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冒険に、ついてこないでお母さん! 〜 超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる  作者: 茨木野
11章「最終決戦編」

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159.息子、メデューサと邂逅する【前編】



 母が娘と温泉に入っている、一方その頃。

 深夜。

 カミィーナ自宅にて。


「母さんとルコ、どこいったんだろ……?」


 随分と前から、ふたりの姿が見当たらなかった。


「外に行ったのかな……?」


 最近母が家を空けることが多くなった。


 外で何かをしているのだろうか。


 と、そのときだ。


「ぱぱー。ただいまー」


 玄関の戸が開いて、ルコが帰ってきた。


「ルコ。おかえり」

「うぉー。かえったー」


 褐色幼女が、リュージの腰に抱きつく。


「ルコ。こんな夜更けにお外でちゃだよ?」


「ぬぅ。すまぬ。ごめんちゃい」


「怒ってないよ。次からは出かけるときは、ひとこてかけてね」


「しょーちつかまつった」


 がちゃっ、とドアが開く。


「母さん。おかえり」


「ええ、ただいまりゅーくん」


 カルマは特に何も言わず、リュージのそばを離れる。


 ふわり、と石けんの良い匂いがした。


「母さん、お風呂入ってきたの?」


「ええ。ルコと温泉へ行ってきました」


「そ、そう……」


 もやっ、とした。

 

 最近自分とお風呂に入らないのに、ルコとは入ったことが、気になったのだ。


 無論リュージはお年頃。

 母と一緒に風呂入りたくない。


 母が過度に自分と接触しなくなった現状は、リュージにとっては喜ばしいことのはず。


 しかし、素直に喜べない。

 リュージを大人と認めてくれたから、ではなく、単に避けられているように感じるからだ。


「母さん。今日いった温泉、僕もいっしょに行きたいな」


 カルマは一瞬硬い表情になるが、すぐににこやかな表情になる。


「ええ、そのうちね」


 カルマはその場を立ち去ろうとする。


 ……やっぱり、避けられている気がした。

「母さん、まってよ。どうして避けるの?」


「避ける? そんなこと……してませんよ」


 目線をそらして、カルマが言う。


「うそ。母さん、避けてたもん」


「そんなことないですって。ほら、寝ますよ」


 やっぱり自分を明確に避けていた。

 いつだって自分のそばにいてくれた母が、である。


 それがリュージにとっては、すごく気になった。


「まってってば!」


 リュージはカルマの腕を掴んだ……その瞬間。


 バリバリバリバリバリ!


「うわぁっ!」


 カルマの体に、激しい電流が走ったのだ。

 リュージは思わず手を離す。

 すると……カルマはその場に、崩れ落ちたのだった。


 

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