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77.邪竜、孫二号を必殺技で寝かしつける【前編】

開けましておめでとうございます!今年もよろしくお願いします!




 息子たちに手料理(※ドラゴンステーキ)を振る舞った、その日の夜。


 息子たちは明日も冒険、ということで、寝ることになった。


 カルマたちに暮らす家は、2階建て。


 2階には部屋がいくつもあり、息子たちはそこを使って寝起きしている。


 息子リュージにお休みのキスをしたあと、義理の娘シーラにもお休みのキスをし、そして孫たちとともに、カルマは自分の部屋へと戻ってきた。


「さっ……! 明日も早いです。ルコ、バブコ、お母さんと一緒に眠りましょ♡」


 カルマはパチンッ……! と指を鳴らす。かわいらしいパジャマが二つ出現する。カルマの持つ【万物創造】スキルだ。


「かるまー。るぅ。パジャマ。きせる。ひとり。きれないー」


 ルコがぬぼっとした表情のママ、カルマにくっつく。


「らじゃー! さ、ルコ。ばんざーい!」

「ばんざーい」


 ルコが両腕をあげる。おとなしくしている間に、カルマがするすると服を脱がし、パジャマを脱がす。


「おっけー! お着替え完了! ルコはベッドへゴー!」

「や。かるま。いっしょに。ごー」


 パジャマ姿のルコが、カルマの細い腰に抱きつく。


「わかりました♡ じゃあルコ、ちょっと待っててくださいね♡」

「おー」


 くるん、とカルマはバブコを見る。びくぅ……! とバブコが体を震わせる。


 ニコニコと笑うカルマだが、バブコは警戒を解かない。この女はリバイアサンを一撃で倒した化け物なのだ。


 規格外のチカラを秘めた女である。警戒を解いてはいけない! とバブコは思っているが、そんな孫の胸中を、カルマは知らない。


「さ♡ バブコ。パジャマですよー。お着替えですよー。かもーん!」


 孫を早く着替えさせたくて、うずうずするカルマ。


「ふんっ! そんなもん着ないわい……って、なんかいつの間にか着替えてる-!?」


 カルマが圧倒的速度で、【万物破壊】スキルを発動。バブコの服を消し飛ばした後、超高速で【万物創造】を使い、パジャマを孫に着せたのだ。


 カルマは邪神王ベリアルを倒し、【神殺し】の称号とともに、最強の能力とスキルを手に入れた。


 そんなカルマにとって、音よりも早く動き、孫を早着替えさせることなど、造作もないことなのだ。


 ちなみに腰にしがみついている孫は、平気そうだった。超高速で動いたのにも関わらず、ぬぼっとしてる。平然としてるのは、元とはいえ、魔王四天王・ルシファーからであろう。


「さ♡ お着替え完了! あとはベッドにゴーですよ!」


 カルマはルコを連れて、ベッドへ移動。布団をどけると、ルコが寝る。そのとなりにカルマが横になる。


「かるま。そーいえば。ぱぱ。は?」

「りゅー君がどうしました?」


「かるま。ぱぱ。いっしょ。ねる。けど。さいきん。ねない。ふしぎ」


 そう、今までのカルマならば、息子と一緒に寝るのは当然! と一緒に寝ていた。


 だが最近は、ルコの言うとおり、寝室を分けている。


「聞きたい?」

「きになる」

「んふ~♡ ひ・み・つ♡」


 えへーと笑うカルマ。


 息子と寝室を分けている理由……それには、深い理由があるのだ!


 それは、息子が義理の娘シーラと、交尾をしているからである!(予想)


 ……順を追って説明していこう。


 先日、シーラは、息子とむすばれ恋人になった。


 恋人とは、すなわち夫婦だ(※違う)。夫婦ならば、繁殖行動(交尾)をしてもおかしくない(※おかしい)。


 交尾の邪魔をしちゃ、いけない……だからカルマは、寝室を分けたのである!


 ……さて、なにゆえこのような、おかしな理論を展開しているかというと。


 カルマは魔獣モンスターである。獣である。


 見た目は麗しい人間であっても、本質は獣のそれだ。(知性があるので野生動物では決してないが)


 動物に交際という概念は存在しない。夫婦になれば、すぐさま繁殖行為をするというのは、自然の流れなのである。


 ……まあ、そんな感じで、カルマの中ではすでに、息子と義理の娘は夫婦だと思っている。


 だからこそ、シーラを義理の娘(仮)ではなく、義理の娘(本物)だと思っているのだ。


 さておき。


 カルマの中では、すでにリュージとシーラは繁殖をしていると思っている。


 息子たちが情事に励んでいるので、親であるカルマは空気を読み、寝室を別にしている!


 というわけである。


 ……まあもっとも。


 リュージとシーラは、別々に寝ている。今も別の寝室で、くぅくぅと安らかに眠っていた。


 つまりまあ、カルマの気遣いは、完全にイランお節介なのであった。


 そうとも知らずカルマは、【息子たちのために空気を読めるわたし、最高におかあさんっぽいー!】と一人心の中でずんどことダンスを踊っている次第。


「よくわからない。もういいや。かるま。ねる……。るぅ……。ねみゅい」


 しょぼしょぼとする目を、ルコがくしくしとこする。


「ああごめんなさいルコ。よしよし、眠りなさい」


 カルマはルコの頭を、よしよしとなでる。ルコはカルマの柔らかく温かな体にしがみついていると、


「るぅ……すき……かるま……あったかい……ぽかぽか……くー……」


 ルコは安らかな寝息を立てて、眠ってしまった。


 カルマは素早くルコを体から離して、布団を体に掛ける。ぽんぽんとなでるその様は、なるほど、以前よりは幾分か、母親らしい表情をするように見えた。


「……ぐへへ♡ 孫の寝顔を見ながら、ぽんぽんと頭をなでるわたし、いまちょーお母さんっぽいですよぅ……♡」


 ……訂正。全然母性を感じられなかった。

 なにはともあれ。


 孫一号を寝つけさせることに成功したカルマ。くるっ、と次なる孫に目を向ける。


「さっ! バブコ。お母さんと一緒に夢の世界へレッツゴー!」


 一緒に寝ましょうという意味を込めてそういったのだが……。


「いーーーーーーーやっ!」


 バブコはブンッ! と首を強く振るったのだった。

今日中に後編(分量増えたら前中後編になります)を投稿します。

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