157.息子、同窓会に参加する【中編】
リュージはシーラに連れられ、カミィーナ冒険者ギルドへとやってきた。
ギルド会館内の、酒場にて。
「おーっすリュージ!」
「ひさしぶりなんだなぁ~」
「スターチ! ノックス! それに……イボンコも」
そこにいたのは、かつて冒険者学校で一緒に学んだ、友人たちだ。
「やぁリュージ。元気そうで何よりだよ」
リュージはイボンコのとなりに座る。
「どうしたの、みんな?」
「偶然カミィーナに用事があって来たんじゃん」
「仕事でこちらに来ていてね。偶然シーラとギルドであったから、こうして集まっているわけさ」
「偶然なんだなぁ~」
にかっ、と笑う友人たち。
自分に会いに、わざわざ来てくれた友達がいることが、リュージはうれしかった。
「そんじゃリュージも来たことだし、メシ食おうじゃん! のもうじゃん!」
スターチが酒と料理を頼む。
「けど……」
リュージは、一瞬迷った。
母がこんな状況にあるのに、自分が楽しんで良いのだろうかと。
「いいのです、りゅーじくん」
ニコニコとシーラがわらって言う。
「いつも気を張っているのは疲れるのです。たまには休まないと」
「でも……」
「カルマさんも楽しんできてって言ってたのです!」
だから楽しもう、とシーラが言う。
気を遣ってくれたみたいだ。
……それを無下にするのは、よくないなとリュージは思った。
「わかった。ありがとう、シーラ」
「よぉうし、んじゃ乾杯じゃん!」
スターチが届いたばかりの酒を手にして立ち上がる。
「「「かんぱーい!」」」
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