たちが浄水器を届けたので、ほぼ解決済みだし、それに入院棟の各階ナースステーションにはウォターサーバーも。


 中村班が浄水器と一緒に運んできたソーラーパネルと、変圧器に関しては自衛隊が屋上に運んで設置している頃だろう。それで現在一騎たちはというと、自衛隊から実銃と実弾の提供を受けていた。

 パチンコ玉を取りに戻るよりは、明石が呼び寄せた追加のオスプレイで運ばれてきたそれらを提供してもらった方が時間節約になるからである。


「これらが、マガジンと各銃の弾薬だ。使いたい銃があれば言ってくれ」

「オレたち男性陣はG36とHK417でいいです」

「女性陣は?」

「MP7を」

「今回、マガジンは一人五マガジンまでのみになる」

「了解です」

「それと弾込めは自分たちでやってくれ」


 一騎たちは武器と弾薬を受け取ると、ラルゴとハイエースの前へ。一応、病院側に提供する予定だったガソリンがあるが、後藤が自分たちで使ってくれと彼らに言った。

 なので、車の燃料として給油を行い、ラルゴに一騎たち五人と自衛官三人が同乗。ハイエース側に鳥越班と北見班が乗り込んだ。

 この段階ではコブラのローター音やミサイル爆発の轟音による、ゾンビ襲来なし。彼らが向かう先は有栖市の中心地域。多くの商業施設にソーラーパネルによる自家発電能力が備わっているからだ。


「これから使用時における注意時点を話します。しっかりと聞いて守ってください」


 運転を創太が行い、現役自衛官による銃の扱いに関しての簡易講習が車内で始まった。一騎は銃の取り扱い、リロード講習には参加せず、HK417とMP7の弾込め開始。


「全てではありませんが、銃にはセーフティーと呼ばれる安全装置があります。これは――――」

「一騎、今回の探索はどうするのだよ?」

「どう、とは?」

「今回は3Dプリンター銃ではない、実弾なのだよ」

「だから?」

「中心地域にゾンビが残っていたら、銃声を聞き付けて集まってくるのよ」

「その時は迎撃するしかないだろうな。あまりにも数が多いなら、有栖総合病院に残っている自衛隊に連絡を入れて回収してもらおう」


 一騎は創太の質問にスラスラと回答しながらも、その手は休む間もなく実弾をマガジンへと押し込んでいく。


「また、リロードをする際には必ず――――」


 後部座席側で自衛官が澪たちに、実弾使用上の注意を話しているのをBGMにしながら、一騎は弾込めを続ける。


「創太」

「どうしたのだよ」

「近いうちにガソリンスタンドへ向かって、ガソリンが残ってないか確認しないか?」

「仮に残っていたとしても、大きな問題があるのだよ」

「問題?」

「電気がないと、ガソリンスタンドでは給油ができないのだよ」

「……発電機、あると思うか?」

「一騎、常識的に考えるのだよ」

「発電機……ないな」

「ガソリンスタンドに、発電機があったらなにに使うのか聞いてみたいのだよ」


 一騎たちはガソリンを事故車から回収し続けてきたが、今のままでは絶対的に足りなくなる。それを解決するにはガソリンスタンドへ。

 そう判断するのは、実に普通の判断だろう。どうして一騎がこんな話を持ち出したのか。それは、ラルゴから700メートルほど先にガソリンスタンドが見えたから。


「時に創太」

「うむ?」

「どうして、それを持ち込んだのか聞かせてくれ」

「どうして、とは曖昧なのだよ」

「わかった。わかりやすく聞こう。なんで改造ショットガンを持ってきてるんだ!」

「ふっ! ゾンビにショットガンは絶対なのだよ!!」


 一騎の指摘したショットガン、ウィンチェスターM1887改を創太は運転に支障がないようにして銃口を天井に向けトリガーをアクセルの隣に置いていた。

 これだけでも運転が不安になるのだが、一騎としては持ってきている理由が気になっていたのだ。なぜなら


「シェル、ほとんど残ってないだろ!?」


 午前中のゾンビ掃討戦で、シェルの大半は使ってしまっている。残っていても、およそ二十シェルしか残っていなかったはずなのは一騎も見ていた。


「ふふふふ! これを見るのだよ!!」

「!? お前……まさかそれは!?」

「僕はシェルポーチが一つだけなど、言ってはいないのだよ!!!」

「あのー、すみません。静かにしてもらえませんか?」

「っていうか、どうしてショットガンがあるんだか」

「普通に銃刀法違反だろ」

「諸君、自衛隊諸君」


 創太の笑い声が大きすぎて、自衛官たちは講習を一時中断して声を上げた。そして、物凄く今さらな発言。これに対する彼の答えは単純だった。


「ゾンビ溢れる世界で銃刀法違反など言っていたら、死んでしまうのだよ! 生き残るには武器は必須!! 法律云々を言い出すなら、自分たちの周囲だけを守っていた諸君らに文句は言えないのだよ!!!

 それよりもだよ。ゾンビに対してショットガンを使ったことは?」


 最初こそ実にまともな話だったのが、創太は長続きさせなかった。いきなり、ショットガンの話を振ったのである。


「ない、けど」

「ないな」

「ないぞ」

「愚かなり! ゾンビに対してショットガンを使い、殺すのは生存者である僕らに許されたのだよ!! ゾンビ相手にショットガンをぶっぱなして、吹き飛ばすのは生存者にのみ与えられた義務で権利で特権で王道でロマンなのだよ!!!」

「危ねぇ! 前見て運転しろ!!!!!」


 創太はゾンビにショットガンを使うことの話を始めると、なんと前を見ずにハンドル操作。自分の考えを一方的に話して、前方不注意状態。

 現在のルートがほぼ直線道路だから問題ないが、もしそうでなかったら自殺行為でしかない。というか、少しだけラルゴが左に寄り始めて、事故車に衝突しそうに。

 なので一騎は怒鳴るだけじゃなく、創太の顔面を掴むと無理矢理に正面を向かせた。


「こほん。自衛隊諸君、ゾンビにショットガンを使うなら一体や二体などではなく、五体以上まとまっている場合に使うと気分爽快なのだよ!!」

「創太」

「どうしたのだよ」

「黙って運転に集中するのと、ウィンチェスターM1887改とシェルポーチを没収されるのとどっちを選ぶ」

「大人しく運転するのだよ」

「やっと静かになった。あっ、女性陣への説明の続きお願いしますね」


 一騎は創太を黙らせると、普通に同乗している三人の自衛官に講習続行を促す。


「「「あっ、はい。任せてください」」」


 完全に創太の勢いに飲まれていた彼らは素直に頷くと、どこまで話したかを確認開始。


「一騎くん、感謝」

「一騎くん、ありがとうね」

「武藤くんが止めてくれて助かったわ。あのままじゃ、ちゃんと説明を聞けなかったから」

「どういたしまして。それよりも、説明を聞くのに集中するのをお勧めします」


 一騎は澪たちからの感謝を素直に受け止め、その上で自衛官たちによる簡易講習に集中するように意識を戻させた。しばらくして、無事に講習が再開。

 彼らの説明をBGMとして聞きながら、一騎は手元の作業に集中する。というか、創太がショットガンに関しての熱論(?) 熱弁(?)をしている間もずっと弾込めしていたことに誰も気付いていない。


「よし、弾込め終了っと」


 会話中も手を止めていなかったから、到着までの時間に余裕を持たせて終了。ちなみに一騎はHK417で、創太はG36を選んでいる。


『武藤くん』

「鳥越さん? どうかしましたか?」

『その様子じゃ気付いていなかったみたいだね』

「あっ」


 無線を通して呼び掛けられ、一瞬だけなにを言われているのかわかっていなかった一騎。だが、それもすぐに解決。そう、無線機の設定を変更していたせいで、ずーっと鳥越たちに会話が聞こえていたのだ。


「すみません、騒がしくなってしまい」

『いや、それに関しては問題ない。実は相談したいことがあってね』

「相談、ですか?」


 無線連絡を取り合う一騎たちの会話を聞いてか、自衛官たちによる簡易講習は一時中断。


『食料調達なんだが、中心地域にある超大手スーパーの有栖ハッピースーパーに行かないか?』

「構いませんけど。どうかしたんですか?」

『ハッピースーパーは、かなりの量の品揃えなのは知っているか?』

「えぇ、まあ」

「鳥越さん、運送について?」

「澪、運送って?」

「ハッピースーパーは、色々な食料品の在庫がかなり多いの知っているかしら?」

「それがどうかしたんですか?」


 一騎と鳥越の会話に澪と梓が参加。澪と梓の御巫姉妹は鳥越がなにを言いたいのか、既に察していた。


「専用の保管倉庫があって、そこに在庫が大量山積みされているのよ」

「はぁ?」

『一度に大量に仕入れるから、提供価格も安い。だから商品がかなりの速度で売れる』

「もしかして、その大量の在庫って二台じゃ運べないってことですか?」

『そうなる』

「自衛隊、オスプレイ出して」


 無事に保管倉庫に到着した時に一騎は、あまりの在庫量に驚くことになる。そして、運び出すのに有栖総合病院にいる警護の自衛官以外がオスプレイを使って飛んでくることになるど、この時は思いもしなかった。





 有栖総合病院から有栖ハッピースーパーには、一時間二十三分で到着。事故車を避けて、別ルートを探したりとしたせいで、時間が長くなってしまったのだ。

 ここまでにゾンビ遭遇はなく、完全なゴーストタウン状態である。駐車場に車を停車させて降りた一騎たちは、スーパー内にゾンビが潜んでいる可能性を考慮して緊張感を持っていた。

 ただ一人だけ緊張感がなく、気持ち悪いくらいにニマニマした笑顔を浮かべてショットガンを肩に掛ける人物。ショットガンの段階でお気付きだろう。そう、創太である。


「周辺警戒に鳥越班か北見班、どちらか残ってもらえますか?」

「俺たちが残ろう。今回だけは葉加瀬くんと行動を一緒にするのは、非常に危険な気がして仕方ないからな」


 真っ先に答えたのは北見だ。北見の言葉に全員が創太へと視線を向ける。ニマニマした状態でG36よりもウィンチェスヤーM1887改を、今にも構えて発砲しそうな雰囲気。

 澪たち女性陣が一騎に「処置なし?」と視線で聞き、聞かれた彼は頷いた。


「では北見班に、警戒のため残ってもらいます。オレたちは中へと入り、店内を探索し脅威がないのを確認したら食料確保に動きましょうか」

「賛成」

「それでいいと思うわ」

「ハッピースーパーは、かなり広いからな。注意しながら進もうか」


 北見たち以外が賛成。これを受けて彼らは一斉に動き出した。開店作業中だったのか、自動扉が中途半端に開いた状態になっている。

 自動扉をグイっと押し広げて、最初に三人の自衛官が先行。続いて一騎たちで後方の安全を守るべく鳥越班が続いて店内に踏み入った。

 自動扉が半開きだったのは、客が勝手に入らないようにと電力供給を一時的に中止していたからだろう。店内の照明は普通に点灯している。


「うっ!」

「さすがに腐っているな」

「冷蔵されていないから、臭いはキツいな」

「ゾンビの腐敗臭ほどじゃないから、まだ平気だろ」


 彼らが進んだ先には生鮮食品コーナーで、野菜や果物に一部の魚介類と肉が腐っていた。特に特売として、あまり冷蔵されていなかったらしい様々な種類の肉には、ハエが発生しているほど。


「先に進もう」


 三人の自衛官が油断なく銃口を前と左右に向けながらも、以外と早く歩いていく。一騎や鳥越班、北見班。そしてここにいない中村班なら、慎重に進むだろうに。


「止まれ。ゾンビ特有の腐敗臭だ」


 二十メートルほど順調に進んでいたところで、先頭を行く自衛官が待ったを掛けた。それと同時に、奥の方から腐敗臭が漂ってくる。


「確実にいるな」

「何体だ?」

「射殺していけばわかるだろ」


 ――バン!


「キャッ!?」

「ひうっ!!」

「耳がぁ!!」


 自衛官三人は奥の方にばかり気を取られて、右斜めから現れたWZに気付いていなかった。セーフティーを解除した一騎が素早く頭部を撃って死亡させる。

 いきなりの発砲で心の準備をしていなかった澪たちが、驚いたり至近距離で聞く銃声によって耳を塞いだり。ちなみに声の順番は、澪、梓、三笠だ。


「ゥゥゥウウウ」

「ァッァアアア」

「ィィィイイイ」

「ウヌォォオオ」

「バァァァアア」


 銃声が店内に響いたのか、七番通路から奥に掛けての商品棚で死角になっていた場所からゾンビが出てくる。その全てがWZであり、店員だとわかる制服を着ていた。

 通路や死角から出てきたのは、三十八体のゾンビ。それを見た瞬間、一騎は真横から聞こえてきた笑いに気味悪そうに視線を向ける。


「獲物、獲物なのだよ! くくくく、ふふふふ、あーはははははははは!!」


 そう、言わずと知れた(?)創太さんである。今回だけは「さん」付けも仕方ないだろう。実に嗜虐心に満ちた笑顔と雰囲気なのだから。セーフティーを外すと、ニヤァっとした。


「ゾンビにショットガン! 最高なのだよ!!」


 ――ズドーーーーン!

 ――カチャリ


「はははははははははははは!!」


 自衛官より前に出て発砲。首から上を吹き飛ばされ、真っ赤な血の花を咲かせるゾンビ。それを見て、創太が実に楽しそうに、嬉しそうに笑う。創太+ゾンビ+ショットガン=ぶっぱなす。時々、バカ笑いする。

 これらを知らない人物が見たら、ドン引きだろう。というか軽くホラーかもしれない。現に三人の自衛官が完全に腰引け状態なのだから。


 ――ズドーーーーン!

 ――カチャリ


 創太の狙いが正確だからなのか、たった一射で七体が血の花を咲かせた。それが二回で十四体のゾンビが死亡。


「ゾンビにショットガン、王道でロマンで気分爽快でハッピーなのだよーーーー!!!!!」


 ――ズドーーーーン!

 ――カチャリ


「ふははははははははははははは!!!」


 ――ズドーーーーン

 ――カチャリ


「む? もういないのだよ。ゾンビーーーーー、隠れているなら出てくるのだよーーーー!!! 僕にショットガンを撃たせるのだよーーーーーーー!!!!」


 出てきたゾンビを全て射殺し終えると、創太はかなり物足りなさそうだ。だからこそ、わざわざ叫んだのだろう。


「一騎くん」

「ん?」

「あの葉加瀬くん、怖い」

「よしよし」

「バーサーカー? いや、トリガーハッピー? それともショットガンハッピー、なのか?」


 澪は創太の様子を怖がり、一騎の袖を握る。握られた彼は、落ち着かせようと頭を撫で、盛岡が今の創太の状況をどう表現するべきか悩んでいる。


「ゥゥゥウ゛ウ゛ウ゛!!」

「ァァァア゛ア゛ア゛!!」

「ブワァァァアアカ!!!」

「ギュァァァア゛ア゛ア゛!!」

「グルォォォオ゛オ゛オ゛オ゛!!」


 ショットガンの銃声と創太の挑発(?)によって、バックヤードの方からWZが出てくる。数は十一体。


「少ないのだよ!!!!!!」


 出てきたゾンビを見て創太が発したのがこれだ。一騎たちからしたら、十一体でも注意していないと危険。なのだが、やはり創太には物足りないようだ。


 ――ズドーーーーン!

 ――カチャリ

 ――ズドーーーーン!

 ――カチャリ


 少ないと言いつつも、しっかりとショットガンで殺した創太。まだまだ物足りない、雰囲気でそれがわかる。創太はズンズンとバックヤードや、休憩室へと進んでいくので一騎たちは慌てて着いていった。

 結果だけを言うなら一騎が一体、残りを創太がショットガンで射殺しただけで終了。追加のゾンビなし。北見たちから無線連絡がないのは、ショットガンの銃声の段階で創太だろうと理解しているからだろう。

 ゾンビの姿がないのを確認すると、一騎たちはまず店内の在庫把握を開始。魚全般、肉全般のほとんどは、冷蔵された状態で残っていたが、どれも日切れ状態。


 納豆や牛乳なども日切れ。食パン、菓子パン関係もだ。しかし、残りの駄菓子や冷凍食品、レトルト、インスタント

商品、缶詰などは無事だった。

 それとジュース関係も、かなりしっかりと冷蔵されていたから全く問題なし。この次に彼らは事務所で鍵を回収して、保管倉庫へ。保管倉庫にはそれぞれ、野菜、果物、魚に肉、米に油に小麦粉にジュースなど豊富にあった。


「「「「「「…………」」」」」」


 そして、全部の保管倉庫を開けて、中を確認した一騎たちの反応がこれ。無言状態である。徹底的な温度と湿度管理がされた状態で、高さ三メートル奥行き二十メートル、横幅十メートルの倉庫内は商品でぎっしりだ。


「これは」

「種類豊富」

「車で運び出すのって、なかなか大変じゃないかしら?」

「この量はさすがに無理なのだよ」

「盛岡、それと同行中の自衛官。オスプレイ、読んでもらっていいか?」

「これ運ぶには、大型トラック何十台も必要になりますね」

「こちら鳥越。北見班、周辺にゾンビは?」

『北見だ。周囲に少しも存在なし』

「了解」


 三人の自衛官に視線殺到。言葉にしなくても、視線が物語っている。お前ら協力しろよ、と。盛岡が無線連絡を入れて、オスプレイを手配。

 二十分と掛からずに到着したオスプレイから、わらわらと降りてきた自衛官たちと協力して、とりあえず運べるだけ運ぶ方針となった。


「……こんなに」

「これほどの食料や飲み物が」

「ハッピースーパー、話には聞いていたがこれほどとは」

「実に驚きだな」

「とりあえず、冷凍食品を最優先で運ぶか」


 応援に来た自衛官たちも、保管倉庫の中身を見てかなり驚いていた。一騎たちは自衛官たちと話し合い、冷凍食品や冷凍状態の魚と肉、それとジュースなどが最優先で運ぶことを決めた。

 乗せることができるなら、様々な銘柄の米十キロも山のように積み込んでいく。全員が協力して運び入れた結果、オスプレイの積載重量ギリギリにまで。

 それでも、まだまだ大量に残っていて、十往復以上は確定。この情報は明石にも流れて、急遽追加のオスプレイが六機も飛んでくる大騒動に。


 有栖総合病院の冷蔵庫と冷凍庫への積み込み量を計算しながら運び、食料品は一定数まで使ったら運び出す方針に。それ以外の日曜雑貨などは、ほぼ全部が一機を使うだけで問題なかった。

 ちなみに病院長の後藤は、一騎たちがあまりにも多くの量を確保したことに感謝感激し、手作りの感謝状を作ってしまったほど。

 ジュース系は病院冷蔵庫と、コンビニのジュースコーナーに運び込まれ無料提供に。ただし、受け渡しの際には多くもらおうとする人間が出ないようにと、しっかり対策も行われた。この日から一騎たちは病院関係者と、病院避難者からヒーローのように扱われることになったのだ。

作者都合で、更新間隔に本格的で継続的な遅れが生じそうです。

しかし、執筆は続けますので、今後もお付き合いください。

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