159.息子、メデューサと邂逅する【中編】
カルマの体に触れた途端、母に電撃が走った。
黒焦げになったカルマは、その場に崩れ落ちた。
話はその数時間後。
カミィーナの街に、リュージはいた。
「…………」
「リュー」
「チェキータさん……」
リュージが見やると、そこには優しい笑みを浮かべたエルフの女性がいた。
「母さんの、様子は?」
「大丈夫よ。命に別状はないから、安心して」
母が崩れ落ちた後。
リュージは激しく動揺した。
何が起きたのか、わけがわからなかった。
困惑していると、チェキータがやってきて治療を施したのだ。
「僕が……やったんですよね……?」
リュージはチェキータに尋ねる。
自分が触れた瞬間、カルマに電流が走った。
考えるまでもなく、自分のせい。
「僕が……母さんを、傷つけたんですよね」
「それは、違うわ! あなたのせいじゃない!」
チェキータはリュージを抱きしめると、必死の形相で言う。
「けど……僕が母さんを……僕が……僕が……」
大好きな母に手をかけたことが、リュージにとってはショックすぎた。
「どうして? いったい……何が起きてるの? 教えてよ、せんせぇ……」
と、そのときだった。
「デルフリンガーに代わって、わたくしがお答えしますわ」
振り返るとそこには、白髪の、白衣を着た女性がいた。
首に白い蛇をまいている。
「メデューサ……」
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