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冒険に、ついてこないでお母さん! 〜 超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる  作者: 茨木野
11章「最終決戦編」

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179.エルフ、因縁にケリをつける【中編】



「バカな!? 一体何が起きているの!?」


 振り返るとチェキータ、そして正面にも同じ顔をしたエルフが居る。


「……それは、こういうことよお母さん」


 毒蛇にかまれているチェキータの姿が、じわり……とインクを水に垂らしたように不鮮明にある。


 麗しいエルフは、オオカミの耳を生やした少女へと変化した。


「なっ!? ルトラ!?」


「……そう。あなたに作られた娘。人狼のルトラよ!」


 ルトラは短弓を取り出して、メデューサの左目へと矢を射る。


 ドスッ……!


 見事矢は狙い通り命中した。


「こざかしい!」


 メデューサは両腕を大蛇に変えて、振り回す。


 チェキータたちはそれを回避。

 メデューサから距離を取る。


「そうか……人狼の【変化】スキルで、姿をデルフリンガーへと変えていたのね」


「……ご名答。どう? あなたに仕込まれた技で反撃を喰らう気分は?」


 ルトラは矢を番えながら言う。


「毒が効かないのも当然だよね。だってその毒でアタシを、散々いたぶってたものね」


「だから毒の耐性ができていたわけね……こざかしい娘!」


 だがメデューサは勝ち誇った笑みを浮かべる。


「けど残念。反撃を加えたところで、わたくしには攻撃がきかない。不死の力を持つこのわたくしにはね!」


 メデューサは目に刺さった矢を抜いて捨てる。


 本来なら再生はすぐに始まる……はずだた。


「なに!? さ、再生が始まらない!?」


「いくわよ【みんな】! 一気にたたみかけるの!」


 だっ……! とチェキータが駆け出す。


 魔法で脚力を強化しているのか、凄まじい早さだ。


 手にもつ剣で、メデューサに連続して斬りつける。


 剣に集中していると、意識外からルトラが矢を放ってくる。


「くそっ! 邪魔をするな! 親に逆らうとはどういうことだルトラぁ!」


「……ハッ! 一度たりとも母親として何かをしてくれたことないくせに、今更母親面するな!」


 ルトラは正確無比な射撃で、メデューサを追い詰める。


 それは決して致命傷にはなり得ない。


 だがチェキータの剣は違う。


 やつの剣は一撃一撃が凄まじい攻撃力を持つ。


 それの対処に全ての力を使うと、ルトラの矢によって集中力を削られる。


 そこをチェキータが切り込んでくる。

 非常に厄介だ。


「あなたの不死のタネは割れているわ。超人的な【再生能力】を持っているだけ。なら【能力解除】の魔法でそれを解いてあげれば、あなたはただの魔族と成り下がる」


「そうか……! 解除の魔法の準備をしている間、ルトラが入れ替わっていたのだな!」

 

 完全に油断していた。

 ルトラは弱いと見くびっていた。


 だから予想外の攻撃に、対処できなかったのだ。


「だが! もう弱いからと見くびらない! おまえら全員本気で皆殺しにしてやる!」


 体から何十、何百もの大蛇が生える。


 それらは鞭のごとく自在に振るわれ、チェキータやルトラたちに攻撃を加える。


 先ほどより強力な毒を込めている。


 かすり傷を負うだけで死ぬ。

 ルトラすらも。


 チェキータたちは無理せず、メデューサの射程範囲外へと出る。


「近づかねばわたくしには勝てないわよ雑魚どもめ!」


 蛇をさらに増産し、波濤のごとく、チェキータたちめがけて蛇を放った。

 

 だがチェキータたちの目に絶望の色はない。


「今よ、しーちゃん!」

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