表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

302/383

155.息子、勇者とで会う【前編】




 母がシーラに励まされている、一方その頃。


 リュージは深い眠りについていた。


 ……ふと、まぶたを開ける。


 そこに広がっていたのは、魔物の大群と相対する黒髪の青年だった。


 青年の姿に、リュージは見覚えがあった。

 というか、自分と顔がそっくりなのだ。


 リュージをもう少し大人にしたような顔である。


 彼は剣を手にし、魔物の大群を前に、しかし微塵も恐れていなかった。

 

 振り上げ、そして、剣を振り下ろす。


 ズバアアアアアアアアアアアン!


 彼の一撃は大地を削り、魔物たちは跡形もなく消滅する。


 手の甲に、紋章を宿した彼は、剣を手に魔物をバッサバッサと斬っていく。


 その先にいたのは、漆黒のオーラをまとった、1人の男だった。


『おまえが、魔王だな?』


 彼が言うと、男はにやりと笑う。


『そう言うおまえは勇者ユートだな』


 勇者。

 かつて存在したという、魔を討ち世界を救ったという英雄だ。


 リュージが見ているのは、勇者の記憶だろうか。


『何をしに来た?』


『おまえを討伐しにきた』


 剣の切っ先を、魔王に向ける。


『下等生物が私を殺すか。面白い冗談だ』


『冗談ではない。貴様を殺す』


『私を殺して世界が平和になるとでも思っているのか?』


 魔王は勇者を見下ろしていう。


『私はこの世にはびこる悪の1つでしかない。私を殺したとて、世界が劇的に平和になるわけではないぞ』


『だとしても、おまえのせいで多くの、流れる必要の無い血が流れた。だから殺す』


『立派な心意気だな勇者よ。……反吐が出る』


 魔王の両手に、魔法陣が浮かび上がる。


 勇者は剣を構えて、油断なく相手の出方をさぐる。


 魔王の魔法が発動したと同時に、勇者は剣を構えて、走り出した。

書籍、コミックス好評発売中です!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ