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冒険に、ついてこないでお母さん! 〜 超過保護な最強ドラゴンに育てられた息子、母親同伴で冒険者になる  作者: 茨木野
11章「最終決戦編」

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153.エルフ、メデューサのもとを訪れる【前編】



 あれから半月後。

 

 魔王四天王の一人、メデューサは、地下深くの研究室にひとり、引きこもっていた。

「くひっ♡ 首尾は上々……作戦は順調に進んでいっているわ」


 地下深く。

 培養カプセルの立ち並ぶそこに、メデューサはひとり愉悦の表情を浮かべる。


「これでふぬけた魔王の代わりに、わたくしが……」


 と、そのときだ。


「やっと見つけたわよ、メデューサ」


 ピタッ、と首元に、何かを突きつけられた。


 目線を下ろすと、そこには鋭いナイフ。


「あら、デルフリンガーじゃない。どうしたの、こんなかび臭いところに?」


 背後を振り返ると、そこには、王国騎士としての制服に身を包んだ、チェキター・デルフリンガーがいた。


「長く消息不明だったおまえを、探し出すのに、苦労したわよ」


「ナイフをどけてくれないかしら?」


「動いたら……殺す」


「まったく久しぶりの再会なのに、情緒もへったくれもないわねぇ」


 メデューサは余裕の表情で、一歩前に踏み出す。


 ザシュッ……!


 チェキータはナイフを一閃させる。


 メデューサの頸動脈から血が噴出する。


「あらひどいわぁ」


 だがすぐさま、彼女の傷が塞がる。


 蛇の持つ再生能力がなせるわざだ。


「それでどうしたの、デルフリンガー。カルマアビスを監視せよという、我々王国騎士団諜報部の使命を忘れたの?」


「……とぼけるのもいい加減になさい。もう調べはとっくに付いているのよ。魔王四天王の一人、後方のメデューサ」


 元々ふたりは同僚だった。


 同じく国王に仕える騎士の一人だった。


「あら、なぁんだバレたのね。いつから?」


「ルトラがリューに接触してきた頃から調査してたわ。なかなかしっぽ出さないんだもの。苦労したわ」


「あらそ。それで、わたくしになんようじかしら?」


 ニタニタと笑うメデューサ。

 そこには余裕があった。


「王の命令で、魔王の部下であるわたくしを殺しに来た? 違う違う違うわね、かわいいわたくしのデルフ?」


 メデューサはチェキータの目と鼻の先までやってくる。


 ぺろ……とその頬を舐める。


「気安く触れないで」


「あら、昔は慰めてあげたのに。つれないわぁ。……で? 要件は?」


 チェキータはにらみ付ける。

 ややあって、言う。


「リューの勇者の力を、消す方法を教えなさい」

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