表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

222/383

123.邪竜、息子に化粧水を塗ってもらう【中編】



 夜中のリビングにて。


 ひょんなことから、母の素肌に、化粧水を塗ることになった。


「ささっりゅーくんこれ使って♡」


 ぱっちんっ! とカルマが指を鳴らし、スキルでイスを作る。


 カルマはいそいそと髪留めを作り、自身の長い髪を1本にまとめる。

 そして肩にかけて、前に垂らす。


「これでお母さんの背中を塗りやすくなったでしょう! さぁりゅーくん! お母さんと一緒にれっつとぎゃあざー!」


 ……母の発現は、毎回ちょっと何を言ってるのかわからない。


 今回も輪をかけて母の発言が意味不明だった。何を言ってるんだろうか……。


「さぁさぁりゅーくん♪ 早く~♪ おーはーやーくぅ~~~~♪」


 母が楽しそうしている。

 リュージはそれが嬉しかった。

 ……まあ、恥ずかしいけど、周り誰もいないし……。


「はいはい。じゃあ失礼しますね」


 リュージは化粧水を手に取る。

 ぺっぺっ、と手のひらにそれを出す。


 ……母の真っ白な背中に、【女性】は感じない。

 

 赤ん坊の頃から、母の裸身は見続けてきたからだ。


 シミ一つ無い、つややかな肌に、リュージはため息をもらす。

 

 どちらかというと芸術品でも見ているような心持ちになった。


「じゃあ母さん。いくよ?」


「はいっ! りゅーくん来て来てっ。もうお母さんをりゅーくんの液まみれにしてください!」


「はいはい。変なこと言わないでねー」


「あーん。りゅーくんのツッコミが雑です……しかーし! それもまた良いかと!」

 

 苦笑しながら、リュージは母の背中にぺたりと触れる。


「ひゃっ……!」


 カルマがびくーんっ! と背筋を伸ばす。

「あ、ごめん。冷たかったよね?」

「い、いいえ。冷たさはそんなに……」


「? じゃあなに?」

「それは……」


 もにょもにょ、とカルマが言いよどむ。


「よくわからないけど続けるね」

「ま、待って……ひゃぅう!」


 リュージが母の背に触れると、カルマがびくーんっ! とまた体を過剰に反応させる。


 リュージは気にせず母の背中に、化粧水を塗りたくっていく。


「はぅっ♡」「ひゃんっ!」「ああっ!」

と母が珍妙な声を出していた。


 何だろう……?

 痛がってるわけではなさそうではある。


「母さんだいじょうぶ?」

「はぁ……はぁ……らいじょーぶ……れす」


 だいじょうぶそうに見えなかった。

 息も絶え絶えみたいな感じになっている。

「ほ、本当にだいじょうぶなの?」

「ええ……だいじょうぶです。思いのほか気持ちよくって……」


 リュージは「そうなんだ!」と上機嫌になる。


 母が気持ちが良いといってくれた。

 いつもお世話になっているリュージは、もっと母に気持ちよくなってもらいたいと思った。


「よしっ! 僕張り切っちゃうね!」


 リュージは手に化粧品をドバドバと出す。

「ままっ、待ってりゅーくん! ひぃんっ! ま、まずいの……ま、ひゃぅうんっ」


「この辺も? ここら辺もだよね?」


 リュージは嬉しかった。

 いつも母には与えてもらってばかりだったから。


 こうして母に孝行できてることが、嬉しいのである。

 

 母はその後も気持ちよさそうな声を出していた。


 リュージは一生懸命に、母の肌に化粧水をすり込む。


 母はくねくねと動いたり、たまにびくんと背中を反らしたりしていたけど……なんなんだろうか?


「りゅ、りゅーくん……意外とどSなのですね……」


 ふうふうと肩で息をしながらカルマが言う。


「どえす?」

「男らしくて格好いいという意味です!」


 母に褒められて、リュージは気分が高揚した。


 男らしい姿。

 リュージのあこがれである。


 自分は昔から、ちょっと女顔なところがあった。

 体も細く、ともすれば女の子に間違われるほど。


 ……年頃男子であるリュージにとって、女子と間違われるのはいやだった。


 中性的な見た目がコンプレックスだったリュージ。

 だからこそ、男らしいくて格好いいと言われ、嬉しかったのだ。


「ありがとう母さん!」

「えっ? え……っと、りゅーくん。あのね……」


 母が申し訳なさそうにしている。

 だがリュージはお構いなく言う。


「僕っ、どえすを目指すよ! もっともっと頑張ってどえすになるからね!」


「うう……息子に間違ったことおしえちゃったよぅ……けどけどっ、男らしいりゅーくんも格好いいんだ!」


 えへへ~♡ と母がなにやらくねくねしていた。


「もっとしっかり化粧水ぬってあげるね!」

「はいっ! お願いします! ……ひゃぅううんっ」


 母がまた可愛い声を上げる。

 リュージは懸命に、母の期待に応えるよう、しっかり化粧水をすり込む。


 一分の隙まもなく、丁寧に丁寧に、母の背中に塗りたくった。


 数十分後。

 母は目に♡をうかべ、夢見心地で「天国です~……」とつぶやくのだった。

このあと0時から、漫画版の最新話が更新されます!


漫画版は「マンガup」で好評連載中!

書籍、コミックスも好評発売中です!


続きを出すためには皆様のお力が必要となります!


なにとぞ、お買い求めいただき、長くりゅーじくんたちの物語が続けられますよう、ご協力おねがいいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ