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冒険に、ついてこないでお母さん! 〜 超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる  作者: 茨木野
11章「最終決戦編」

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171.邪竜、手分けして城を攻略する【中編】



 カルマ一行は城へと侵入した。


 石畳の通路が奥まで伸びている。


「ここ……前に来たときと、構造が違うのです」


 シーラがあたりをキョロキョロしながら言う。


「そうですか?」


「どうして作った本人が覚えてないのよ……」


 やれやれ、とチェキータが首を振る。


「でもさすがシーラ、大賢者の娘だけ合って、賢いですね」


 カルマがシーラを見て微笑む。


「えへへ~♡ そんなぁ♡ えへへ~♡」


 少しほんわかしていた、そのときだ。


「カルマよ。敵じゃ」


 通路の壁や天井に、数多くのモンスターがへばりついていた。


「……この子らも、アタシと一緒で実験体のなれの果てなんだ。……かわいそう」


 ルトラが沈んだ声で言う。


 リュージもそうだが、人造勇者を作る課程で、数多くの実験対体が生み出されている。


 ルトラはまだ成功作のほうだが、こうして失敗作は、ゲル状だったり、人間の形を保っていないものばかりだ。


「仕方ないわ、ルトラちゃん。せめてわたしたちの手で、葬り去ってあげましょう」


 ちゃきっ、とチェキータが剣を抜いて言う。


「いきますよ!」


 だっ……! とカルマたちが駆ける。


 チェキータは魔法と剣を駆使して敵を排除。


 シーラは魔法を、ルコたちは能力を使い、敵を撃破していく。


「でりゃぁあああああああああ!」


 一方でカルマはというと、人間姿で、敵を殴り飛ばす。


 手には嵐が纏っている。


 ドラゴン姿にならないのは、魔力消費を抑えるためだろう。


「一体一体はBランク魔物程度の力を持っているようね。けど……このメンツなら楽勝か」


 チェキータが剣についた血を払って、鞘に収める。


 そして先へと進んでいった……そのときだ。


 先頭を歩いていたチェキータが、立ち止まって、前方を指さす。


「見て、分かれ道よ」

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