表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

243/383

131.邪竜、息子を守るために立ち向かう【中編】



 海底に引きずり込まれていたカルマは、息子を守るためにと奮起し、なんとか自力で脱出できた。


 そのまま空中戦に持ち込む。


 マキナは空を飛ぶことができない。

 海上からこちらに向かって嵐や雷の魔法を打ってくる。


 それらは万物破壊でいなす。

 マキナのしっぽが絡みつく前に、飛び上がる。あれに捕まると厄介だ。


「母さん!!!」


 無人島の浜辺に愛する息子がいた。

 カルマはさらに発奮する。


 息子のためにやるのだ。

 たとえ、親殺しをすることになっていても。


【うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!】


 カルマはブレスを吐き出す。

 マキナは海中へ潜ってそれをかわす。


 天空より何本も竜巻が発生し、カルマの体をすりつぶそうとする。


 だが万物破壊の雷を体に纏わせることで、竜巻を破壊。


【先ほどまでとは打って変わっての、冴えた戦い方だな、カルマ】


【……うるさいですよ】


 カルマは念話で、マキナと会話する。

 そう、苦戦していたのは、マキナを倒すことに対して、躊躇していたところが、少なからずあったからだろう。


 なんだかんだ言っても、マキナはカルマにとっての生みの親だ。

 

 ネグレクトされても、酷い仕打ちを受けても、それでも親は親。


 倒すことにためらいを覚えていた。

 ……しかし、迷いはもう振り切っていた。

【私はおまえを倒す!!】

【……そうか。それでいい】


 マキナが魔法攻撃をやめて、カルマめがけて直接、突進してくる。


 カルマはそれを飛んで逃げようとする。

 だがその先にマキナのしっぽがあった。


 マキナのしっぽが素早い動きで、カルマの足に絡みつく。


 その瞬間、カルマは邪竜から人間へと変身。


 マキナは邪竜の太い足に、自身のしっぽを絡めていた。

 人間サイズになったことで、しっぽをカルマはすり抜けることができる。


【こしゃくな】


 そう言って、マキナが大口を開ける。

 口から嵐と雷のブレスを、カルマめがけて飛ばす。


 カルマはそれを……避けなかった。

 

 両腕をクロスさせ、万物破壊の雷で、魔法攻撃をはじく。


【……ほう。避けぬか。後の人間たちに当たるからか?】


 カルマの背後にはリュージ……ではない。

 ゴーシュたち冒険者の住居スペースがあった。


【カルマ。貴様、息子以外の存在を守ろうとしたのか?】

「……そうですよ。それがなにか?」


 あのまま避けたらゴーシュたちに当たっていた。

 となると、カルマにとっては嫌なことだった。


 息子と仲良くしてくれたゴーシュたち。

 そして自分を頼ってくれた彼らを……殺したくないと、そう思ったのだ。


【いや。……変わったのだなと思ってな】


「……うるさい。さっさと終わらせますよ」


 カルマが再び邪竜へと変身しようとした……そのときだ。


「母さん!!」


 

書籍、コミックス好評発売中です!


おかげさまでどちらも続刊を出せることになりました!

皆様の応援のおかげです!本当にありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ