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冒険に、ついてこないでお母さん! 〜 超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる  作者: 茨木野
11章「最終決戦編」

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176.息子、母と再会する【前編】



 リュージはメデューサの張った結界のなかで、うずくまっていた。


 真っ暗な空間。


 何もない闇のなかで、リュージは三角座りをしている。


「……どうして」


 ぽつり、とリュージは漏らす。


「どうして……母さんが……ここに……?」


 少し前、自分が塞ぎ込んでいたところ、母の声が聞こえたのだ。


 母は、リュージを助けに来たと言った。


 ……その後は母の声はしない。


 外がどうなっているのかわからない。


 リュージは耳を両手で塞いで、目を閉じる。


「……こないでよ。もう、放っておいてよ」


 リュージは消える決意をした。


 自分が生きてるだけで、大切な人に迷惑をかけてしまうから。


 と、そのときである。


『りゅーくん』


 結界の外から、母の声が聞こえた。


「母さん……」


 久しぶりに聞く母の声は、驚くほど穏やかだった。


 その声を聞いてるだけで、リュージのささくれだった心は、癒やされる。


 泣きたくなりそうになる。

 母に、触れたくなる……だがそれを、リュージはグッとこらえた。


「……帰ってよ」


『嫌です。一緒に帰りましょう、りゅーくん』


「帰ってっていってるんだよっ!」


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